佐渡と言えば特別天然記念物の「朱鷺(トキ)」。
トキは一時、生存数が世界でわずか数羽になるまで減少、日本では「野生絶滅」の状態にありましたが、日中両国の保護によって、次第に個体数が回復し、日本では佐渡を中心に600羽ほどが生息しています。
そんなわけで佐渡は島の至るところにいろいろなトキがいます。むしろ本物のトキよりそっちの方が数もずっと多くておもしろかった、と言ったら怒られちゃうでしょうか。
いきなり出迎え「サドッキー」
離島である佐渡へのアクセスはヒコーキもありますが、ほとんどの方が新潟港や直江津港からのジェットフォイルやフェリーでやってきます。
そんな佐渡のメインとなる玄関口「両津港」に到着して客船ターミナルのロビーに出るといきなりトキがお出迎え。
いや、彼の名は「サドッキー」。第1回目のトキ放鳥が行われた平成20年に、トキ野生復帰を記念して誕生したキャラクターだそうです。
お腹に描かれているマークは、佐渡を象徴する美しい海と山と川で、豊かな自然環境のなかで人とトキが共生する未来の佐渡をイメージしています。
朝ごはんを食べていなかったので、港の売店でパンでも買おうと物色しているとここにもトキがいました。
トッキッキ!(カスタード)
なんでもトキにすりゃいいってもんじゃない感ありありですが、まあここは佐渡。郷に入らば郷に従うしかありません。
袋から出すと、かなり苦しいながらも若干トキ感は出てきましたが、一緒に買っためっちゃ昭和レトロなバタートーストのほうが個人的にはおいしかったです、スミマセン。
ちなみに、知人のトキ大好き女子が絶賛おすすめしてくれたパンがあったのですが、途中で立ち寄るタイミングがなくてスルーしました。
たしかにこっちのほうがトッキッキよりも75倍くらいトキ感はありそうですね。
トキの森公園「トキ資料展示館」へ
佐渡のいろんなトキもおもしろいのですが、まずは本物に会わないといけません。
そんなわけで両津からバスに乗ってトキの森公園へと向かいます。
トキはこうした里山の田園に飛来すると言われているので、バスの中からも目を凝らして探してみましたが、そう簡単には見つかりませんね。
トキの森公園の中核施設、佐渡朱鷺保護センターは約2ヘクタールの敷地内に5棟の飼育繁殖ケージやヒナを育てるケージなどがあり、トキの保護と放鳥に向けてのトレーニングが行われている施設。
保護センター内にあるトキ資料展示館では、トキの映像やはく製、骨格標本などが展示されていて、知られざるトキの生態をわかりやすく学ぶことができます
と思ったら再びサドッキー!
違う違う!キミを見に来たんじゃない!
彼女は日本産の最後のトキとなった「キン」のはく製。
人工飼育下で彼女と何羽かのオスのトキとの交配が試みられるもいずれも失敗し、日本産のトキは彼女の死を以って途絶えたと言われています。
キンのその恋愛履歴が書かれたボードが横にありましたが、読んでいるうちになんだかちょっとせつなくなってしまいました。もっと自由に恋愛できたらよかったのに、プレッシャーがあったのかな。
その後、中国から譲り受けたトキがここで交配し、その子孫たちが少しずつ増えて、今、佐渡には推定で500羽弱のトキがいると言われています。
トキふれあいプラザでホンモノのトキとご対面
トキ資料展示館に隣接する「トキふれあいプラザ」にはトキが飛翔可能な大型ケージがあり、その中ではより自然に近い形で、飛翔、採餌、巣作りなど、トキの生態を観察できるようになっています。
おおおおお、ようやくホンモノのトキ!
今回は結局、野生に帰ったトキの姿を見ることはできなかったのですが、ここではかなり近くでその生態を観察することができました。
と思ったら窓際になんかまたへんなトキがいたぞ!
これは「佐渡牛乳」と言って、朱鷺のデザインを採り入れた「トキパック」の愛称で親しまれている、佐渡の朝の必需品。
佐渡の家庭では、どこもこうして3つ並べて羽根を広げて並べているそうです。
そして極めつけは帰りのバスを待っているときに見つけたトキポスト。
ホンモノのトキに会えたのもよかったけど、こんなゆるい佐渡のいろんなトキのほうが実は楽しかった、って言ったら怒られちゃいますね。
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佐渡トキの森への旅
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