とある年の8月2日土曜日の朝、yahooニュースの天気予報を見ると、都内やさいたまの予想最高気温が36℃でした。
これは今日もかなりいい感じで気温が上がるな、と思ってたら、自称、日本一暑い町と標榜している二つの町をハシゴして、どっちが暑いか確かめてみるのも悪くないな、という気になりました。
それは埼玉県の熊谷市と、群馬県の館林市。どちらの町も、僕の家からそう遠くはなかったのです。
「あついぞ!熊谷」はなぜなのか?
埼玉県、熊谷市。
ここは2007年8月16日に最高気温40.9℃を記録して以来、酷暑の町として有名になり、毎年夏の猛暑日となると、ニュース番組で熊谷の様子が映し出されることが多いので、みなさんもよくご存知だと思います。
熊谷駅前、手前の方の「熊谷駅」と書かれた「熊」と「駅」の文字の下の柱あたりから、ミストシャワーが吹き出ているのがお分りでしょうか?
まあ、これだけ暑いとあんまり効かないんですが、これも暑い町、ということのアピールの一つのようです。
なぜ熊谷はそんなに暑いのか?
熊谷で勤務していた僕の先輩は、
おまえらの東京の熱が全部こっちに来るんだよ
と言ってました。
東京の熱が秩父の山を越えられずに、熊谷に滞留する。
言われてみれば、なんとなくそんな気がしないでもありません。
科学的に根拠があるのかどうか、全くわかりませんが。
そんなわけで、熊谷に来れば駅前にバーン、とリアルタイムで温度が表示されている温度計かなにかがあるかと思ったのですが、なんと、そんなものどこにもありませんでした。
テレビで何度も見たことあるような気がしたのですが、実は映っているのは陽炎のような熊谷駅前とか、汗を拭き拭き街を歩くおねーちゃんとかだけで、温度は字幕だったのかもしれません。すっかりだまされたぜ、NHKめ。
それでもネットで調べてみると、「八木橋」という熊谷唯一無二の老舗百貨店前に巨大温度計があるらしいので、さっそくそこまで行ってみます。
「八木橋デパート」の巨大温度計
行くと確かにありました!
しかしリアルタイムの温度計ではありません。
1日2回、11時と14時の熊谷地方気象台発表の温度を手動で掲示するパターンのようです。
ちなみに11時では31.7℃
こんだけ俺らを煽ってるわりには大したことないぞ、熊谷!
熊谷的には、かなりご不満な感じだと思います。
そんなわけで次回14時の結果を確認したいと思うのですが、14時まで待つと、館林に到着する時間が遅くなってしまいます。
熊谷から館林までは1時間ほどで行ける距離なのですが、気象台の発表から掲示版に反映するまでの時差や、駅までの時間を考えると、15時は過ぎてしまいそうです。
まあでもなんとなく熊谷を応援したい気持ちもあるので(特に理由はない。熊谷熊子と付き合ってるとかそーゆーのでもない)14時の発表まで待つことにしました。
時間があったので、街中を歩きます。
八木橋からすぐそばの中心商店街っぽいところですが、もともと人がいないのか、それとも暑さのせいなのか、誰も外に出ていません。
土曜日の午後、本来なら絶好のショッピングタイムなんですが、みんな「熱中症に厳重警戒、不要不急の外出を自粛」しているのかもしれません。
僕もさすがに歩き続けてはいられないので近くのファストフード店で時間をつぶし、余裕を持って14時半ころに八木橋に行ってみると、ありました!
14時発表の気温、34.2℃
ダメじゃん、熊谷!
思いっきり期待はずれじゃないですか、あついぞ!熊谷さん。
せっかくなら最高気温40.9℃を2℃くらい更新してほしかったんですけど・・・
と言っても仕方がないので、最寄りの上熊谷駅から秩父鉄道に乗って羽生へ行き、東武線に乗り換えて次なる地、館林へと向かいます。
結局、この日熊谷の最高気温は35.7℃、15時過ぎに少し頑張ったようです。
熊谷周辺はいいスーパー銭湯が多いので、暑かったらひと休みしてもいいかも
熊谷がライバル?日本一あついまち、館林
群馬県館林市。
熊谷のように新幹線が止まるような町でもなく、全国的に有名な観光地があるわけではないこの町の名前が、全国ニュースで聞かれるようになったのはここ最近のこと。
やはり、酷暑の町として有名になり、今日、全国で一番気温の高かった場所は・・・というような形で紹介されることも多いような気がします。
そんなわけで、実は館林は酷暑をネタに町のPRをするために、同じ関東の熊谷をライバル視していて、温度計を置く場所を工夫して、わざと高い気温が出るように仕掛けているのではないか、という記事もあったくらいです。
駅の改札口前には、こんな掲示板。
過去最高気温は41℃(非公式記録)だったようです。
残念ながら駅を出る頃は16時近くになってしまい、酷暑のピークは過ぎたと思われますが暑いです。
なんというか、午前中とは違う暑さです。
午前中は、太陽が歩く僕を上のほうから容赦なく攻撃してくる感じの暑さでしたが、今の暑さは下の方にたまった熱がムッと突き上げてくるような暑さです。
午後の暑さの方がいやな暑さではあります。爽やかじゃない、というか正々堂々としていない、というか。
暑さなら暑さらしくもっとビシッと来いよ、という感じですが、あまりビシッと来られても生命の危険を感じるので、それはそれで困るのですが。
さて、町を歩くと、みんなちゃっかり暑さに便乗しています。
巨大温度掲示板がある、市役所に行く途中で、とうとう発見しました、リアルタイム温度計!
写真では点滅している数字がうまく映らなかったのですが、36℃を指していました。
日もだいぶかげってきた、16時現在の気温が36℃ですから、日中はもっと気温が上がっていたはずです。
期待に胸を膨らませて市役所に向かいます。
ここは「日本一」暑いまちというのを行政自らがストレートに標榜しているんですね。
熊谷がそこまでストレートに出していないのと比べると対称的です。
離れているので今回は行けませんが、同じく酷暑の町として有名な岐阜県の多治見市も「日本一」を積極的に標榜しているようです。
いよいよ市役所の正面に向かい、巨大温度掲示板が見えてきましたが、なんと!
(土曜日で市の職員もお休みのため?)まさかの記録なし!!!
僕はなんのために酷暑の中、ここまでやってきたんでしょうか?
で、結局どっちが勝ったの?
と気になったので、一応気象台での発表を調べてみると
この日は館林の最高気温が38.2℃で全国一暑かったようです。
38.2℃の瞬間は午後2時20分だったようなので、残念ながらその瞬間は体験できませんでしたが、予定通り日本一暑い戦いを目の当たりにすることができた、ということで良しとしましょう。
日本一暑いまち対決!熊谷VS館林
今日の勝負は、館林の勝ちでした!
最近は熱中症で重篤な症状になる人も多く、不謹慎というクレームでもあがったためか(特に熊谷は)酷暑を標榜した町おこしは控えているようです。
よい子の皆さんも、こんなバカな旅はやめましょう。
でも今も巨大温度計とか、あるのかな?
<2014年8月訪問>
最新の情報は公式サイト等でご確認ください
コメント