立山黒部アルペンルートほど、天気によってその印象や価値が変わってしまう観光地はないと思うのです。
晴れれば天国、降れば地獄。雄大な山岳景観を楽しみに行く場所なのですから、ガスで曇って肝心の景色が見えなければ何をしに行ったんだかわかりません。ショッピングする場所があるわけでもなく、有名なグルメがあるわけでもないのですから。
これはそんな天国と地獄をいっぺんに体験したときのお話です。
一番あかん立山黒部アルペンルート
富山市内から立山黒部アルペンルートに向かった1日目、富山地方鉄道で立山駅へ。
このあたりまでは空には薄い雲がかかっていますが、ところどころ日が差している部分もありました。
立山駅からケーブルカーに乗って、標高475mの立山駅から977mの美女平へ。
この美女平まではまだよかったのです。
美女平で立山高原バスに乗り換え、立山黒部アルペンルートの最高地点、標高2450mの室堂まで行くことができるのですが、やがてあたり一面の霧に包まれます。
それでも頑張って弥陀ヶ原で途中下車して高山植物が咲き誇る人気の散策コースを歩きます。咲いてないし何も見えないけど。
ま、高原の湿地帯ですからね。
いつもこんなもんでしょ。
なーんてことはないか。
再びバスに乗って終点、室堂に着いても相変わらずこんな感じ。
この日は立山黒部アルペンルートを象徴するような存在のホテル、室堂の「ホテル立山」に宿泊したのです。
晴れていれば夜の星空観察とか翌朝の大観峰へのご来光バスツアーを楽しむ予定だったのですが、残念ながらこの日は星も翌日のご来光もなし。。。
ここまで来て何も見えないとか、この日は一番あかんパターンの立山黒部アルペンルートでした。
目覚めると窓の外は霧が晴れて
翌朝、目覚めてみると心なしかカーテンの向こうが明るいのです。
ベッドから飛び起きて部屋のカーテンをババァーンと開けてみると、この様子!
おぉぉぉぉぉぉ、晴れてる。
雲もあと少しで流れて消え去りそう。
なによりも雲の向こうになんかすごい絶景が待ってそう!
そんなわけで外に飛び出してチェックアウト前に朝の室堂を散策することにしました。
室堂平にはたくさんの散策コースや登山道があるのですが、1時間程度でみくりが池をぐるっと回るコースを歩いてみます。
これはホテル目の前にある立山の石標。
この後ろにそびえるのが立山の主峰、雄山(おやま)。
雄山は標高3,003mで山頂には雄山神社峰本社があり、立山信仰の聖地。
山頂近くに社務所らしきものと、峰本社らしきものが見えますね。
雄山に向かう登山道。
室堂から2時間程度で山頂まで行けるそうなので、家族で3000mの立山制覇!とかしたかったのですが、高所が苦手な僕にとってはやはりそれなりに厳しい場所もあるらしいので今回はパス。
本当はこういう道、行ってみたいんですけどね。
「室堂」という地名の由来となっている、立山室堂。
室堂とは江戸時代中期に建てられた日本最古の山小屋のことで、国の重要文化財に指定されています。
中には展示品が室堂に関する資料が展示されていて、自由に見学することができます。
まるで写真集のような絶景の室堂と「みくりが池」
室堂の高山植物のピークは初夏のシーズンなのでしょうが、沿道には多少まだそれらしいのが残っています(花とか草とかだんごとか、僕はまったくわかりません)
小さな池が見えてきたなーと思ったら、これは「みどりが池」。
「みくりが池」はもう少し先になります。
やがて眼下にもくもくと煙を上げた区域が見えてきました。
ちょっと見えにくいのですが、手前の湿地に血のように赤い水たまりが点在しています。
これが血の池。この赤い色は、水分中に含まれる酸化鉄に起因しているものです。
この辺りは地獄谷と呼ばれ有毒ガスが発生する区域。
ここから先は通行禁止で、展望台から眺めるのみです。
立山と言えば雷鳥なんですが、残念ながらこの日は姿を見ることはできず。
7月頃のほうが出現率は高いのでしょうか?
そしてエンマ台から少し下ったところにあるのが、みくりが池温泉。
ここは日本一高いところにある温泉旅館で、もちろん宿泊もできます。
と、その向こう、雲の上に見えるのは、あの剣岳ではないですか!!!
なーんて、僕がこの山のかたちを見て自分でわかったわけじゃないんですが、近くにいた人が、
おぉぉぉぉぉぉぉぉ、剱だ!
と感動して叫んでいたのに便乗して写真撮影しただけなんです。。。
僕みたいな凡人には劔のスゴさはわからないのですが、山男はまったく別の畏敬の念をもってこの山をみているのでしょう。
そして室堂平の代表的な絵である「みくりが池」の展望スポットへ。
もう少し湖面が静謐であれば、山容がそのまま水に映るんですけどね。
まあ、これだけのいいお天気になったのですから、文句はいえないですよね。
みくりが池方面から見た、ホテル立山。
やはり素晴らしいロケーションに建っていたんですね。
昨日は全然気づかなかったけど。
ということで自称晴れ男、なんとか面目躍如です。
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