かつては東京と金沢を最短距離で結ぶ経路の一部として、越後湯沢から上越新幹線に接続する金沢行き特急「はくたか」がバンバン通る幹線鉄道だった新潟県の「北越急行ほくほく線」。
しかし北陸新幹線開通後は特急はすべてなくなり、今や過疎地の超ローカル線に転落か、と思いきや・・・
めっちゃ攻撃的なんです、ここの鉄道会社さん。
今回はそんなほくほく線の中でも最も攻めてる駅舎がある「くびき駅」に行ってみました。
幹線から超攻撃的ローカル線へ
「北越急行ほくほく線」はJR上越線の六日町駅から日本海側の信越本線犀潟駅までを結ぶ私鉄路線。北陸新幹線開業前は東京と金沢を最短距離で結ぶ経路の一部として、越後湯沢から上越新幹線に接続する金沢行き特急「はくたか」がバンバン運転されていた幹線鉄道だったのですが、今や過疎地の超ローカル線に転落・・・
・・・と聞くと、普通は転落の一途なのですが、この鉄道、結構頑張ってるみたいなんです。
たとえば特急はなくなったけど、特急より早い「超快速」を運転して、東京~直江津間の所要時間を北陸新幹線とほぼ同じにしたり、トンネルの多い路線の特徴を利用して「ゆめぞら」という日本初のシアター・トレイン(トンネルに入ると電車の天井が巨大スクリーンになってCG映像が楽しめる)を運転したり、とにかくめちゃめちゃ攻めてるんです!
かつて甲子園を沸かせた池田高校の蔦監督のごとく、野球ではないけど若き頃は「攻めダルマ」として新宿界隈の女子から恐れられた僕としては好きなんですよ、こーゆー超攻撃的なやつ。
ほら、越後湯沢駅の温泉マドンナも攻めダルマの攻撃に思わず。。。
そんなほくほく線に面白い駅がある、と聞いていたので行ってみることにしました。
その前に通った「まつだい駅」の目の前に懐かしい建物が。
この雪に埋もれた昆虫みたいな建物は「まつだい農舞台」。
3年に1度行われる「越後妻有 大地の芸術祭」ではこの地区の中心的な施設になっていて、僕も何度か来たことがあるのです。
そのすぐ横にある草間彌生さんのアート作品「花咲ける妻有」もこれから始まる長い冬に向けて雪囲いの真っ最中でした。
Amazon.co.jp : 草間彌生関連グッズ
突然現れた、大宇宙的なサムシング
魚沼丘陵の長いトンネルをいくつか越えてやがて到着したのは「くびき」駅。
この一見、なーんにもなさそうな駅になぜわざわざ降り立ったかって?
無機質な階段を降り、通路を通ってすすんだ先に、くびきの女(なんか妖艶な響き・・・)が待っているのでしょうか?
いえ、そこで僕を待っていたのは、そんな色事だの煩悩だのを超越した、大宇宙的な壮大なサムシングだったのです!
やっぱ超攻撃的だわ、ほくほく線。。。
ほくほく線「くびき駅」
まるで不時着した未確認飛行物体??
いえいえ駅なんです、これ。
正確には駅舎の裏側。
ほくほく線くびき駅のオモテ側はこんなんなってます。
どうしてまたこんな新潟の田んぼの真ん中に、こんなCosmicな駅があるのか、ほくほく線!
「はくたか」通らなくなってとうとう気が触れたか!
それともかつてここに未知との遭遇みたいなUFOが飛来し、中から超ミニミニのエイリアンコスチュームを着た宇宙女子とかが降り立ったとかそーゆー由来でもあるのか!
と思って駅舎内にあった説明を読むと、これは毛綱毅曠(もづな きこう)さんという有名な前衛建築家の作品で「けっして大きくない駅にボリューム感を持たせ、従来の駅にはないエネルギーを発し、その存在をアピールするためにデザインされたもの」で、開業以来この形なんだそうです。
「駅とは本来日常とは異なる出発の場でした。その気持ちの変化を演出するための工夫をちりばめて『駅本来の役割』を訪れる人々に感じてもらえるようにと考えています」
駅舎内説明版より
なるほど。充分非日常ですやん!
この「くびき駅」という文字も、ほくほく線開業10周年の記念に、片岡鶴太郎さんによってデザインされたもの。
日が暮れてくると、一層非日常エネルギーを発してきました。
この赤いクレクレタコラみたいな生物の前にひとりで座って列車を待ってると、未知との遭遇が現実になって、超ミニミニ宇宙女子会とかに召喚されちゃうかもしれないけど、それはそれで甘んじて受け入れよう、という気持ちになってきます。
残念ながら誰も僕を召喚しに来ないので、次の列車でまた旅立つことにしますが、ホームから見るとこのシュールさ。
やっぱ攻めダルマだわ、ほくほく線。
(なんか空の色は今にも召喚が来そうな感じなんだけど・・・)
<2017年11月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
ほくほく線「くびき駅」の基本情報
ほくほく線「くびき駅」への旅
コメント