青森県のおいらせ町というところに珠玉の昭和遺産レトロラブホテルがあります。
その名は「ホテルナポレオン」。同じ名前の高級ホテルが本場フランスにもありますが、ここは青森のナポレオン。
でも本場じゃないからって舐めてたらビビりますよ。青森には極めて青森的なフランスがあり、極めて青森的な「ホテルナポレオン」があるのです。
そしておそらくこの青森のゆるやかな空気の中に存在しているからこそ、ナポレオン時代の栄華をそのままに、激動の時代を生き残ってきたのかもしれません。
おいらせ町は知られざる昭和レトロラブホ集積地帯
おいらせ町があるのは青森県の南部、三沢と八戸の中間あたり。
おいらせ、と聞くと十和田湖から流れ出る奥入瀬川の渓谷を想像しますが、このおいらせ町はその最下流の平野部に位置しています。
「ホテルナポレオン」は、そのおいらせ町の市街地からかなり離れた田園地帯にあるのですが、この周辺は知る人ぞ知る昭和レトロラブホの集積地のようです。
そのひとつがホテルナポレオンのすぐそばにある「天然温泉ホテルニュ-グリーン」。
ここは天然温泉の露天風呂付客室もあるレトロなラブホテルだ、ということでぜひ合わせて行ってみたかったのですが、今回は時間がなくて残念ながら立ち寄れませんでした。
このほかにもこの「さかもツイン」さんのブログでいくつかの昭和レトロラブホテルが紹介されています。
「ナポレオン」か「エマニュエル」か、はたまた「ルイ13世」か
ホテルナポレオンの広大な敷地内にはまるでフランスの王宮のごとく戸建てのコテージが並んでいます。
どーですか!青森のフランスっぽくないですか?
この中央の建物、屋上にナポレオンの冑と剣みたいなのが乗っかっている部屋がまさに「ナポレオン」という名のお部屋。
このホテルの特別室は(下写真の一番上の)3つで、それぞれ「ルイ13世」「ナポレオン」「エマニエル」と名付けられています。まさに「青森のフランス」ですね。
7号室の「ナポレオン」の部屋は、まるでパリを凱旋パレードしているかのような気分になれる馬車のベッド。
6号室の「ルイ13世」は、まあるい回転ベット(動くかどうかはわかりません)に大きな鏡張りのお部屋が特徴。
そして8号室の「エマニエル」はなんといってもこの貝殻ベッド。
平日の昼間だったこともあり、どのお部屋もあいているようでしたが、迷いに迷った挙句、選んだのはここ。
貝殻のベッド、好きでしょ、みんな?
ホテルナポレオン8号室「エマニエル」へ
そんなわけで、いざ、8号室「エマニエル」のドアを開けます。
あの「エマニエル夫人」は中で僕を待っていてくれませんでしたが、そこはまさにエマニエル的な香りの漂う空間でした。
エマニエルのすべらかな肌をやさしく浮かび上がらせるようなほの暗い照明。
貝殻のお部屋には真珠が似合います。
今すぐにでも貝殻のベッドでエマニエルと危険な遊びをしたいのをグッとこらえて、まずは室内探検でバスルームへ。
バスルームもやはり貝殻仕様でしたね。
む、こ、これは・・・・
浴室内のこの備品の用途、わかる人にはわかると思いますが「ペペマット」というのだそうです。呼び方は初めて知りました。
たしかペペというのはとあるグッズのブランド名でしたね、しらんけど。
そしてエマニエルの待つ、貝殻ベッドへ
いよいよこのお部屋のクライマックス、貝殻ベッドルームへと突入です。
か、かわいい!マーメイドになって貝にやさしく包まれたまま、ここでふわふわ漂ってみたいです・・・
す、すごい!まるで深い海の中で、息もできないくらいの愛を確かめあうことができそう・・・
みなさんが実際にこれを目の当たりにしたとき、どんなことを感じるのかはわかりません。
しかしどんな思いであれ、きっとこの圧倒的な存在感に感嘆することは間違いないでしょう。
まるで真珠が自ら光を発しているかのようなライト。
しなやかに、しかししっかりと貝殻を支える貝柱。
まるで本当に海の中を漂っているような気分になる空間でした。
極めて青森的フランスなるもの
貝殻ベッドの隣の部屋には、大きな鏡の前になんだか不思議なソファのような、ベッドのようなものがありました。
ホテルのHPによるとこれは「モンローシーソーベット」というものだそうですが、見たのは初めてのことでした。
なんだろうと思って座ってみると、下にばねのようなものが仕掛けてあるらしく、「ぼよーん、ぼよーん」という感じでシーソーのようにゆらゆらと動きます。
Googleで「モンローシーソーベット」と検索しても、ホテルナポレオンの記事や写真しか出てこないので、独自の呼び方なのか、ここにしかないものなのか。
え、これ何のためにあってどうやって使うのかしら?
それはあなたももう少し大人になればわかるわよ
そう、その答えはエマニエルなら持っているような気がします。
フランスのお部屋のテーブルの上にあったのは柿ピーと2本のおしぼり。
チェックアウトはフロントに電話すると、お部屋まで集金に来てくれるのですが、そのときにフロントのお母さんが持ってきたくれたのがこれ。
まさに、そこは極めて青森的なフランスだったのでした。
<2022年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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