「A列車で行こう」とはJR九州の特急列車の名前です。
それは熊本駅からJR三角線(最近はあまくさみすみ線というらしいです)の三角駅まで、30数キロを週末を中心に運行する観光特急。
A列車の「A」はアダルトのAとか、天草のAなどをイメージしてネーミングしたのだそうです。
アダルトといっても「むふふ」な方のアダルトではなく、クールな大人という意味のアダルトですので、あしからず。
熊本駅にJAZZのナンバー
「A列車で行こう」といえばJAZZのスタンダードナンバー。
もちろんそれもこの列車の名前の由来となっています。
熊本駅の発車ホームに行くと、ホームのスピーカーから出発前の停車時間じゅう「A列車で行こう」が流れています。
いいですね、こういうの。なんかウキウキします。
外見は黒にゴールド。JR九州のその他観光列車と同様、水戸岡鋭治さんのデザイン。
ロビーカー周辺の内装は、天草のキリシタン教会をイメージさせるようなステンドガラスが多様されています。
客車内も、木造っぽい雰囲気で、落ち着いた感じです。座席は全車指定席ですが、こんなデザインだとグリーン車のようにも見えますね。
そしてA列車のA列車たるゆえんが、この「A-TRAIN BAR」。
車内にカウンターバーがあって、おねーさんがウイスキーやらワインやらを販売しています。
アルコールを片手に、島原湾ののんびりした風景を眺めながら、列車に揺られて天草に向かう。
これぞアダルティな旅!
よろしければ何かお飲み物はいかがですか?ナイスアダルト
そうだな、ドンペリのゴールドは置いてるかい?
申し訳ございません、あいにくシャンパンの用意はございません。
当列車、アダルティを標榜しておきながら、ナイスアダルトのご期待に添えず痛恨の極みでございます…
はっはっは、いいさ、気にするなよ。
じゃあ、君の見立てに従おうか。
何か僕にぴったりなおすすめを用意してもらおうかな
それでは熊本の名産物デコポンを使った「Aサイダー」と天草焼きドーナツのセット。
まさにナイスアダルトなミスターにピッタリお似合いですわ、うふっ。
それ、サイコーかよっ!
ま、僕は昼間からお酒飲みたくないので、それでいいのです。
有明海と雲仙の車窓風景
熊本駅を発車した「A列車で行こう」は宇土駅で鹿児島本線と分岐して三角線(あまくさみすみ線)に入ります。
しばらく進むと窓ガラスの「A‐TRAIN」のマークの向こうに有明海、そしてその先に雲仙の山並みが見えてきます。
穏やかな、いい天気です。
ここは御輿来(おこしき)海岸と呼ばれる知る人ぞ知る絶景の場所。
この有明海は干満の差が日本一で、潮が引くと海岸の砂地には風と波による美しい曲線美の砂紋(砂干潟)が現れるのです。
特に干潮と夕陽がかさなる年間わずか数日間は、言葉にならない美しさなのだとか。
ここはいつか「その数日」を狙って来てみたいと思っています。
やがてA列車は海を眺めながら少し上って低い峠を越えにかかります。
峠を越えると、やがて三角の町があらわれ、熊本を出てから約40分、あっという間に終着となってしまいました。
三角の駅舎も教会の建物を模してリニューアルされていました。
「A列車で行こう」は三角港と天草松島を結ぶ定期船「天草宝島ライン」に接続しています。
三角駅の目の前にあった三角港に行ってみると、もう出発するから早く乗りなさい、的なアナウンスがあったので、僕もなんとなく乗ってしまいました。
松島で天草の中心地、本渡行きのフェリーに乗り換えるのもいいかな、と思ったのですが、さすがに気まぐれすぎてその日のうちに戻ってこられなくなりそうだったので、やめておきました。
<2013年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
「A列車で行こう」の基本情報
「A列車で行こう」への旅
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