最近は「レトロ喫茶」といった分類もされることのある「純喫茶」。
純喫茶とは本来「酒類を扱わない純粋な喫茶店」のことを言い、酒類を扱い、女給(ホステス)による接客を伴う特殊喫茶(カフェー)と区別するための呼称で、必ずしも「レトロ」と同義ではないのですが、今でも「純喫茶」を名乗るお店は、その全盛期だった昭和の香りを色濃く残すお店がほとんどのため、いつの間にか「純喫茶=レトロ喫茶」として定着した感もあります。
僕も旅先(特に、チェーン店などないような古い地方都市)で偶然見かけた純喫茶に入ることが多いのですが、ときどき惚れ惚れするようなお店に出会うことがあるのです。
B級スポット情報になぜか出てくる純喫茶
僕は旅先のB級スポットを探してめぐるのが好きなのですが、「地名+B級スポット」あるいは「ディープスポット」と検索すると、なぜかときどき純喫茶が表示されることがあります。
もちろんその中には寄食喫茶の聖地で甘口スパゲッティを食すとか、秘宝館みたいな空間で男と女の神秘を学びながらコーヒーを飲むとか、本当の「B級スポット」もあるのですが、「レトロなお店」というだけでB級扱いとなっている純喫茶も多いのです。
今回の訪問は新潟県燕市。
冬場の融雪水の影響でこのあたり特有の茶色い道路の商店街をしばらく歩くと、そのお店はありました。
喫茶、ロンドン。
上から見てもロンドン、下から見てもロンドン、横から見てもロンドン。
♪楽しいロンドン 愉快なロンドン ロンドーン ロンドーン♪
(・・・っていうCMがあったの覚えてますか?ずっと昔に、たぶんキャバレーかなにかの。群馬だけ?)
ま、ここは「純喫茶」なのでバニーガールみたいなおねーちゃんがいるカッフェーとか、古き良きキャバレーではありませんが。
水着のおねーさんはポスターのなかで昭和55年的なハイレグ角度と笑顔を振りまいてますけどね。
そう、ここはもはや絶滅危惧種とも言われる古き良き純喫茶の生き残りとして、新潟県内では知る人ぞ知るお店のようでした。
まさに純喫茶の王道
店内に入ると、どうですか、この風格!
この日は三連休最終日の午後だったのですが、店内にほかのお客さんの姿はなく、こんな素敵な店内が貸切で味わえるようです。
おおお、インベーダーゲーム!?
じゃなかった、なんだっけコレ、「スペースギャラクシー」だったかな?
かつて「地獄打ちのテツヤ」と呼ばれた僕が高崎の純喫茶「コンパル」でインベーダーゲームをやると、まわりにたくさんのギャラリーが集まって来て、パーフェクトクリアするたびに女子高生が僕の肘に胸を押し付けるようにして眺めてたなぁー(村上春樹「1973年のピンボール」ふう回想・・・)
なーんてことを妄想しつつこのテーブルに座ってみようかと思いましたが、女子高生どころか、女子高生の子どもがいる人妻の気配さえも皆無だったので、思い直して高級革ソファーに座ります。
年季の入ったメニュー、きちっと専用コースターに乗ってサーブされるおしぼり、禁煙?はっ?なにそれ?って感じの威風堂々とした灰皿。
これぞ純喫茶!
ちなみにこれが手書きメニュー。
「フロート、レスカ、クリソー」のドリンク御三家に加え、「あんみつ、パフェ、プリンアラモード」のデザート御三家も揃った、まさに純純純喫茶!!
くぅー、涙出る!
そんなわけでメニュー選定に散々迷った挙句、ちょっと小腹もすいていたので、王道ミックスサンド&珈琲を注文するとこれっ!
ゆで卵に、バナナ添えですよ。
まったく期待を裏切らない純純純純純喫茶!!!
店内の内装もしゃれおつですな。
この重厚感は5年や10年じゃいくら金を積んだって出せやしませんぜ、旦那!
てか君は誰だ?いつからここで微笑んでいるのか?
武田久美子?
・・・じゃないよな。
なんかこんなお店なので、ものっすごっく頑固おやじとかがやってるのかと思いましたが、人のよさそうな老夫婦がやっているお店のようでした。
やはり創業から50年以上を経て、今なお現役で続いているお店だそうです。
期待を裏切らなかったな、純喫茶ロンドン。
<2018年7月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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