北海道の東の果てにルパン列車が走っているのをご存知ですか?
アニメ「ルパン三世」の作者、故モンキー・パンチ氏の出身地が北海道の道東、浜中町であることから、その沿線の花咲線(根室本線)を中心に、ルパン三世のラッピング列車が運行されているのです。
今回はそのルパン列車で釧路から根室まで旅したときのお話です。
想像を絶するような根釧原野の車窓も絶景続きですよ。
ルパンラッピング列車に遭遇
AM5:00 目覚めると、釧路のホテルの窓から、素晴らしい朝日。
この日はその朝日が日本で一番近くに見られるという東の果ての町、根室に向かう予定でした。
そして釧路駅では、その朝日に燦然と輝く列車が待っていました。
「5時55分発、快速はなさき、根室行き」。
しかもそれはなんと、ルパンのラッピング列車でした(実は来るまで知りませんでした)
このJR花咲線(根室線)では、2012年から「ルパン三世ラッピングトレイン」が運行されているのだと言います。
「ルパン三世」が、この沿線の浜中町出身の故モンキー・パンチ氏の作品であるという縁で、北海道の最果てをルパンが疾走しているのです(現在は一部釧網線内でも運用されています)。
いざ、最果てを疾走
快速はなさき号は、釧路の隣りの東釧路駅を出ると、厚岸までの40分間、ひとつの駅にも停車せずに根釧台地を走り続けます。
釧路の市街地を抜けてしまうと時折現れる小さな駅の周辺以外、人家はまったくなく、車窓からはほとんど原生林と湿地帯しか見えません。
昔はもっと人家があったような気もしますが、もうこのあたりは人が自然から領地を奪っていた時代はとうの昔に過ぎ去って、自然がまた自分たちの領地をどんどん取り戻しつつある、ということなのかもしれません。
乗客は7人。
1両のディーゼルカーは、ピーピーと甲高い汽笛を鳴らして原野を駆け抜けます。
ときどきエゾシカが線路際から慌てて森の中に逃げ込むのが見えます。
やがて右側に海が見えてくると、沿線で最も大きな町、厚岸(あっけし)に到着します。
厚岸で高校生やらなにやらが、さぞかしたくさん乗ってくるんだろうな、と思っていると、2人降りて誰も乗らず、乗客は5人になってしまいました。
8分の停車時間の間に、ホームに出てみると、警部、かなりいい感じのブツを発見しましたぜ!
「カキの顔ハメ」ってどないなっとんねや、厚岸!
清楚な感じの女子高生とかが「あっけしはカキ!」とか言って顔ハメしているところを見つけたら、未成年なんとか罪でしょっぴきましょう、警部!
さて厚岸を出ると、根室本線の釧路以東の車窓のハイライト、厚岸湖畔の湿地帯が現れてきます。
僕が最初にここを通ったのは大学時代の時でしたが、ノーマークだっただけにこの景色には圧倒されました。
宗谷本線の稚内に行くまでのサロベツ原野を越える荒涼さです。
でも素晴らしい景色です。
僕の中では、北海道の、いや全国の鉄道車窓の中でも、かなり上位にランクインするんじゃないかと思っています。
そしてルパン駅を発見
厚岸の次の停車駅、茶内に到着すると、今度は銭形のとっつあんがお出迎えです。
列車交換のため、しばらく停車するので、駅の外まで行ってみます。
この「茶内駅」と隣の「浜中駅」がモンキーパンチの出身地、浜中町の駅なのです。
茶内駅のルパンはわりとシンプルですが、浜中駅にいるルパンの仲間たちはかなり濃いので、この後また別の機会に紹介します。
列車はしばらく内陸部を走りますが、浜中、厚床と過ぎると、再び海岸段丘から海を望む車窓となります。
茶内で一人降りて4人、落石で高校生が2人乗り、乗客6人で終点の根室に向かいます。
距離にして135km、約2時間15分の列車にのった乗客、都合9人。
根室本線という名前の、かつては北海道では幹線扱いの大動脈です。
朝早かったとはいえ、通勤通学時間に走る列車です。
マジで大丈夫かな。
こんな調子だと、近い将来この線路もなくなってしまいそうで、心配です。
だってこんな絶景路線がなくなったら、日本の鉄道史上の大損失だと思うよ。
終点根室と東根室
根室駅に着くとここにも顔ハメ看板がありました。
若干情報多すぎな感もありますが、厚岸にくらべると、犯罪度は低そうなのでまあ許しましょう。
根室駅は「日本最東端の有人駅」。
ということで、正真正銘の「日本最東端の駅」、隣の東根室駅にも行ってみました。
吹きさらしの短いホームが1本あるだけの無人駅ですが、ここにこうして降り立つのは初めてでした。
終点で最先端の根室が最東端じゃないのは、東根室駅から根室駅までの間で線路が西に大きくカーブするためなのです。
札幌から根室までは530kmだそうです。
東京から大阪までの距離とだいたい同じ感じです。
やっぱり北海道は広いですね。
<2014年10月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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