青森の下北半島にある恐山と言えば、日本でも有数の霊山。というかやっぱりここが一番霊山っぽいです、僕の経験から言うと。
恐山にはずいぶん前、よく晴れたGWの午前中に行ったことがあるのですが、なんだか恐山のくせに新緑とか青空とかが爽やかすぎて全然恐山っぽくなかったわけですよ。
そんなわけでいつか恐山が最も恐山っぽく、どよーんと重い空気の日にリベンジしたいと思っていたのです。普段とは逆張りのリベンジですが。
バスさえ怖い、恐山
恐山の玄関口は、青森県の下北半島にあるJR大湊線の下北駅。
かつてはここからさらに北に向かって国鉄大畑線(のちに下北交通大畑線)が伸びていましたが、路線廃止により、ここが本州の最北端駅になりました。
恐山をはじめ、下北半島の主要観光地へはここからバスが出ていて、僕が到着した列車からも恐山行きや大間方面行きのバスに乗り継ぐことができました。
この日の恐山行き乗客は僕を含め3人。
かつて僕がまだ若かりし頃、恐山で煩悩を振り払おうとGWにこのバスに乗ったら、周りは観光客でほぼ満席。
おまけに僕の後ろに座ったのがひとり旅同士のおにーちゃんとおねーちゃんだったらしく
どちらにお勤めなんですかー?
なんかまぐれでS●NYとかに入っちゃったんすよねー、そんな一部上場企業でマジ働くガラじゃないんすけどね
えー、ヤバい!彼女とかいるんですかー?
おいおいおいおいおいおいおいおい!
ここをどこだとわきまえてんねん。天下の霊場、恐山にあらせられるぞ!(なんで恋の花が咲いてんねん!俺の隣にもひとり旅女子が来てほしかったぞ!!!)
そんなわけで今回の姿こそ、模範的な恐山行きバスとして相応しいのですが、人も車も全く見かけない恐山行きの山道をただひたすら右へ左へと進んでいたバスが、突然止まります。
ドライバーさんによると、ここに「恐山冷水」があるのだそうです。
昔からここが俗界と霊界の境界といわれ、この冷水で手を洗い、口をゆすぎ、霊場恐山へ入るのが習わしだったのだそう。
冷水は1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返る、ということで、乗客はみんな黙って手ですくって飲みます。
よく見ると、乗客の中にひとり旅っぽい影の薄そうなおねーさんもいましたが、恋の花が咲くとそのまま霊界に引きずり込まれそうな予感がしたので、勤務先をカミングアウトするのはやめておきました。
恐怖!三途の川の能面ぐるま
恐山のバス終点の手前、外輪山を越えカルデラ湖である宇曽利湖畔に出たところに三途川があるのでバスをおります。
俗世と霊界の間を流れる三途の川。この太鼓橋を渡るとその先はあの世なのですが、老朽化のためでしょうか、今は渡れないようになっていました。
この三途の川のそばにいるのが奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)。
三途の川を渡るには6文銭が必要なのですが、これを持っていない亡者が来ると奪衣婆が衣服をはぎ取り、懸衣翁が傍らの柳の木の枝にぶら下げ、その枝の垂れ具合で生前の悪行の軽重を計るのだそうです。その罪の重さによって川を渡る難易度が変わってくるという感じなんでしょうか?
しっかしよく見るとやっぱ不気味。
ビックリしたのは三途川がめっちゃ青くてきれいだったこと。
この川が流れ出る宇曽利湖が周辺の火山活動のため強酸性だからかもしれませんが、湖の色も限りなく透き通る青色に見えますね。
三途川を渡ったところに、なぜか不自然に車が1台停まっています。
運転手らしき人の姿も見えるので、ちょっと邪魔だよ、と注意しようと近づいてみたところ・・・
こっわー!!!!!
なにしてくれんねん!こんなところで悪い冗談はやめれ!
いよいよ恐山の山内へ
三途の川から500mほど歩いたところが終点、恐山バス停。
この先の総門をくぐるといよいよ恐山の山内へと入ります。
総門前には食堂があったり休憩所があったりするのですが、この日はあまり人影もなく静まりかえっていました。
恐山には宿坊もあって、一般人でも泊まることができるので、本当はここに泊まって煩悩をすべて洗い流したかったのですが、なんだか隣の部屋に影の薄いひとり旅女子とかがいそうだったのでやめておいたのでした。
そしてこれが恐山の山門。立派な山門ですね。
そして恐山のところどころで目にするのが、この風車。
この風車は、幼くして亡くなった子供の霊を慰めるために置かれているもの。
人気のない山内には、時々吹いてくる風に吹かれた風車が音たてるカラカラという音が響き渡っていました。
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