初秋の北海道の絶景として最近知られつつある能取湖の「サンゴ草群生地」。
僕は大学時代、当時まだここを走っていた列車の車窓から偶然この光景を目にしてめちゃめちゃ感動したことを覚えていたのですが、それ以来ここに来る機会がありませんでした。
そんなわけで周辺の「サンゴ草群生地」と呼ばれるサロマ湖とかワッカ原生花園と呼ばれる場所をまとめて訪問した時のお話ですが、僕の記憶もずいぶん間違っていたことがわかりました。
30年ぶりの能取湖のサンゴ草群生地
僕が初めて能取湖のサンゴ草を見たのは30年以上も前のこと。
大学時代、ちょうどこの時期に北海道をブラブラまわっていて、当時まだ走っていた国鉄湧網線(中湧別~網走)に乗っていたら、突然車窓が真っ赤になってびっくりした記憶があります。
その時はまだサンゴ草なんて今みたいに有名じゃなかったので、見るまでぜんぜん知らなかったんです。
今回、サンゴ草を見るのはそれ以来ですが、どれくらい真っ赤かというと、これっ!
この能取湖の卯原内(うばらない)地区は日本一のサンゴ草群生地。
サンゴ草とは本来は「アッケシソウ」という植物ですが、毎年9月中旬頃に真っ赤に紅葉するさまがまるでサンゴのように見えるため「サンゴ草」と言われています。
僕が見たのはかなり前のことですが、その後の環境変化で一時期はかなり衰退し、消滅の危機に瀕したのですが、保護育成事業により数年前から再び「真紅のじゅうたん」と呼ばれる美しい姿に戻りつつあるのだそうです。
でもやっぱり30年前に初めて見たときはもっとすごかったかなー、と思います。
なんにも知らずに突然目にしたインパクトが大きすぎて、そう勘違いしてるだけかもしれませんが、その真偽はわかりません。
・・・と思って当時の写真を引っ張り出してみたら・・・
なんか俺、写ってた・・・
見た感じ、30年たってもそんなに変わってないですね。
いや、サンゴ草のことじゃなくって僕のことだけど。
でもちゃんと降りてたんですね。
あまりにも感動して突発的に降りたんでしょうか?
正直、ぜんぜん覚えてなかったけど。
ま、遊歩道とか整備されて観光地っぽくなっちゃったけど、サンゴ草と僕の美しさは当時と変わってないみたいでよかった!
旧卯原内駅経由ワッカ原生花園へ
サンゴ草の群生地は能取湖のほかにもある、ということだったので、まとめてそっちもいってみよう、とバイクをさらに北へ走らせます。
能取湖の卯原内からちょっと走ると、なにやら列車が停まっていますよ!
ここはかつて国鉄湧網線の卯原内駅があった場所。
あー、30数年前、僕はこの駅に降り立ってサンゴ草を見に行ったんだな、と長い間薄れていた記憶がよみがえります。
・・・ウソです。全然覚えてなかった!
そもそもサンゴ草は列車の中から偶然見て、おおおおお、とか言いながら通り過ぎただけだと思ってました、残された写真見るまでは。
でも能取湖畔のこんなに景色のきれいな場所に降り立ってたんですね、若き日の僕。
国鉄時代の最後に怒涛のように廃止された北海道の美しいローカル線、僕もいくつも乗ったのですが、こんな感じでもう記憶も断片的になってしまいました。
ブログでも書いていればきっとその記憶も克明に残っていたのでしょうが、もちろん当時はそんなものはなく、彼女と交換日記くらいしかやってなかったし、写真だって1枚何十円の紙焼きだったので、バチバチ撮りまくったりはしなかったからなぁ。
国道238号を能取湖に沿い半周し、オホーツク海に近づき、サロマ湖畔に出たところにあるのがワッカ原生花園。
サロマ湖はオホーツク海と長ーい砂州で分けられた汽水湖。
汽水湖というのは淡水中に海水が侵入している湖沼のことで、ま、簡単に言うとサロマ湖とオホーツク海は一部繋がってる、ということです。
その両者を分ける幅200〜700m、長さ20km、約700haにも及ぶ長い砂州に広がるのがこのワッカ原生花園で、国内最大規模の原生花園、と言われています。
この原生花園の一画にサンゴ草の群生地がある、ということでさっそく行ってみます。
ん?かすかに赤いが、もしかしてこれか?
もしかしなくてもこれでした。
こうやって目いっぱい近づいて強調するとそれなりには見えますが、さっきの能取湖にくらべるとちょっと物足りないですね、いや大いに物足りないっ!
今年は暑さのせいか、例年に比べかなり生育が早かったようなので、もしかするともう退潮期だったのかもしれませんね。
さて、このワッカ原生花園、日本最大級ということでかなり広い範囲に見どころがあり、園内専用の大きなレンタサイクルターミナルがあるほどなのですが、花のシーズンはだいたい終わってるようなので砂州奥までは行かず、小一時間ほどの散策コースを歩いてみました。
竜宮街道っての見つけたぞ。
いいじゃないか、竜宮!
きっとそこには白いウスウスのレースを羽織った乙姫がいるに違いない。
それはきっと肉食かつ超ドSの乙姫に違いない。
そう思うのはきっとauのCM視すぎに違いない。
実際は、かつて文人、大町桂月がこの砂州を「龍宮へ続く道」と形容したことからこの名がつけられたようです。
竜宮ってことでとりあえず海の方に出てみると、なーんもない砂丘の向こうに知床連山が広がっているだけでした。
近くにこんな看板があったので、きっと竜宮にイケるのは夕暮れ時なんでしょう。
黙って夕日を持ち帰っちゃおうとすると、
ゴルァ~無断で夕陽持ち出すんじゃねーよー
って感じで乙ちゃんが現れるわけですな。
わかります。
しかし今日はそこまで時間がないので、竜宮は今日の泊まりの斜里の場末の飲み屋街まで取っておくことにしました。
小腹もすいたことだし、ワッカ原生花園のネイチャーセンターに戻ってみると、お土産コーナーに見たこともない商品が。
カーリングクッキー!
そだね~Tシャツ!!
これほしいぞ!!!
これ、うちの娘に買っていったら、パパ絶対24時間くらいはヒーローになれそうなので、悩みに悩んだのですが、まだ北海道について4時間くらいだし、このあと180時間くらい荷物持ち歩かなきゃいけないので、泣く泣くあきらめることにしました。
札幌とか、北海道のほかの観光地で売ってることを期待したのですが、やはりどこにも見当たりませんでした。
そう、ここはあの「そだね~ジャパン」の娘たちを生んだ常呂町(今は北見市常呂町)にあるのです。
そんなわけで常呂町内にはどデカいカーリングホールが。
カーリング、僕も2回くらいやったことありますけど、めっちゃおもろいですよー
誰でも簡単にチャレンジできて、しかし奥が深い、っていうサイコーのゲームなんですよ。
もう10年近く前、うちの会社の社員旅行でやったときあまりにも面白かったので、カーリング使った旅先のチームビルディングプログラムつくったら結構クリーンヒットな商品になりました。
サロマ湖の校長先生
サンゴ草めぐりの最後は、サロマ湖畔につき出たキムアネップ岬。
立派な散策道を進んでいくと、これまた立派な看板がありました。
が。
これかい。。。
思わず同じ散策路にいた、昔近くの小学校の校長先生だったふうの老紳士に
いやー、今年はもう終わっちゃったんですかねー
と話しかけると、こうちょーせんせー曰く、今年の色づきはこんなもんじゃないか、とのこと。
本当はもうちょっとあっちの方まで色づくんだけど、今年はダメだなぁー
なんでも能取湖も去年が最高の色づきだった模様。今年も悪くはないみたいだけど。
たしかにここが真っ赤に染まれば、それはそれできれいなんでしょうね。
ありがとうございます、こうちょーせんせー。
また機会あったら来てみる気になりました!
<2018年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
能取湖サンゴ草への旅
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