僕の尊敬する日本一テキトーなトラベルエッセイストで、「晴れた日は巨大仏を見に」という名著を出している宮田珠己さんが、もっとも印象に残ったと言っていた仙台大観音。
その高さは100m。仙台郊外のニュータウンの街並みのなかに、まるでラスボスのようにそびえたっている、と聞いて今度近くを通ったら行ってみたいと思っていたのでした。
そんなわけで東北に行った帰り、仙台駅で下車して、大観音のある仙台市泉区方面へのバスに乗ったのでした。
まずは遠くから観音様のビュースポットを探せ!
仙台大観音があるのは仙台北部の高台に住宅地が広がるニュータウン、泉区中山。
仙台駅から路線バスに乗れば、30分ほどで仙台大観音前のバス停に到着することができますが、今回はあえて目の前まで行かずに、少し手前のバス停で降りてみます。
実はこの仙台大観音、いきなり目の前まで行くのではなく、遠くから、そのラスボス感を十分に味わいながら向かうのが拝観の醍醐味だとされています。
といってもどこで降りていいかわからないので、地図をにらみ、大観音への距離とか角度とか芝目とか風向きとかを読みながら、テキトーなバス停で降りてみます(たぶん中山7丁目とかいうバス停だったかな)。
バス停の大通りからはまだはっきりと観音様がみえなかったので、高い建物のない住宅街の方に少し入ってみると・・・
おおおおお、いたぞ、ラスボス!
しかしここだとアップにすると電線が邪魔で、イマイチ異界感がありません。
そんなわけで住宅地のわき道からわき道へ、うろうろとしているといい感じのスポットを見つけましたよ!
ここなら観音様の上半身がスッポンポンに拝観できます。
観音様が見える目一杯遠くまで離れて望遠でのぞくと、これ。
おおおおお、ラスボスというより地縛霊に見えるぞ!
しかし宮田さんは「晴れた日は巨大仏を見に」というタイトルにしてるくらいだから、本当は晴れた日だともっとラスボスなんでしょうね。
ちょっと怖くなってきたので、とりあえず近くまで行ってみます。
その高さ100メートル!圧巻の迫力
仙台大観音は大観密寺というお寺に建つ観音様で、正式名称は仙台天道白衣大観音(せんだいてんどうびゃくえだいかんのん)。
高さは100メートル、日本国内の仏像では牛久大仏に次ぐ2番目の大きさで、約7km離れた仙台駅の方角に正面を向けています。
かつてはその前にプラザハウスというショッピングタウンもあったようですが、現在は取り壊されて荒れ地になっていて、隣接するホテルやゴルフ場も同じ経営だったようですが、現在は別の会社に売却されているようです。
この右手に持っているのは私たち の願いを叶えてくれる如意宝珠。
観音さま、なかなか妖艶!
僕は嫌いじゃないタイプです。
左手に持つ水瓶は私たちに知恵を授けてくれる萬徳の知恵の水。
心静かに合掌し、登龍門を意味する龍の口の形の入口から観音様の胎内へ突入します。
入口には理科の実験室みたいな胎内断面図がありました。
参拝料がわりに500円で守護札を授けてもらい中に入り、1階で三十三観音と十二神将をめぐったあとエレベーターで最上階へ上ります。
仙台大観音は胎内もすごい!
最上階には観音様の心臓部である御心殿がありました。
ここで心静かに合掌し、白衣観音のご真言を3度通念します。
オン シベイテイ シベイテイ ハンダラ バシニソワカ
オン シベイテイ シベイテイ ハンダラ バシニソワカ
オン シベイテイ シベイテイ ハンダラ バシニソワカ
最上部からは仙台市内も眺望できました。
が、この観音さまがすごいのは、その胎内。
加賀屋かよっ!
ね?似てません?
この観音さまの3層~11層には108体の仏像が安置されていて、最上階から階段を下りながら参拝することができます。
螺旋階段に囲まれた各層には、こんな感じで百八の胎内仏が安置され、人間に108あると言われている煩悩をひとつひとつ打ち払いながらめぐるのがよい、とされていましたが、僕に煩悩はありませんので、今回は割愛することにしました。
1階に降りると、観音様が建立された平成3年に埋められ、20年後の平成23年に開けられたタイムカプセルの品々が公開されていました。
うぉー岩崎恭子ちゃん!
そして西田ひかる!
でもどうせなら「海で見つけた天使」とか「やんちゃLady」とか、もうちょっと平成はじめのグラビアアイドル史を象徴するような写真集とかなかったものか!
ということで、煩悩のかけらもない僕の仙台大観音参拝は終了したのでした。
仙台大観音は、遠くからそのラスボス感を満喫するのがハイライトだったけど、胎内もすごかったな。
晴れてたらもっとよかったと思うけどね。
<2019年8月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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