群馬県民に「桐生は?」と聞けばほぼ100%の人から「日本のはたどころ!」と答えがかえってくる桐生市は、かつては「西の西陣、東の桐生」と並び称されるほど絹織物産業が盛んな町でした。
(ちなみに「桐生は日本の機(はた)どころ」というのは、群馬県民の誰もがすべての札をそらんじて詠める化け物かるた「上毛かるた」の札のことです)。
かつて群馬第3の規模を誇った桐生も、織物産業の衰退により大きなダメージを受け、今や県内でも中規模都市になってしまいましたが、古くからの町並みや、ユニークな郷土料理があったりして意外と面白かったぞ、というお話です。
なんと桐生市観光大使は「篠原涼子」
いきなりやるやないか桐生!
実は篠原涼子さんの出身は桐生。そんな関係で、今や日本を代表する女優になりつつある篠原さんの顔は、桐生の町じゅうで見かけます。
特に2015年に撮影されたこのポスターが秀逸で、当時も大きな反響を呼んだらしいのですが、今でも「桐生」というとこれが象徴みたいになっていて、桐生市のツイートも2018年末なのにまだこのポスター使ってるようだけど、それでいいのか?桐生市!(笑)
篠原涼子さんと言えば、出身高校は桐生第一高校。そう群馬県勢で初めて甲子園で優勝した学校です!
なんでこんな新聞コレクションしてたかって?いや、僕高校野球好きなんですよ。なんならこの日はもう一紙、サンスポも持ってます。
そんなわけで、桐生は「球都」とも呼ばれ、この桐生第一高校のほかにもかつて選抜準優勝した桐生高校や甲子園出場経験のある樹徳高校や桐生商業、桐生工業と、野球の強豪校が揃う町としても有名です。
桐生第一高校、見かけましたが、今はサッカー部も売り出し中みたいです。
「織都」桐生に残る古い町並み
日本を代表する織物の街として繁栄していた桐生には、往時をしのばせる歴史的な建物が数多く残っています。
その中心となるのが重要伝統的建造物群保存地区に指定されている本町一丁目、二丁目の周辺で、散策のスタート地点になるのは「有鄰館」。
ここは「旧矢野蔵群」とよばれ、酒・味噌・醤油などの醸造を行っている矢野商店の11棟の蔵群。
現在は、一部が喫茶になったり、イベントスペースとしても使われています。
本町通りの両脇には歴史的な建物群が続いています。
本町通りで一番インパクトがあった「平田家住宅」。
なんともレトロな銭湯「一の湯」。
ここはもともと織物工場で働く女工さんたちのお風呂として建てられたものだそうです。
本町通りの突き当りに天満宮があり、その向かいにあるのが群馬大学理工学部。
なぜ群馬大学の理工学部が本部がある県庁所在地の前橋ではなく桐生にあるのか、というと、かつてここには国内で唯一の官立桐生高等染織学校があり、それが群馬大学工学部の前身だからなのです。
これは国登録有形文化財「群馬大学工学部同窓記念会館」。
1916年に桐生高等染織学校として建てられたモダンな建物で、のちに「群馬大学工学部」となり、現在は同窓記念会館として活用されています。
講堂は吹き抜けでデザインは中世ヨーロッパの教会に用いられたゴシック式、ドラマや映画、雑誌など数多くのロケに使用されるフォトジェニックなスポットなんだそうです。
えー、群馬大学理工学部なんて地味!
とか言われちゃいそうだけど、ここにはそんな歴史もあるのですよ(別に群馬大学OBではありませんが)!
桐生の象徴、ギザギザ屋根の工場跡
「織都」桐生の象徴の一つはギザギザ屋根の織物工場。
その代表的なもののひとつ「旧曽我織物新工場」。
お隣、栃木県で産出される大谷石で作られ、通風用の丸窓や煙突が特徴です。
入口があいてたので中も見学できるのかな、と思って覗き込んでみたら、広い倉庫みたいな暗い空間で、誰かがストリートダンスみたいなのをやってました。
それ以上中には入れなかったけど「フットルース」みたいでカッコよかったっす!(古っ)
このほかにも「旧株式会社金芳織物工場」など、ノコギリ屋根の工場跡は市内にいくつかあるようです。
桐生の郷土グルメ「ひもかわうどん」
桐生の郷土グルメと言えば「ひもかわうどん」。
このムダにぶっとい麺が特徴ですね。
市内の名店のひとつ、藤屋本店は古い町並みの続く本町通り沿いにあったのですが、まだちょっと時間が早くて寄れませんでした。
そんなわけで夕飯時にチャレンジ。
その前に夜の桐生の街で見かけた建物をご紹介しましょう。
JR桐生駅から徒歩5分ほどの場所にある「絹撚記念館(けんねんきねんかん)」。
全国にわずか6カ所しかなかった「模範工場」の事務所として使われていた建物で、大正6年に建てられた、群馬県内でも最古級となる洋風石造建造物です。
市内のアーケード街にあった「サンアール丸新」。
衣料品店のようですが、特に有名なビルではないようです。でも僕の琴線にはちょっと触れました(笑)
今回入ったのは「ふる川」というお店。桐生駅南口にある「パークイン桐生」というホテルの1階にあり、夜遅くまでやっているので便利なお店でした。
はい、これが桐生に来たら定番の「ひもかわうどん」と「ソースかつ丼」のセットですよ!
コシのある極太麺がもちもちしてておいしゅうございました。
定番!とか言っておきながら実はひもかわうどん初体験だったんですけどね(笑)
<2021年11月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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