対馬は、九州と韓国の間の対馬海峡に浮かぶ島。
長崎県に属していますが、県庁所在地の長崎市よりも韓国の釜山のほうがはるかに近い「国境の島」。
最北端の韓国展望所からはその名の通り韓国が見えるとか、北部の比田勝の町はハングルで埋め尽くされているとか、なかなかワンダーな情報にあふれていたので、行ってみました、国境の島の国境の町へ。
韓国からの玄関口、比田勝
対馬の南の玄関口は「厳原(いずはら)港」ですが、島の北の玄関口は「比田勝(ひたかつ)港」。
厳原には主に博多からのフェリーやジェットフォイルが到着しますが、比田勝のメインは韓国からの船便(博多からの船便も一部発着しますが)。
この比田勝が韓国からの玄関口となっている、国境の町なのです。
比田勝までは厳原から島を南北に横断するバスで向かいます。対馬には鉄道がないので、この路線バスが島の南北を結ぶ唯一の公共交通機関ですが、運行は1日5往復(区間運転除く)、約80キロを2時間半近くかけて走ります。
当時、土日休日限定で、対馬島内のバスが乗り放題になるパスがあったので使ってみました。
今日は厳原~比田勝を往復する予定なので、通常は6660円ですが、1000円ですむので非常に助かります。
(なお現在は1040円で平日も含め利用できるフリーパスになっています。厳原~比田勝間の片道運賃3400円ですが、どこまで乗っても1000円ならそんな料金設定意味ないと思うけど?)
厳原のフェリーターミナルを出発し、厳原の市街地を抜けたバスは、対馬空港のある美津島地区を過ぎたあたりから、こうした絶海の島々特有の険しい地形を進むため、右へ左へとカーブしながら上ったり下ったりを繰り返しはじめます。
バスに乗って2時間半、終点の比田勝の町の手前の「大浦」でいったんバスを降ります。
ここから歩いて向かうのはその名も「韓国展望所」。
韓国展望所から韓国は見えるのか?
韓国展望所までは約5キロ。バス停から歩いて1時間(公共交通機関はありません)。
ここは文字通り、高台から海の向こうの韓国望む場所。
さらに上って海が見渡せる場所に出ると、これぞKARA(韓)!という感じの建物がありました。
ここが対馬で最もメジャーな観光スポット、韓国展望所です。
残念ながらiPhoneしか持っていかなかったので、カメラのズームを最大にしても、海の向こうに「何か町のようなもの」しか写っていませんが、これが韓国・釜山の街(ビル)なのだそうです。
わかりにくいので、はっきり写っている写真を借りて載せておきますね。
望遠レンズを使えば、このくらいには見えるんでしょうね。
改めて地図を見てみると、対馬と韓国の位置関係はこんな感じでした。
この展望所からだと、釜山までの距離とフェリーを降りた厳原までの距離がほぼ同じ。
福岡はその2~3倍、対馬のある長崎県の県庁所在地、長崎市に至っては、釜山に比べたら遠い異国のような雰囲気さえ漂っています。
いやー、やっぱり対馬は韓国に近いんだな、と実感したのですが、対馬は単に距離的に韓国に近いだけの話ではありませんでした。
対馬はやっぱり韓国だった
年の暮れも押し迫った、寒風吹きすさぶ韓国展望所には、僕のほかには誰もいませんでした。
まあ、季節外れだし観光客が来る時期じゃないからな、と思って展望所の横で朝食のパンとおにぎりを食べていると、なにやら大型バスがやってきました。
韓国人の団体旅行客です。
何を言ってるのかはわかりませんが、金(キム)さんも、李(リー)さんも、張(チャン)さんも、みんなで釜山の街を発見して盛り上がっているのだろうと思います。
添乗員さんが案内する、いわゆる団体パックツアーというやつでしょうか、年末年始の休みを使って1泊2日くらいで日本にやってきているのでしょう。
日本人が1泊2日の国内旅行感覚で韓国にグルメや買い物を楽しみに行くのと同じですね。
ただ、日本人の韓国ツアーは、もうほとんどがフリープランなのに対して、韓国人の日本ツアーは、まだこんなふうにバスに乗って団体行動をしているんですね。
韓国展望所をあとに、比田勝の町に向かって歩きだすと、さっきと違うバスが、また1台、2台と山を上ってきます。
きっとこれも韓国人のツアー客なのでしょう。
釜山から比田勝港まで定期航路があるので、その船が到着したのかもしれません。
さて、来るときから気になっていたのですが、対馬の山の中を歩いていると、なんか木でできたお墓のようなものがよく目に入ってきます。
これは蜂胴(はちどう)といって対馬ではポピュラーな蜂蜜を集める道具なんだそうです。
対馬はニホンミツバチの宝庫らしく、彼らがこの箱の中で1年間せっせと蜂蜜を貯めると、一升くらいになるようです。
それから、対馬らしいものと言えば、やはりこれ。
こんな看板があるってことはツシマヤマネコ、この辺にもいるのかな。
出てきてくれないかな。
韓国展望所から比田勝の町までは地図上の距離は6~7キロなので、普通は1時間半もかからないくらいなのですが、対馬は想像以上に険しい地形の島。
山道を上って峠を越え、海沿いの集落に出たと思うと、また次の集落に向かう峠越え。
平地の2倍くらいの時間と、3倍くらいのエネルギーがかかります。
それでもときどきこんな景色に出会うことができます。
九州の島とはいえ、地理的にも韓国に近いので、冬は本州以上に厳しい寒さだと思うのですが、海の青さは南国のそれに近いものがあります。
これだけ見ると奄美大島にでもいるのか、と思ってしまいますが、外気は普通に寒いんです。
さて、ようやく比田勝の町に入ってきました。
ここは対馬の北の玄関口で、高速船で1時間ちょっとで釜山と結ばれています。
ということで比田勝の町にあふれるハングル。
これはもう全くなんだかわからないですね。
日本じゃない感じですね、このあたりは。
普通にソウルとかプサンの路地裏にありそうなお店です。
新大久保のコリアタウンより、こっちの方がそれっぽいですね。
実際に対馬で出会った観光客の9割は韓国人で、日本人の観光客はほとんど見かけませんでした。
島のアップダウンの道で予想以上に時間がかかってしまい、ゆっくり昼食をとることができないまま比田勝から再び島内縦断バスに乗って、厳原方面に戻る時間になってしまったのが唯一の後悔。
韓国語の看板の店で、焼肉食べたかったんだけどな。。。
<2013年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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