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マッサン、たまゆら、かぐや姫 ~安芸の小京都・竹原【広島県】

広島県の瀬戸内に面した港町、竹原安芸の小京都と言われ、伝統的建造物群保存地区となっている古い町並みが残っています。

きっとさぞかし僕好みのしっとりしたエモい場所なんだろうな、と思って行ってみたら、そこはなんと「たまゆら」やら「マッサン」やら「かぐや姫」やらの聖地だそうで、アニメとかドラマとか日本昔ばなしとか、いろんなもので盛り上がっていましたよ!

だからと言って竹原がエモくなかったか、と言われるとそんなことは全くなく、想像以上にめっちゃエモいところだったのですが。

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「かぐや姫」「たまゆら」「マッサン」

竹原の駅に着いてすぐに現れたのは「かぐや姫」

この理由は至ってシンプルで、昔から竹林が多かったことから「竹原」と呼ばれるようになった、という由来で、竹のお姫様=かぐや姫が町のキャラクターということでした。

なので広島と竹原を結ぶ高速バスも、「かぐや姫」号

今回は行きませんでしたが、竹原市内には「かぐや姫美術館」なるものもあるようです。

続いて現れたのが「たまゆら」

僕は知らなかったのですが、この「たまゆら」とは写真好きの女子高生たちの日々を描いたアニメのこと。

彼女たちの住む町としてこの竹原が舞台となっているので、聖地巡礼者が絶えないのだそう。
竹原市自体もアニメとタイアップして観光客を呼び込もうとしているようで、町じゅうに「たまゆら」関連のものを見かけます。

亡き父が遺したカメラで写真を撮ることが大好きなヒロインの女子高生「楓」が、友人たちとの何気ない日常、ちょっとした幸せを感じるワンシーンをカメラに収めていくなかに、この竹原の古い町並みや瀬戸内海の美しい風景などが忠実に再現されていて、世界のアニメファンからの投票で選定される「訪れてみたい日本のアニメ聖地88カ所」にも選ばれている有名な聖地なんだそうですよ。

なかなかウルウル来そうなアニメじゃないか、たまゆら!

竹原港からのフェリーにも「たまゆら」

そして最後は「マッサン」

当時ちょうどNHKの連続テレビ小説で放映されていた「マッサン」の主人公、竹鶴正孝さんがこの竹原の出身ということで盛り上がっていましたが、僕はこのドラマを見ていなかったので「マッサン」つったら北海道の余市にあるニッカウヰスキーだろうよ、くらいにしか思っておらず、竹原がマッサン=竹鶴政孝の生誕地だったことはここに来るまでまったく知りませんでした。

そんなこんなでこの日の竹原、冬休みということもあって、結構観光客が多かったのです。

まずは昼の竹原散策

本町通りを中心とした竹原の町並み保存地区は、駅から北東に約1キロ、歩いて10分ほどで到着します。

保存地区に入ると、いきなり雰囲気あるんですよ。

町家の前の鉢植えも、こんな感じだし。

布団が干してあるだけで、なんでこんなにエモいんや、竹原

しかし、いかんせん今日は人が多いのです。
やっぱりこういう通りは、誰もいない時に来てみたかったのですが。。。

さて、本町通りを歩くとすぐ右手にあるのが例の「竹鶴酒造」
今ももちろん現役の酒造として営業しています。

酒造内に「小笹屋酒の資料館」という見学施設があるのですが、今は多忙期につき見学できなくなっているようでした。

竹鶴酒造の斜め向かいにあるのが松坂家住宅跡

竹原は、江戸時代後期に製塩や酒造業で栄えた家々の屋敷や由緒あるお寺、町並みがこのように今もそのまま保存されています。

竹鶴酒造越しの高台に見えるのが西方寺普明閣

竹原の町並みのどこからでも望むことができ、本町地区の景観の中心となる重要な建築です。

メインの本町通りから、ちょっと路地に入ると観光客の姿も見えなくなるので、グッと雰囲気が出てきます。

竹原の街並みの中心部を過ぎてちょっと行くと、竹原市歴史民俗資料館があります。
酒造の資料館は閉館中のため、ここで竹鶴政孝展を開催しているようでした。

洋館もカッコいいですね

本町通りの突き当りで折り返して、1本西側の通りを駅の方に戻ると、このあたりは立派な蔵が多い通りでした。

途中寄り道しなければ、ゆっくり歩いても30分くらいで一回りできてしまうくらいの小さな町並みですが、メインの本町通り、蔵の見事な脇道、それらをつなぐ無数の細い路地、どこを見ても絵になるのです。
早朝か夕方、誰もいない時間、クルマや人の姿がなければ、きっと江戸後期にタイムスリップしたかのような場所になるでしょう。

そんなことを考えていたら、夕方、ここにもう一回来てみたくなってしまいました。

静寂・幻惑・時空旅行。夜の竹原はさらにエモい

そんなわけで、どうしても人のいない竹原の町並みを見てみたくて、日中、大久野島を訪れた後、再び竹原に戻ってきました。

時刻は17時半。
つい先日、冬至を迎え、これからはだんだんと日の入りが遅くなってくるとはいえ、まだ12月の末。

年の瀬迫った通りからはすでに人影も消え、音もなくゆっくり下りてくる夜の帳が、古い町並みを包み込みます。

ここから先はあまりグタグタと説明するよりも、まるで江戸後期にタイムスリップしたかと勘違いしてしまうようなこの町並みを写真で見てもらった方がいいと思うのです。

昼間見た、鉢植えのライトアップ。

同じものでも昼と夜では雰囲気がガラッと変わります。

そして、これが、個人的にはベストショット。

本町通りから外れ、裏道へ。

蔵のある通り。

こうして側溝を竹で覆っているのも竹原らしい風景です。

脇道の路地へ。

自転車も、アートのよう。

こうして、竹原の夜は、静かに、静かに更けてゆき、夢と現実との境のあたりで、僕をいつまでも惑わせるのでした。

<2014年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

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