愛媛県の最南端、高知県との県境にある「愛南町」。
その名前のイメージのとおり、南は黒潮踊る太平洋、西は豊後水道に面した温暖で風光明媚な土地ではありますが、ここにそんなイメージとはちょっと異質な場所があるのだと言います。
それは「石垣の城塞都市」とも言われる「外泊」の集落。
なんだかめちゃめちゃカッコよさそう!ということで行ってみたら、想像以上に辺境感あふれる場所でした。
東京から最も遠い場所のひとつ「外泊」
愛南町は愛媛の県庁所在地、松山から特急バスで3時間。
これから僕が向かう外泊は、その愛南町の中心、城辺のバスターミナルからさらに路線バスで50分。おそらく東京からストレートで向かっても7、8時間はかかるんじゃないかと思います。
航空機や新幹線が発達した現代、東京からそんなに時間がかかる場所はもうあまりなく、もしかすると東京から一番遠い場所のひとつなのかもしれません。
今回は、宇和島のバスセンターから乗ったので、その遠さをあまり感じることはありませんでしたが。
この外泊(そとどまり)は、海に面した急斜面に、まるでお城の城壁のような石垣を要した家が山の中腹まで並んでいて「石垣の里」と呼ばれています。
このすぐ隣に「中泊」という集落があるのですが、海沿いのわずかな土地にはすでに民家がひしめいていたため、その2世、3世が新たに家を建てるため、この急斜面を切り拓いたのだと言われています。
特徴的なのは、まるで要塞のように家々を囲む石垣。
熊本城の武者返しじゃありませんからね、これ。
「遠見の窓」から海を眺める
この日は穏やかに見える外泊の海ですが、冬の荒天の日は、激しい波しぶきが家々まで降りかかってくるのだと言います。
そのため家の軒下近くまで隠れるほどの石垣を作って、その厳しい自然と対峙したのがこの石垣の里の姿。
石垣の一部分には、海が見渡せるように凹んでいる「遠見の窓」と呼ばれる場所があり、家で待つ家族はここから港を眺め、父の乗る船が帰ってくるのを待っていたのだそうです。
集落の中央あたりには「だんだん館」と呼ばれ観光拠点となっている休憩所がありますが、この日は年末年始でお休み。
この貴重な集落は「美しい日本の歴史的風土100選」、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」などに選ばれています。
実はここ、何か古い映画でこの城塞都市のような姿を見て感動した、という会社の先輩の話を聞いて、僕は初めて知ったのです。
恥ずかしながらそれまで外泊なんてまったく知らなかったのですが、ここは素晴らしい場所でした。
やっぱりここは辺境なのか、愛南町
外泊から再びバスに乗って愛南町の城辺バスターミナルへと戻ります。
ここで宇和島方面に向かうバスに乗り換えるのですが、1時間くらい時間があるので昼食でも食べようと思っていたのです。
その前に、まずは窓口で「嵐」のストラップをゲット!
実は宇和島のバスターミナルで買おうと思ってたら「売り切れ」と言われ、たいそうショックを受けていたのです。
いや、別に「嵐」のファンなわけじゃないけど、こーゆーのは武器として持ってた方がいいでしょ?
風祭もいいけど、嵐祭も捨てがたくて・・・
という女子と出会うかもしれないし、将来、メルカリで5万円で売れるかもしれないしね。
そんなわけで本日の大きな目標をひとつ達成し、意気揚々と町へ繰り出してみると、あらっ?
愛媛の辺境、愛南町のギロッポンと呼ばれるこの城辺名店街もご覧の通り。
確かに今日は平成最後の大晦日だけど、午後1時でこのありさまはさすがに気合抜きすぎでないか?
マジ頼むわー、これじゃ昼ごはんにありつけねーよ
・・・と思ったら昼ごはん、あった!
平成最後の大晦日ランチは「カロリーメイト チョコレート味」と「老舗あんこ屋特製 おしるこ」で甘々な感じだったけど、僕は元気です。。。
八幡浜から九州へ
宇和島からJRで八幡浜まで戻って、八幡浜港へ到着すると、ちょうど夕暮れの時間。
八幡浜港から見上げるこの急斜面の景色、僕は好きなんですよね。
なんかどでかいみかんのオブジェができてたけど。
このあとはここから大分の臼杵までフェリーで渡ることにしました。
八幡浜は四国と九州を結ぶフェリーの拠点になっていて、僕もここから別府行きや臼杵行きに何度か乗ったことがあるんですが、なかなか渋くていいですよ、四国九州航路。
離島路線みたいな生活感もなく、リゾート路線みたいなチャラチャラ感もない。
八幡浜~臼杵?誰が乗るんだそんな航路?って感じの船のタラップをひとり越えて行くナイスミドル。
ああー酔うわ、自分に。
酔い止め飲まなきゃ。
これは初日の出ではありません。
平成最後の大晦日の日没です。
さよなら四国&2018年。
そしてよろしく九州&2019年!
<2018年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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