まるで江戸時代の大名の寝室のような豪華絢爛な客室に、びっくりするほどレトロで、しかし古き良き上質さを感じる館内の調度品。
大阪・京橋にある「ホテル富貴」は、昭和の香りを色濃く残したラブホテルです。
しかしこの昭和遺産のような「ホテル富貴」が今、ラブホテルという枠を超え、お一人様にも、観光客にも、外国人観光客にも大人気。今回はその「ホテル富貴」の魅力の数々を紹介し、人気の秘密を探ります。
「ホテル富貴」はお一人様でも観光でも、365日平日料金!
「ホテル富貴」は大阪・京橋の路地裏にひっそりと佇むラブホテル。
泥臭いおじさんの町、京橋が少しずつ新しくなっていっても、1977年の創業以来ずっと変わらない、昭和の文化遺産のようなホテルです。
ホテル富貴のホームページには、古くて最新設備もないため、お客様に不便をかけることも多く申し訳ない、と書かれていますが、このレトロでクラシックなホテルが今、たくさんのお客様に愛されているのです。
人気の秘密は、このド派手で隠微で、しかし壮大な物語性にあふれる昭和レトロな客室。
しかもラブホテルにもかかわらず、お一人様での休憩も宿泊も大歓迎。おまけに週末だけでなく、お盆も正月も365日毎日が平日料金!だから繁忙期で大阪市内のホテル料金が軒並み暴騰している日でも、ここだけは平和な平日料金なのです。
想像してみてください。殺風景なビジネスホテルの狭いシングルルームよりも、この大名の寝室のような豪華絢爛なお部屋のほうが安い日もあるなんて、素晴らしいと思いませんか?
そんな理由もあって、このホテル富貴はテレビや雑誌、Webなど、多くのメディアにも取り上げられていて、今やビジネスマンや観光客の利用も多いのです。
特に最近は日本を訪れる外国人観光客に大人気。確かにこんな「amazing」(アメイジング)な体験ができるホテル、日本広しといえどもなかなかないですよね。
ラブホなのにウロウロしたくなる、古き良き上質な館内を散策
ホテル富貴の館内に一歩入ると、そこはもう古き良き昭和の時代。
ラブホテル特有の隠微な雰囲気はあまりありません。
ゆるやかにカーブを描くフロントに、さりげなく重厚感を加えるステンドグラス。 タッチパネルやカードキーといった便利な設備はありませんが、明るくて元気なお母さんのフロント対応は背徳感を全く感じさせません。
館内の装飾も見事です。ヨーロッパ貴族の館のような螺旋階段にクラシカルな照明やシャンデリア、廊下の壁面に飾られた絵画や装飾。
ラブホテルなのに、館内をウロウロ見学したくなってしまうほどです(もちろん散策しても大丈夫ですよ)。
これは将軍のご寝殿か?物語のある客室がスゴイ!
「ホテル富貴」の最大の魅力は、その客室の物語性。
特に全部で23の客室のうちの8室はそれぞれが異なるストーリーを持ったオリジナリティあふれる空間となっています。
そのコンセプトの中心となるのは「豪華絢爛な江戸の美」と表現したらよいのでしょうか。まるで将軍や大名のご神殿のような贅を尽くしたつくりになっている5つの客室がその象徴的な存在です。
もっとも人気のある客室がその名もズバリ「江戸」。
部屋に入るといきなり目に飛び込んでくるのは神殿風の高床式ベッドルーム!そして広々とした畳敷きの和室、瓦の屋根がついた壁、石灯篭のある小庭。
なんと贅沢なつくりなのでしょうか。一般のホテルのスイートルームと同等サイズの空間が、これでなんと1泊9300円、きゅーせんさんびゃくえん!!
しかも365日同一料金ですぞ!(2020年1月現在)。
ちなみにこのベッドの上の天井には、壮大な春画のアートも描かれています。うっひょー!
そして、そのユニークな作りで有名なのが「舟」の部屋。
中に入ると文字通り「舟」、ご覧の通りまさに「舟」。
こんな形のベッドはなかなかお目にかかることはありません。昭和時代から残る、これぞ文化遺産!ってな感じの客室です。
客室の装飾や小物もまるで昭和遺産博物館
ホテル富貴のコンセプトルームは、客室内の装飾や調度品もレトロ感たっぷり。昭和時代から大切に使われてきた家具や小物、まるで時代劇の撮影セットのような遊び心あふれる内装が、今なお現役で活躍中です。
写真は「ガラス」の部屋にある電動マッサージャー。
おそらくかつては最先端だったこのなんとも愛らしいマッサージャーももちろん現役。部屋の鏡台もおばあちゃんちにあったような懐かしい逸品です。
また、ホテル富貴のお風呂はすべてラドン泉。
ここにはラブホテル定番の最新鋭の照明やジャグジーはありませんが、ゆっくりと湯船につかればラドンの効能により美容と健康増進を図ることができそうですよね。
中華の部屋やローマの部屋。和風以外のコンセプトルームも
ホテル富貴には「英国」「ローマ」「中華」といった「和」以外のコンセプトルームもあります。
「ローマ」といえば「ローマ風呂」。ローマ神殿ふうの柱に囲まれて、広々と明るく開放的な浴室が「ローマ」の部屋の特徴です。
「中華」の部屋はコスプレイヤーの女子たちに大人気の客室。赤と金を基調とした豪華な内装は、確かにチャイナドレスの女子たちにとても似合いそうですね。
ホテル富貴では、女子会や撮影会ももちろん大歓迎ですよ。
ホテル富貴ではコスプレ撮影会や、演劇やトークライブ、朗読会などのイベントも頻繁に行われていて、文化の発信基地ともなっています。まさにここがもはやラブホテルの枠を越え、地域の文化的な存在になっている証ですね。
またホテル富貴から徒歩1分の場所には姉妹館「ホテル千扇」があります。こちらは週末の休憩のみの営業が基本ですが、昭和の香りを色濃く残すレトロなホテルとして撮影ロケなどで使われることも多く、コスプレイヤーにも大人気です。
ホテル富貴の基本情報
住所:大阪市都島区東野田町3-7-11
電話:06-6353-4135
アクセス:京阪本線・JR環状線・東西線「京橋」駅より徒歩3分
コメント