那智観光といえば熊野那智大社や那智の滝が有名ですが、ここに行く前に熊野古道を歩くのがおすすめです。
JR那智駅から那智大社行きのバスに乗って、途中の大門坂まで行き、そこから熊野古道を歩いて那智大社に向かうのがまさに那智観光のハイライト。
熊野古道を歩く距離はほんのわずかで約2.5キロですが、途中石段の上りが続き、苔むした石段や杉木立といった熊野古道の雰囲気も味わうことができるのです。
スタートはJR那智駅から
JR紀勢本線の那智駅。
名前の通り、ここが那智山方面のバスへの乗り換え駅となります。
今はもう無人駅になっていますが、駅舎は立派な社殿風のまま残されています。
那智駅のホームからは目の前に海が見渡せて、ちょうど日の出の直後でした。
那智駅を通ったことは何度もあり、この駅にも以前降り立ったこともあるのですが、どうも那智というと滝とか山と思いがちで、こんなふうにきれいな日の出が見られるなんて思ってもいなかったので、想定外のちょっとしたサプライズでした。
那智駅からバスに乗って、下車したのは大門坂。ここでバスを降りて、この左側の旧道をすすみます。
世界遺産熊野古道をちょこっとだけ歩く
世界遺産の熊野古道に入り、鳥居をくぐって小さな集落を抜けます。
やがて樹齢800年と言われる夫婦杉があり、この間をくぐると、この先は熊野古道に沿ってしばらくの間、杉並木が続きます。
しばらくすると右手に多富気王子の社がありました。
「九十九王子最後の王子跡です」という説明板がありますが、なんだかよくわかりません。
僕もかつてよく「王子」と呼ばれていたんですが、ここで言う王子とは「Prince」という意味ではなくて、熊野詣が一大ブームとなった12世紀から13世紀にかけて、熊野権現の御子神として作られた神社のことで、皇族・貴人などが熊野詣の途上で儀礼を行う場所だったのだそうです。
だまれエセ王子
熊野古道の紀伊路、中辺路に沿って、ゴールの熊野那智大社まで続く九十九の王子の、最後の王子がココなんですね。今は道端に、大きな石の社がただ置かれているだけでしたが。
ここから先は杉木立の中を急な石段が続きます。
踊り場もなく、容赦なく階段がずっと続くので結構疲れますが、雰囲気は最高です。
歩く人もあまりいませんでした。
石段を登り切ると、ここで熊野古道大門坂は終わり、お土産屋が並ぶ、那智大社の門前町となります。
熊野那智大社・青岸渡寺の三重塔へ
大門坂の長い階段を上り終わったと思ったら、門前町から那智大社までさらに473段という長い階段がありました。
階段をズンズンあがり、お土産屋さんを抜けると那智大社の社がようやく見えてきました。
普通はそのままこの鳥居をくぐって最初に那智大社に行くのでしょうが、僕は先に青岸渡寺の三重塔に行くことにしました。
那智の景観といえば、青岸渡寺の三重塔と那智の滝。
三重塔の脇からぐるっと半円を書くように登ると、高台から滝と塔を見下ろすような位置に出ます。
登り切ったところにあるのが、那智山 青岸渡寺(せいがんとじ)。
僕は那智にあるのは那智熊野大社と那智の滝だけだと思っていたんですが、この青岸渡寺も仁徳天皇時代に開山されたと言われ「西国第一番の礼所」でもある、由緒ある寺院だ、ということを初めて知りました。
その青岸渡寺とほぼ同じ敷地内のような感じで隣接して熊野那智大社があります。
神と仏がこんなに近すぎていいんだろーか、と思っちゃうくらいなんですが、もともと那智大社と青岸渡寺は神仏習合の修験道場だったそうなので、いいみたいです。
この時、那智大社は新年を迎える準備の最中で、慌ただしい中にもなんとなくウキウキした感じがありました。
そして那智の滝へ
青岸渡寺から那智大社と反時計回りにぐるっと一周したので、三重塔の横あたりから森の中の参道を下って那智の滝に向かいます。
下り切ったところで県道に交差すると、そこが那智の滝前のバス停です。
以前はここ、単なる「滝前」という名前だったような気がするんですが変わっちゃったのかな?
というのも、昔、この「滝前」というバス停で、雨の中、傘を差して、僕がひとりで立っているモノクロームの写真を年賀状に使ったことがあるのです。
その年賀状が大人気で、当時発売されていたキムタクの写真集並みに増刷が必要だったんですよねー
ロクでもない王子感にじみ出てる・・・
さて、那智の滝の前には飛瀧神社(ひろうじんじゃ)があり、那智の滝はこの飛瀧神社のご神体そのものなのだそうです。
確かに、見るからに厳かで、御神体っぽいですね。
熊野の山塊の奥から落差にして133mも一挙に流れ落ちてくる姿は圧巻です。
一般の見学は飛瀧神社の鳥居のところまでなので、下から見上げる形になってしまいますが、別途300円を払うとその先の那智御滝拝所まで行くことができます。
ここのところ雨が降っていないため水量も少なく、浴びると延命長寿の霊験があるという滝の飛沫はここでも届かないようでした。
以前来た時はもっと迫力があったような気もするので、ちょっと物足りない感じはしましたが、新緑の季節や梅雨の水量の多い時期だと、また全然違った姿を見せるのかもしれませんね。
<2015年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
熊野古道への旅
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