栃木県の宇都宮から少し先、東北本線からJR烏山線が分岐する「宝積寺駅」。
この駅は2020年東京オリンピックの新国立競技場の設計を行うことになった建築家、隈研吾さんがデザインした駅です。
近いと言えば近いし、遠いと言えば遠く、首都圏から微妙な距離にあるため、なかなかいく機会がなかったのですが、年末年始に余った青春18きっぷがあったので、JR烏山線とともにぶらっと訪れてみました。
クマさんデザインの宝積寺駅
宇都宮の二つ北にある宝積寺(ほうしゃくじ)の駅。
ホームから改札に上がる階段からしてこんな感じ。
天井をアップにしてみると、これ。
改札口を出ると大きなガラス窓から差し込む光に照らされて、ここにもモコモコとした造作物・・・木ですね。
この宝積寺駅、国際的な建築家のウサギさん、じゃなかったクマさん(隈研吾さん)によって設計されたデザイン駅舎なのです。
隈さんと言えば、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる予定の新国立競技場の設計でも脚光を浴びていますが、その手法は木材を大胆に使った「和」をイメージしたデザインが多く、この駅にも随所にその特徴が。
この宝積寺駅あたりには隈さんの建築作品が多いのだそうです。
みどりの窓口に並ぶ人たちも、なんだかアート作品のように見えてきます。
こうした駅舎のデザインに合わせて、駅前も蔵造りの建物が並ぶ広場も整備されています。
この壁面に使われているのはこの近くの名産、大谷石。重厚ですね。
が、これはかなり惜しい感じが。。。
こちらはクマさん関係ありません。。。
縁起地名の宝庫、JR烏山線
さて、この宝積寺から烏山線というJRのローカル線が走っているのですが、これがなかなかユニークなので乗ってみることにします。
この沿線には縁起のいい名前が並んでいるからなんでしょうか、始発の宝積寺を除く7つの駅それぞれに七福神がキャラクターとなっています。
「大金」。。。なるほど、ズバリですなあー。
このキャラクターの絵、どことなく「ドラゴンボール」の作者の鳥山明さんのイラストに似ているので、鳥山(とりやま)と烏山(からすやま)つながりで依頼したのか?と思いましたが、真偽のほどは不明です。
宝積寺からかなりのんびり走って約35分、終点の烏山駅へ。
ところで今回乗ってきた列車は、こんなディーゼルカー。
かなりレトロな感じの色合いで、懐かしい感じがしますね。
この烏山線にはこれ以外にも昭和レトロな色合いのディーゼルカーが何種類も走っていて、大変人気なんだそうです。
そんなわけで沿線にはカメラを抱えた撮り鉄が至るところにたくさんいました。
たぶんこれは戦略的にわざと塗り替えているんでしょうね。
このディーゼルカーにも七福神がいました。
とり立てて風光明媚な車窓があるわけでもなく、沿線に有名な観光地もない地方のローカル線ですが、こうして工夫しているんですね。
山あげの町、烏山
折り返しまで時間があるので、烏山の町をちょっと散策してみます。
駅前のお店でアユの塩焼きを売っています。
このあたりはアユがたくさん取れるのでしょう。うちの嫁さんの亡父がこの近くの出身で、アユの塩焼きが大好きでした。
町なかに「山あげ会館」という大きな建物がありました。
今回は時間がなかったので中に入れなかったのですが、「山あげ」というのは八雲神社例大祭の奉納行事で、国指定重要無形民俗文化財となっている烏山を代表するお祭りのこと。
烏山名産の和紙を幾重にも貼り、その上から山水画を描いた、「はりか山」という舞台背景(オモテから見ると、大きいものは五所川原の立佞武多みたいな感じ?)をバックに野外歌舞伎を行うのだそう。
この山あげ祭りがすごいのは、野外歌舞伎の舞台装置を人力で移動して、3日間の間に町じゅうのいたるところで上演されるというところのようです。
ようはある町かどで上演が終わったら、この「はりか山」と呼ばれる舞台背景をみんなで担いで移動して、次の場所でまた野外歌舞伎を行うというようなイメージでしょうか。
3日間で15-6ヶ所で上演するし、その移動距離は約20キロ。
この「はりか山」を人力だけで持ち上げて舞台を設置する様子から、”山あげ祭”という名称となったのだそうです。
山あげ祭り、知らなかった。
でも今度見てみたくなりました。
毎年7月下旬の3日間。行きたいところリストに入れておくことにします(↓その後、ちゃんと行きました)
※追記
烏山線のディーゼルカーですが、2017年3月のダイヤ改正で全車両が「蓄電池電車」に変わってしまったとのことです。
それであんなに撮り鉄がいたんでしょうね。
これも時代の流れなんでしょうが、ちょっと残念でもあります。
<2017年 1月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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