ずっと行きたいと思っていたのに、ベストな時期に合わずなかなか行けなかった場所が福岡空港の近くにありました。
それが「志免町」。
志免と書いて「しめ」と読みます。博多駅からバスで30分弱、福岡空港からは15分ほどで着いてしまうこの(聞いたこともないような)町に行く目的、それがこの「志免鉱業所竪坑櫓(しめこうぎょうじょたてこうやぐら)」なのです。
町にそびえる異形のタワー
まずは福岡空港や博多駅からバスに乗り「志免」でバスを降ります。
ほっかほっか亭だのココイチだの、典型的な郊外のベッドタウン的チェーン店が並ぶ通りから脇道に入って、迷路のような住宅街を歩いていると突如異形の建物が見えてきます。
カッカッカッチョエェ~~~!!!
そうなんです。
僕はこの異世界の建造物をずっと見たいと思っていたのです!
この建物の名は「志免鉱業所竪坑櫓(しめこうぎょうしょたてこうやぐら)」。
かつてこの志免には「国営炭鉱」志免鉱業所があり、この竪坑櫓で採炭夫を昇降させ、石炭を搬出していたのです。
志免の町を見下ろす高台が広大な公園として整備されていて、その中央にこの孤高の竪坑櫓がそびえ立っていました。
その大きさは高さ47.65メートル、長辺15メートル、短辺12.25メートルで、石炭層に垂直に掘られた竪坑が地下430メートルまで延びていたと言われています。
もちろん現在は炭鉱は閉山となっていますが、近代建設技術史上非常に価値が高いものとして、国の重要文化財や近代化産業遺産に指定されています。
そりゃそーだわ。
だってマジでカッコいいもん。
廃墟とかB級スポットとかいろんなカテゴリーで語られる志免鉱業所竪坑櫓ですが、アートでスマートでスイートな僕にはセクシーなアートにしかみえまへん。
お正月。おじーさんとこどもが上げている凧がアートのまわりを舞っています。
これを見るだけだったら、別にベストなシーズンって関係なさそうに思えますが、この日を狙ってきたのには、実は理由があるのです。
ただ、それには夜になるまで待たなければならないので、日が暮れるまでのしばらくの間、いったん下界に戻ります。
志免鉱業所竪坑櫓のライトアップ
竪坑櫓の高台のすぐ下にあったのが志免鉄道記念公園。
かつてはここに国鉄の志免駅があり、ここはそのプラットホームだったようです。
志免のマンホールデザインも素晴らしいですね。
記念に1枚持って帰りたいくらいです。
日が暮れるまでの間に夕食を食べよう、と思って志免の町まで出てファミレス的なお店で食事を終えて外に出ると、竪坑櫓はすでにライトアップされ、妖しく輝きはじめていました。
そう、この志免鉱業所竪坑櫓は、クリスマスと年末年始の数日間だけ、こうしてライトアップされるのです。
せっかくなのでライトアップされる瞬間を見よう、と思っていたのですが、この日は(いつも?)予定の時間より早く点灯してしまったようでした。
1年のうちでほんの数日しか実施されないライトアップなのですが、人影を見ることはほとんどありません。
クリスマスとか大晦日にみんな見に来ちゃってたのかな?
でもカウントダウンをやってたわけじゃないので、いつもこんな感じだったのかもしれませんね。
昼間はあんなに男性的に見えた竪坑櫓ですが、夜になると、その姿はまるでセクシーな女性のよう。
僕はまったく気づいてなかったのですが、この日がスーパームーンだったこともあるのかもしれません。
なんだか妖しい夜がはじまりそうですね。
ひとりで来てももちろん楽しめますが、恋しい人と来ればもっといい雰囲気だったろうな、と思っちゃうようなセクシーな夜でした。
<2018年1月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
志免鉱業所竪坑櫓への旅
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