熊本に僕の好きな喫茶店があります。その名は「長崎次郎書店喫茶室」。
喫茶店なのに書店?とお思いでしょうが、そのお店の1階は名前の通り本屋さんです。
本屋さんの2階にあるのが今回紹介する喫茶室。このお店がこのお店たる理由は「2階にある」ということだと思っています。
そう、その2階の窓から見下ろす景色がこの上なく素敵なのです。
初めての長崎次郎
僕がこのお店に初めて行ったのは、2017年の冬。
ツイッターでうっかり九州を旅行することを全国のファンに向けて発信しちゃったので、博多、長崎はもちろん、別府、八代、都城、果ては屋久島、対馬・壱岐まで、まさにオール九州各地からラブコールが来ると思っていたのです。
しかしこれが当代きっての人気紀行作家の宿命なのでしょうか。
「きっともうスケジュールは分刻みで一杯に違いない」とみんながお見合いした結果、当たって砕けろー的な勇気をもって僕に声をかけてきたのは熊本のくまモン(女子)だけでした。
あのー、熊本には来ないんですかー?
行く行く行く行く行く行く行く行く!もちろん行きますともー!
そんなわけで僕がこの長崎次郎喫茶室に行ったのはこのときが初めてでした。
熊本の市電がカーブする交差点にある古い建物。
ここは国の有形登録文化財で明治7年創業の「長崎次郎書店」という老舗書店ですが、その2階に長崎次郎喫茶室があります。
熊本に住む知人の女子ライターが書いたこのお店の記事を読んで、熊本に来たら、ぜひここに行きたいなと思っていたのでした。
今回、くまもん(女子)がこのお店の記事を書いたライターさんも誘ったくれたようですが、都合悪くて参加できず、当人抜きで抜け駆けデートみたくなっちゃったけどね。
市電が見える喫茶店
本屋さんの横にある階段から2階に上ると喫茶室があります。
レトロな内装、ギャラリーやピアノのある開放的な空間と、それだけでもすごくいい雰囲気なんですが、僕がここに来てみたかった理由はこれ。
窓の下をゴトゴトと音を立てて市電が通るのです。
僕も大学時代や独身時代は行きつけの喫茶店、っていうのがあったんですが、最近はこういうザ・喫茶店も少なくなってしまい、いるだけで心休まるお店というのがありません。
でもこのお店に座ってときおりゴトゴトと通り過ぎる市電をぼーっと外を眺めているだけで、なんだか幸せな気分になってきました。
と豊かな気分にひたっていたら盗撮されてた!
今回、僕をナンパしたくまもん(女子)は、ライター同士の集まりで会ったこともあるので、想定外のデートと言えども、思ったほど緊張するわけでもないみたいで、わりと好き勝手に遊ばれてました。
今日来られなかった(この店の記事を書いた)ライター女子に隠しメッセージを残そう!ということでテーブルの上にあった雑記帳をパラパラめくっていると、なんだか素敵な恋文に遭遇しちゃいました。
気になっている人に
長崎次郎喫茶店は素敵なところだ、と教えてもらいました。
君が好きな理由がわかりました。
今度は君から誘ってくれないかな?
宇多田ヒカルが登場して、女子も男性のことを「君」っていうようになったから、これは女性が書いたのかもしれませんね。
そうだね、女性からそんなふうに言ってもらうのも素敵だな・・・
えー、ずるい人ですね。。。
この手紙を書いたのは、男性のような気もするし、女性のような気もします。でもどちらにせよ「君」のこと、大好きなんでしょうね。頑張ってほしいです。
年賀状ドライブスルー?
長崎次郎喫茶室を出て彼女と一緒に熊本城方面に歩いていると、途中でなんか面白いものを発見しました。
年賀ドライブスルー??
そんなの今まで見たことなかったのですが、彼女曰く、熊本ではふつー、とのこと。
この近くに熊本中央郵便局があるのですが、年賀状の時期になると、周辺が車で込み合うので、こうしてアルバイト(?)のおにーちゃんが人間ドライブスルーをしているんだそうです。
おっ、車来たっ!
あまりに珍しいので写真撮ってたら、おにーちゃんにガンミされちゃいました・・・
長崎次郎喫茶室ふたたび
その4年後、熊本に行ったときにくまもん(女子)と一緒にふたたび長崎次郎へと行ってみました。
レトロな店内も、窓の下をゴトゴト走る市電も変わっていないようでした。
前に来たときはケーキセットでしたが、今度はランチを食べてみました。
純喫茶王道のナポリタン。
ピリッとスパイシーなカレー。
そしてデザート?にカリカリのパン耳が添えられたフレンチトースト。
どれもおいしいです!
熊本に住んでるわけじゃないのに、この喫茶店、なんだかすっかり行きつけのお店のような気がしています。
実はくまもん(女子)に秘密で、何度かひとりでこのお店に行ったりもしています、ごめん(笑)
たまにテーブルの上の落書き帳にラブポエムとかセクシーストーリーとか書いてるので、みなさんも市電のゴトゴトという音を聞きながら、風祭ワールドをご堪能しに行ってみてください。
<2017年/2021年訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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