しまなみ海道といえば、サイクリングのメッカ。
広島県の尾道から愛媛県の今治まで70キロにも及ぶサイクリングロードが整備され、いつかここをサイクリングしてみたいと思っていたのでした。
そんなわけでとある夏休みに中国・四国の家族旅行をした際、しまなみ海道の一部をサイクリングすることにして、アートの島と呼ばれる生口島に降り立ったたところ、「耕三寺」という思わぬB級スポットを発見したのです。
しまなみ海道、初サイクリングのこと
僕が初めてしまなみ海道をサイクリングしたのは、仕事で松山に行ったとき。
会社の会議を道後温泉でやる、ということだったのですが、なぜか広島空港に降り立ち、貸切バスで尾道からしまなみ海道を通って四国に渡る、という演出ぶり。
演出しすぎやろ、会社!
ま、僕的には全然ありなんですけど、この演出はどうかと思ったよ。
なんやねんこの「選挙運動、自転車でやってます!」系のおっさんたち。
これ、みんなうちの会社のそれなりの役職の方々です。
なにもこんなあまりナイスではないミドルたちに自転車でしまなみ海道渡らせなくてもよかろう、と思いましたが、当時僕はこの中では若い方だったし、圧倒的にナイスなミドルである自信があったので、パイセンたちが途中で野垂れ死にしないように、みんなを鼓舞していざ、しまなみ海道へ。
いやー、つらかった。
何がつらいって、体力は全然大丈夫なんだけど、この瀬戸内の絶景とおっさんたちのビジュアルの釣り合わなさが激しくつらかった。
でも、しまなみ海道のサイクリング自体は爽快だったので、今度必ずリベンジしてやろう、と思っていたのです。
しまなみサイクリングリベンジは生口島から
そんなわけでとある夏休み、山陰・山陽・瀬戸内9日間という、ヨーロッパ並み(!)の日程で家族旅行をした時、しまなみサイクリングリベンジを図ることにしました。
僕一人だけなら、しまなみ海道サイクリングロード70kmにチャレンジしてもよかったのですが、なんといっても酷暑の真夏だし、家族も一緒なので、無理のない距離にせざるを得ませんでした。
悩んだ挙句、アートの島、と呼ばれる生口島の美しい海岸線を走って、多々羅大橋を抜ける12~3kmのコースがアップダウンも少なくよかろう、ということになりました。
広島の三原港からフェリーで30分、まずは生口島の瀬戸田港に渡ります。
瀬戸田は生口島の中心となる港で、今は尾道市に編入されていますが、昔の瀬戸田町の中心だったところです。
町の中心部にしおまち商店街、という渋い通りがあり、サイクルツーリストたちの休憩場所になっているようです。
ちょうどお昼の時間だったので、瀬戸田名物のレモンラーメンを食べました。
瀬戸田は国産レモン発祥の地で、レモンアイランドとも呼ばれているそうです。レモンエキスを塩ラーメンに浮かべたのがレモンラーメンで、黄色い麺(これもレモンエキス入り?)で、スープ味はさっぱりしていておいしかった。。。という記憶があります(笑)
レンタサイクルを借りる前に、瀬戸田の町をブラブラしていたら、なんかすごい感じのお寺を発見したのでした。
そう、それが耕三寺だったのです。
西の日光東照宮?耕三寺
なかなかスゴイでしょう?
知らずに行ってちょっとビビりましたが、どこかで似たようなものを見たことありませんか?
そう、これは日光東照宮を模して建てられたようです。
なんでも昔、一代で身を立てた「耕三」さんという方が、生口島に住んでいて亡くなった母親を弔うために僧籍に入り、建立したお寺だそうですが、とにかく日本各地の有名建築を模した建物が満載。
模倣もここまで来ると見事というかあっぱれというか、まあ僕にとってはかなりいい感じのB級スポットだったのです。(実際は国の登録有形文化財として登録されているもの数多く、近年は高い評価を受けているようです)
この「千仏洞地獄峡」とよばれる約350mに及ぶ地下霊場には約1,000体の仏像が置かれているそうです。いわゆる地獄めぐりですね。
仏教世界の地獄観・極楽観を描くこれも、お約束通りですな。
地獄絵図とか仏像群とかすごかったんだけど、あまりに惨すぎて写真では掲載できません(嘘)。暗くてうまく撮れなかったのか、あんまり写真残ってませんでした。
地獄を抜けると救世観音大像。
法隆寺夢殿の御本尊・秘仏救世観音を手本にした高さ15メートルの観音様。
カラフルで天にも昇りそうな衣装が素敵ですね。
日本の地中海?未来心の丘
さらに奥のほう進むと、なぜかかなり地中海っぽいエリアが。
これは未来心の丘(みらいしんのおか)という全て大理石で作られた巨大な庭園。
広さ5000平方メートル、高低差は25メートルでイタリアから運んだ3000トンの大理石を使っているそうです。
めっちゃワイルド。
丘全体には「毘沙門天」や「光明の塔」など、大小10あまりのモニュメントがありますが、ここは普通にカッコよかったです。
頂上からの眺めるとちょっと地中海っぽい。
そんなこんなで、この耕三寺、見どころが多くてびっくりしました。
誠にA級なB級スポットと言えましょう。
しまなみサイクリングで多々羅大橋へ
瀬戸田観光案内所のターミナルでレンタサイクルを借りて、生口島の海岸を走ります。
生口島は『島ごと美術館』と称して、島内のいたるところに野外彫刻が展示されていたのですが、耕三寺で想像以上に時間を過ごしてしまい、あまりゆっくり見られなかったのが残念でした。
海岸沿いのサイクリングロードを走るとだんだん多々羅大橋が近づいてきました。
これは多々羅大橋を下から見上げたもの。
ここで手を叩くと、日光東照宮の鳴き龍のように音が何回にも渡って反響する「多々羅鳴き龍」といわれるところです。
その理由は忘れましたが、どうやら塔の形状からくる現象のようです。
渡り終わったところからの写真。向こう側が生口島です。
多々羅大橋を渡り終わると、すぐに多々羅しまなみ公園のサイクルターミナルがあり、何とか営業時間内に返却できました。
この時は真夏だったので無理せず短い距離だったけど、季節が良ければもっと長い距離を乗ってもいいかもしれません。
<2013年8月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
耕三寺の基本情報
生口島/耕三寺への旅
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