中之条ビエンナーレシリーズのVol.2
中之条の市街地からそれぞれ数キロほど、「伊参(いさま)」「名久田(なくた)」の両エリアは美しい里山がひろがるエリア。
中之条ビエンナーレの特徴の一つである「時が止まったままの木造校舎」を舞台としたアートが特徴的なこところでした。
名久田エリア「名久田教場」
「名久田」エリアは中之条ビエンナーレの6つのエリアの中で一番小規模な会場。
「名久田教場」とよばれる木造校舎が中心となります。
昔の女学生たちが書いた何通ものお別れの手紙が、教室中のスピーカーで次から次へと朗読される作品。
どよーん、と重い感じがいたします。
ゴメン、けっして遊びじゃなかったんだよ!そんなにみんなでおいらを責めないでくれよ!
今まで煩悩とかプチ悪事とかいろいろあったけど、誰一人不幸にしたことはない(つもりな)のですが、なんだかせつない気持ちになってきます。
まあ、古い校舎を舞台にしたアートは、その校舎から巣立っていった子どもたちの思い出がたくさん詰まっているからどうしても甘酸っぱくほろ苦い感じの作品になりますね、ってことでまとめることにします。
ここ名久田エリアの豊かな里山風景。
黄金色になる前の稲穂と裏榛名山?が美しいですね。
名久田からさらに北に進んで「伊参(いさま)エリア」に入ると目の前に異様な山体が。
これは嵩山(たけやま)と呼ばれる霊山で、この地域のシンボル。
戦国時代、武田軍の真田幸隆に攻められ自害した嵩山城主、斉藤城虎丸(じょうこまる)ら犠牲者を供養するため、険しい岩場に三十三の観音があるということなので怖いもの見たさでちょっと登ってみたい気もしますが、時間がありません。
伊参エリアの「イサマムラ」と「伊参スタジオ」
伊参エリアにある、これも廃校跡の「旧五反田学校」。
これは素晴らしい木造校舎ですね。
美しい木造校舎マニアの僕としてはもうこれ見るだけで満足。
伊参エリアの中心にあるのが「イサマムラ」。
ここは校舎は新しいのですが、平成25年に139年の歴史に幕を閉じた伊参小学校だったところで、中之条ビエンナーレの総合案内所となっています。
数多くのアートの展示はもちろん、さまざまなイベントも開催されていて、公式グッズの販売なども行われています。
「段ボールにはナミナミがあります」というアートだそうです。
おおお、これ越後妻有・大地の芸術祭のあれ、あれ。。。
そうそう、このまつだいにある農舞台にあるアートに似てるな。
そうでもないか。。。
そしてこの伊参エリアの僕的ハイライトというべき場所が、このちょー美しい木造校舎の「伊参スタジオ」。
ここは廃校となっていた旧中之条町立第四中学校。
群馬県が人口200万人を達成したのを記念に制作した映画の撮影スタジオとして使われ、その後整備されて「伊参スタジオ公園」に生まれ変わっているのです。
その群馬県人口200万人達成記念映画のタイトルは「眠る男」。
おおおおおお、なんかすごくシリアスでどよーんとした感じだぞ。
それでいいのか群馬県!
200万人達成したぜ、イェーーーーイ!とか言いながら群馬のブラジル、大泉町のサンバ隊とかがブルブル腰を振るような映画はできなかったものか!
まあ200万人を達成した時には僕はもう群馬を出ていて、この映画も残念ながら見たことがなかったので、もしかしたらすごくいい映画なのかもしれませんね。
監督は小栗康平さん。
群馬県立前橋高校の出身ですな(ちなみに僕は前橋高校と伝説のライバル校扱いされている高崎高校出身です)
1階には映画に関わる展示がありますが、これはこの芸術祭の期間だけでなく常設展示されているようです。
これは「眠る男」を題材にしたアートでしょうか。
個人的には体育館にあったこのオルガンのアートがよかったです。
この伊参地区は、日本で最も美しい村連合にも加盟している美しい集落でした。
これが今回の僕のパートナー、ちょっとお尻の大きな原チャリ「トリエンナーレ嬢」
彼女のピンクのストライプとピンクの看板、そしてピンクの光線がよくマッチしてました。
世のちり洗う 四万温泉
少年時代を群馬で過ごした方は、「四万温泉」と聞くとちょっと心の奥がムズムズするようなエロティックな気分になってしまうのではないでしょうか?
群馬には、県民誰もがすべての読み札を暗記している、というスーパー郷土遊戯「上毛かるた」というのがあるのですが、この「よ」の札が四万温泉なのです。
わかりますか?
少年たちがこの「よ」を捕りたいんだけど
うー、恥ずかしくって俺、こんな札とれねーよ
みたいになっちゃてたのが。
まあ今でこそ地球上のすべての男がうらやむような百戦錬磨の私ですが、かつてはそんなチェリーな時期もあった、ということをお伝えし、世の中の男子を勇気づけておこうと思った次第です、はい。
さて上毛かるたを知って以来、きっとあのお母さんがいる混浴風呂がどこかにあるはずだ!と僕は40年間四万温泉に憧れ続けてきたのですが、なんと実際に行くのは今回が初めてだったんです!!!
そんなわけでこの中之条ビエンナーレの際は絶対に四万温泉に泊まりたい、と思っていたのです。
「四万エリア」には情緒的な温泉街を活用したアートがたくさんあるのですが、この日は夕暮れも迫り、展示終了時刻の17:00まであとわずか。
温泉街でかつてはスナックだった空家のアートなどをいくつか駆け足で見ましたが、途中で時間切れ。
本当はこの日のうちに四万エリアは全部見ておきたかったのですが、思ったよりも展示作品も多く、広い範囲に点在してるのでバイクでもかなり時間がかかります。
また翌日ハイペースで回るしかなさそうです。
もうひとつ、四万温泉で必ず行きたいと思っていた場所がここ。
温泉街に今でも残るスマートボール場「柳屋遊技場」。
この日は土曜日ということもありかなり賑わっていてゆっくりできなそうだったので、翌日改めて出直しました。
それはこちらの記事でお楽しみください。
<2017年9月訪問 つづく>
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中之条ビエンナーレへの旅(四万温泉)
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