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秋田小町のエモいお祭り「小町まつり」【秋田県・湯沢市】

秋田といえば「秋田小町」と呼ばれる美しい女子がわんさかいる夢のようなところだと言われています。

そしてその秋田小町がなんと7人も、昼も夜も僕を待ちこがれてる、ということだったので、さっそく行ってみました、秋田小町の郷へ。

ま、お祭りに行っただけなんだけどね。

でもこの「小町まつり」、けっして誰もが知るような有名なお祭りでもなく、多くの人で町中が賑わうわけでもなく、ハンドメイドでハートフルなところだけが目立つけど、とってもエモくていいお祭りでした。

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小町の郷、雄勝(おがち)町小野

「世界三大美女」の1人と言われた平安時代の歌人、「小野小町」が生まれ、また晩年を過ごしたといわれているのが、秋田県の南端に近い雄勝(おがち)町小野という地域(現在は市町村合併で湯沢市小野)。

最寄りとなるのはJR奥羽線の横堀駅

山形県境近く、秋田県の最南端にあるこの雄勝で小野小町は生まれ育ち、途中京での宮中生活を経て、再びここでその生涯を終えたと言われています。

もちろん諸説あるのですが、当然のことながら、この雄勝の小野地区の人々にとってはここが唯一絶対の生誕地であり「小野小町の郷」であります。

そんなわけで毎年6月にここで「小町まつり」が開かれます。

この日はこの横堀駅から歩いて15分ほどの小町の郷公園で前夜祭がある、ということですが、それにしても駅にも町にも人がほとんどいないぞ・・・
ほんとに祭りあるのか小町!

それでもお祭りの会場に着いてみると、出店の明かりがありました。
予定通りやってるみたいでよかった!

小町まつり前夜祭

小町の郷の広大な芝生広場がお祭りのメイン会場ですが、あれれ、ちと早く来すぎたか?

・・・いやいやスタート15分前だから早すぎるってことはあるまい・・・

ま、直前に来てもかなりいい位置をキープできる、ってことは素晴らしいことなんですけどね。。。

雄勝のある湯沢市では毎年7人の小町娘を選び、小町まつりはこの小町娘たちを中心に行われます。
午後7時半、主催者や来賓の挨拶が終わると、いよいよ前夜祭スタート。
僕を待ってた7人の小町娘がずらっと並びます。

メインのステージとなる建物は、京の宮殿ふうで立派です

最初のプログラムは小町娘による小町おどり。
うーん、どれどれ。
僕の小町はどこにいるのか!

むむ?むむむっ?むむむむむっ!
おおおおおおおー

あ、隠れちゃった!

ずーーーーーーーむ。

・・・・・おおおおおおお、なかなか小町!

そして小町おどりの唄は、地元の民謡歌手?

とまあ、とてもハンドメイドでハートフルな小町まつりなわけですよ。

踊りが終わると「小町逢瀬の図」という、名前からして究極のセクシャルでエロティックな光と音の幻想絵巻か?という期待感満載な前夜祭のメインイベントが始まるわけです。

これは小町の恋伝説として最も有名な「百夜通い」をモチーフに作られたもの

京で小町と出会って惚れ込んだ深草少将(ふかくさのしょうしょう)という人物が、故郷に戻った小町を追ってこの出羽の国にやってきたのですが、小町はどーもつれない感じ。

「わたしの元に、100夜通ってくれたら考えてもいーわよ」的なことを言ったのです。

そりゃ通うよな、100夜!
だって世界3大美女と・・・ムフフだぜっ!

そんなこんなで少将は雨の日も風の日も、毎日通います。しかし嵐の吹き荒れる99日目の夜に倒れ、息絶えてしまうのです。

ダメじゃん、少将!
全然究極のセクシャルなエロスにならないじゃん!

アホやな少将、と思ってよく見てみると、あら意外とイイ男。

もったいないぞ、小町。
お前そんなに男ゴコロをもてあそんで何が楽しいのか!

  「いとせめて 恋しき時は むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る」

とか言ってあとから後悔して悶々とするくらいなら一回くらい俺と、もとい少将と・・・(以下略)・・・

ま、そんな感じで前夜祭は進み、最後は小町撮影会。

市女笠(いちめがさ)姿の小町が登場し、これから撮影会に入るのですが、あれっ、さっきまで踊ってたり絵巻に出てたりした小町たちが市女笠かぶってないぞ?

どうやらさっきまで出てた小町たちは去年の小町祭りで任命され、今年で役目を終える「卒業生」で、今、市女笠をかぶっている女子たちが「新・小町娘」なんだそうです。

なんだせっかく見つけた僕の小町は卒業しちゃうのか。。。

あ、でも小町娘の新入生もなかなかいいかも・・・

いいかも・・・

ということで最後は新小町娘が全員並んで写真撮影会。

おー、なんか知らないうちに観客も増えてたのねん。。。

そんなこんなで前夜祭は終了したのでした。

小町まつりと芍薬の花

そして翌朝。

小町まつりの会場近くには、老朽化した小町神社を改修し、小町の霊を祀るために建設された「小町堂」がありました。

行ってみると、艶やかな朱塗りの社殿では、ちょうどお祭り前の神事が行われているところでした。

小町堂の前には、こちらも鮮やかな芍薬(しゃくやく)の花。

そうか、小町まつりが6月に行われるのは、シャクヤクが満開の季節だからなんですね。

シャクヤクというのは昨日の絵巻でも語られていた「百夜通い」の物語で、小町のもとに通い続けた深草少将が、毎日一株ずつ植えていたもの。
「このシャクヤクが百株になったら、あなたと会いましょう」と深草少将に告げた小町は当時疱瘡を患っていて、シャクヤクはそれが治るまでの時間稼ぎのためだったと言われています。

ところがちょうど100日目の夜、暴風雨により深草少将が命を落とし、シャクヤクが百株になることはありませんでした。

そのため小町の郷では、シャクヤクの向こうで今も深草少将と小野小町が永遠に結ばれることなく向かい合っています

コケティッシュだとかいけずだとか言ってすまなかった、小町!
聞けば聞くほど悲しい話よのう!

さて、昨日と同じ小町まつりの会場に行ってみると、今日も安定の客入り(ちなみに、このあとだんだんと人が集まってきたので、ご心配なく)

この日は開会式に続いて市民から応募された和歌の入選作品の発表があり、今回卒業する小町娘たちが入賞作を詠みあげます。

あ、小町発見!

さすが小町、凜としてますなー

このあと前夜と同じように小町おどりの披露がありますが、これが小町娘として1年間、いろんなところで活動してきた彼女たちの、最後の仕事のようです。

さびしいなー。
昨日出会ったばかりだけど。

そしていよいよ小町まつりのメインイベントともいえる「七小町和歌朗詠奉納」
7人の新小町娘が市女笠姿で登場し、静々と祭壇の前に進みます。

はーなーのーいーろーはー
うーつーりーにーけーりーなー
いーたーづーらーにー

わーがーみーよーにーふーるー
なーがーめーせーしーまーにー

初々しい彼女たちが、震える声でゆっくりと、小町の歌を詠みあげるまだ固い音色が、初夏の小町の郷に響き渡ります。

けっして誰もが知るような有名なお祭りでもなく、多くの人で町中が賑わうわけでもなく、ハンドメイドでハートフルなところだけが目立つけど、いいお祭りだなあ。

これが7人の新小町

和歌朗詠奉納が終わると地元の子供たちによる稚児行列が始まります。

そして7人の新小町と一緒にステージへあがり、みんなで記念撮影となります。

ここで午前の部は終了。
午後は小町太鼓やもちつき大会、ちんどんショーとなんでもあり、みたいな感じなので、僕はここで小町の郷を去ることにしました。

まだぎこちない新小町たちが、1年間小町娘として活動をしたあと、あのおねーさん小町のように美しく洗練されるのかな、と思うとまた来てみたい気もしますね、ちょっとだけ。

<2018年6月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

※残念ながら2020年は中止となってしまいました。

小町まつりの基本情報

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小町まつりへの旅

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