2016年の瀬戸内国際芸術祭、西の島めぐりの最後は本島。
ここは豊臣秀吉の朝鮮出征で活躍し、その功により朱印状を授かった海賊「塩飽水軍」の本拠地だった島で、島内にはその当時の町並みがそのまま残っていたり、歴史・文化財も残されている見どころの多いところ。
何よりも瀬戸大橋を望む海の景色がきれいなのでレンタサイクルを借りて回ってみましたよ。
朝からアツい高松
讃岐の朝は、早いのです。
朝の5時、6時から開いているうどん店に続々と人が来るのです。
我が家も、高松に泊まった朝はほぼ必ず早朝うどんを食べに行くので、今回は宿泊ホテルから歩いて10分ちょっとのところにある「うどんバカ一代」へ行ってみました。
高松市内のうどん店としては名の知れた名店であるとはいえ、朝6時の開店と同時に、すでにこの状態。
3連休だったので、観光客が多かったのでしょうが、もちろんいつものように朝食として食べに来ているふうの高松市民もいます。
うまくて安いさぬきうどん店の定番ともいえる、セルフサービス&トッピング。
このお店の名物メニューは釜バターうどん。
ということで、娘はそれに玉子をプラスしてましたが、さっぱりさわやか草食系の僕は朝からこってりはいかがなものか、ということで温かけにちくわ天のトッピングにしました。
そんなこんなで、高松は朝からアツいのです。
さて、この日は高松からJRで丸亀まで行き、そこから本島へと向かいます。
丸亀の駅前にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA/ミモカ)。
ここは全国でも類を見ない“駅前美術館”として1991年に開館し、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎さんの作品を中心とした現代美術を展示しています。
今回はまだ朝早くて開館していないので見られないのですが、この外観見るだけでも楽しそうですね。次回のセトゲーの際は行かないとですね。
レンタサイクル争奪戦へ
丸亀駅から10分ほど歩くと丸亀港。
本島は、ここからフェリーで35分ほど。
フェリーを見送ってくれるのは、讃岐富士と呼ばれる飯野山でしょうか。
この日のフェリーも一般座席は満員だったのですが、素晴らしい天気だったので、またも屋上デッキへ。
本島へと向かうフェリーからは、瀬戸大橋がよく見えるので、船内よりもこっちの方が100倍楽しいと思います。
本島は、瀬戸大橋のほぼ真ん中にある与島のすぐ西にあるため、瀬戸大橋の眺めが素晴らしい島としても知られています。
これはのちほどの上陸後も、何度も楽しめる眺めです。
本島は「塩飽本島(しわくほんじま)」とも言われ、塩飽諸島の中心。
この島の周辺は潮の流れが速く、腕利きの船乗りが多かったことから、戦国時代には塩飽水軍と呼ばれる海賊が活躍。信長や秀吉、家康らに重用され、自治を許されていたのだそうです。
現在では人口400人にも満たない島となってしまいましたが、塩飽水軍の本拠「笠島」には美しい古い町並みが残る、歴史ある島です。
さて、この本島は周囲16キロで見どころが比較的分散しているため、歩いて回るには無理があり、島内のバスも本数が多くはないため、我が家恒例のレンタサイクル島一周にぴったりな場所なのです(当然島内にレンタカー、ありません)。
そんなわけで朝一番の船で行き、レンタサイクルを借りるつもりだったのですが、同じような考えの庶民がほとんどらしく、下船後はみんながレンタサイクル受付に殺到する始末。100台あった自転車はあっという間になくなってしまいました。
おいおい大人げないぜ、走るな民衆、とか言いながら余裕くれて歩いていたのがいけなかったのでしょうか、一番最初のほうに下船したはずなのに、僕たちの前には結構な人の列ができてしまっていて、ゲットできたのは電動自転車最後の1台とママチャリ2台。
島はアップダウンがあるので電動自転車で余裕のサイクリングしようと思ったんですけどね。
まあ最後の1台だけでもゲットできてよかった、というべきなんでしょうかね。
港から西回りに進むとすぐにあるのが「そらあみ〈島巡り〉」
天空へ向かいそそり立つ漁網は島民たちと編み込んだものだそうです。
しかし今日も素晴らしい青空ですね。
少し内陸に入ったところにある、カラフルな建物が、咸臨の家(かんりんのいえ)。
これは幕末、勝海舟やジョン万次郎がサンフランシスコに渡った船、咸臨丸の水夫だった横井松太郎の生家で、この塩飽諸島からは35人もの水夫が乗り込んだのだそうです。
屋内はステンドグラスからの光を取り入れ、色彩豊かな空間になっています。
雲一つない青空の下、左手に海を眺めながら快適に10分ほど走ると、いよいよ来ましたよ、離島恒例のアップダウンが。
もちろんおとーさんに電動自転車があてがわれることはありません。。。
機関車先生と瀬戸大橋ビュースポット
最初の坂を上って、途中で小休止。
眼下には瀬戸内の青、遠くに瀬戸大橋。
あれだけみんなレンタサイクルに殺到していたのに、このあたりまで来ると誰もいません。
みんな島一周なんてしないのでしょう。こんなに素晴らしい島一周日和なのに、ホントにもったいないことです。
本島港がある島の南東側からちょっとした峠を越えて西海岸に出ると、まるでそこは奄美とか五島あたりの誰も知らない秘密のビーチのよう。
島をぐるっと一周する海岸道路沿いにみどころが点在しているのが本島の特徴なので、レンタサイクル、大活躍なのです。
西海岸にある夫婦蔵。
江戸時代の薪廻船業長尾家の倉だったそうです。
ここは映画「機関車先生」のロケ地となった水見色小学校。
この映画は伊集院静さんの小説を映画化したもので、この水見色小学校という名前はこの作品に出てくる架空の小学校の名前。
この校舎は戦前に建てられたものなんだそうです。
教室の黒板の上には主演の坂口憲二さんの写真が貼ってありました。
映画は見てないですね。小説はなんだか読んだことがあるような気もするけど・・・微妙でしたね。
そのまま島の北東側に回りこむと、正面に瀬戸大橋が現れます。
これは笠島北のバス停付近からの眺め。
このあたりから瀬戸大橋までは直線距離で2キロくらいしか離れていないので、通過する列車もはっきり見えました。
ここにあったアートはアレクサンドル・ポノマリョフ(ロシア)作、水の下の空。
作品名の通り、この日は透き通るような水色の空でした。
笠島地区伝統的建造物群保存地区
やがて本島第2の集落、笠島地区へと入ります。
ここは「塩飽大工」と呼ばれた名工たちによって江戸時代から昭和初期にかけて建てられた漆喰塗りの白壁やなまこ壁などの古い町並みが残っている国の伝統的建造物群保存地区。
カッコいいですよね。
ここは前からずっと来てみたかったのです。
そしてこれが消防士自衛隊員大好きガール必見の「マッチョ通り」
この先にどんなハーレムが待っているのかはご希望の方のみ各自お調べください。
ちなみにマッチョ通りとは『町通り』が転じたもので、いわゆるマッチョの人とは関係ないみたいですので悪しからず・・・
笠島の町並みの中にあるセトゲー作品「Moony Tunes」
そしてこれが本島の最後、すなわち今回のセトゲーの最後のアート「12島の物語」
これはセトゲーの会場となっている12の島の物語がパラパラマンガになっているのです。
全部見ちゃいました。
そしてまた、全部行きたくなりました。
2016年瀬戸内国際芸術祭。
西の島の4島+大島の計5島、すべてのアートを回りました。
でもまた3年後、必ずセトゲーには戻ってきたいと思いました。
<2016年10月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
塩飽本島への旅
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