岡山県のJR姫新線に久世という駅があります。
久世と書いて「くせ」と読むのですが、昔このあたりの地図を見ていたところ、町内にグンゼの工場があったので、最初は「ぐんぜ」と読むのだと思っていました。
ここに旧遷喬尋常小学校という美しい小学校があるので、久世に行ってみたところ、ぜんぜんグンゼじゃなかったお話です。
グンゼ発祥の地じゃなかった久世！
JR姫新線の久世（くせ）駅があるのは岡山県の真庭市。
ここもかつては久世町という独立した自治体でしたが、現在は合併して真庭市になっています。
ここにグンゼの工場があるのを見つけたとき
そうか、グンゼは「久世」が発祥だからグンゼなのか！
と思っていたので、さっそく現地へと行ってみたのです。
なんかめっちゃグンゼ大好きな人みたいだけど、インナーとかオールグンゼですか？
・・・いや、特にオールグンゼってわけじゃないです。
しかしよくよく調べてみるとグンゼは京都の北部、河鹿郡（現在の綾部市）が発祥で、漢字も「郡是」と書きます。
なんでも明治の創業時「産業の振興によって地域社会（河鹿郡）の発展に貢献する会社になろう」という思いから社名を「郡の是」としたそうです。
グンゼは全然久世発祥じゃなかった！
ということで、僕の想像は全く見当違いだったのですが、ようやくここに来ることができました！
ちなみにこのグンゼ久世工場は2022年に閉鎖となってしまったので、その前に行けてよかったです。
グンゼ大好きだったのにかわいそう！
・・・いえ、かえすがえすもグンゼのインナーマニアというわけではありません。
国の重要文化財「旧遷喬尋常小学校」へ
グンゼのおかげで、久世という地名はずっと僕の頭のどこかにあり、その後、この久世に、美しい小学校マニアの僕にとって垂涎の建造物があると知って、いつか行きたいと思っていたのでした。
それが旧遷喬尋常小学校。
明治初期にこの地にできた明親館という塾を母体にしてできた小学校で、この校舎は明治40年に建てられ、現在は国の重要文化財に指定されています。
正面中央、高瀬舟をかたどった校章の入りの屋根窓とか、めっちゃカッコいいですな。
校名の由来は「出自幽谷遷于喬木（ゆうこくよりいでて きょうぼくにのぼる）」
風祭国語国文学研究所の風祭哲哉所長によると、これは「深山の暗い谷間から飛び立ったウグイスが、次々と高い木へと移っていくこと」に例えて
久世の子どもたちよ、お前たちは山に囲まれたド田舎に住んでいるが、学問に励み立身出世すれば、きっと明るい未来が待っているぞ！
と解釈されていることがググった結果明らかになりました。
ググったのかよっ、風祭国語国文学研究所！
なつかしの学校給食や制服レンタルも
校舎の中に入ってみると、なんと制服のレンタルがありました！
わー、セーラー服、着てみたいわ
という感じの「セーラー服と機関銃」世代の熟女と制服ごっことかしてみたら、また新たな世界が拓けたかもしれませんが、残念ながら今回はひとりでした。
ここで週末を中心に行われているイベントが、なつかしの学校給食ごっこ。
この教室で、学ラン姿のナイスミドルとセーラー服の熟女が隣り合わせの席で給食を食べるんですね。
そしてこれが今日の献立。
僕的にはイマイチなメニューですな。
ミルメークは当たり！って感じだけど、クジラの竜田揚げとか食べたふりして残してたかも。
というか知ってますか？ミルメーク
と思ったら、今でもあるんですね。
そういえば昔は給食、残せなかったですよね。
僕のクラスで牛乳飲めない女の子がいて、毎日5時間目は別室で牛乳飲むまで授業受けられなかったので、かわいそうなことに勉強どんどん遅れてっちゃってました。
そんなの今じゃありえない感じだけど。
「ALWAYS 三丁目の夕日」のロケ地
この旧遷喬尋常小学校は、「ALWAYS 三丁目の夕日」をはじめ ロケ地としてもよく使われているらしく、出演者の記念の寄せ書き？みたいな願い事カードがさりげなく飾られています。
サブちゃん、野球キャラメル300点かよ、と思ってたらホンモノじゃなくって、映画「三丁目の夕日」に出てくる「北島三郎」くんね。
吉行センセー、なんつーしょーもない願望やねん！と思ってたら、古行淳之介やんか。
そのほかにも「火垂るの墓」でも使われていたようですが、まあ、この建物ですから昭和レトロの映画であれば使いたくなりますよね。
帰り道、町中をブラブラしていると、いい感じのアーケード街がありました。
なにかイベントでもやっているのか、こんな小さな町の商店街にしては多くの人で賑わっていました。
この町には旧遷喬尋常小学校だけでなく、ここにもまだ昭和が残っているような気がしました。
＜2029年4月訪問＞ 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
旧遷喬尋常小学校への旅
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