栃木県の宇都宮の郊外、「大谷」と呼ばれるところに巨大な地下空間があるという。
もちろんそこにそんな感じの場所があるのは知ってたんだけど、ま、ただの採石場跡の地下空間でしょ?くらいにしか思ってなかったのです。
ところがココ、行ってみたらすごかった。
今にもラスボスが現れそうなダンジョンというか、メソポタミアの秘宝館というか、セレブなナイスミドルにぴったりの愛の巣というか、まあとにかく百聞は一見にしかず、という感じだったのです。
宇都宮に突然異界あらわる
大谷に行ったのは、ほんの気まぐれでした。
ある年の夏、栃木県の高校野球の決勝を見に行ったのですが、午前中で試合が終わってしまい、午後、帰るまでにまだ時間があったので、どこか面白そうなところないかな、とググっていて思い出したのです。
ああ、確か宇都宮に大谷石の採石場跡があるけど行ったことなかったなー、くらいの感じでレンタサイクルを借りて、特に期待もせずに向かったのです。
宇都宮市街を抜け、県道70号から大谷街道に入ると、いかにも大谷石の産地らしい立派な建物が現れはじめます。
大谷石は柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきたのだそうです。
やがて山肌からむき出しになった大谷石の奇岩が現れ始め、あたりは独特な景観に。
おおお、なんか意外とすごいぞ!
これなんか駐車場のくせにメソポタミア人が彫った古代遺跡みたいに見えるぞ(※個人の感想です)。
そして突然現る「愛の泉」。
ここは湧き出る泉が自然とハートの形になっている脅威のパワースポットなんだそうです。
おー確かにハート型っぽいぞ!
こりゃーカップルで訪れると必ずムフフになれるような気がしてきた!
いいじゃないか愛の泉、さっそく今度一緒に来たい女の子リストを作ってみたいぞ!
(※個人の感想であり効果・効能を示すものではありません)
さて、この先にある大谷資料館ですが、資料館と名前がついているものの、博物館のように展示されているものはあまり多くなく、小さい部屋ひとつに収まってしまうほど。
この資料館のメインは何といってもその地下坑内を探検できることなのです。
そんなわけで、資料館の中にある地下への入口からいざ、潜入!
まるでドラクエのダンジョンか、はたまたインディー・ジョーンズか!
そこはなんだか巨大地下神殿みたいなすごい場所なのでした。
大谷資料館の地下空間
大谷資料館のこの地下空間が、まさに大谷石の採石場だった場所で、その広さは2万平方メートル、深さは30mにもなるのだそうです。
最近はこの異空間ぶりが人気で、かなり観光客も多いようです。
この日もたくさんの人が来てました。
ライティングもなかなか凝ってるじゃないですか。
まさにメソポタミア遺跡の宮殿!(※個人の感想ですが、メソポタミア遺跡行ったことありません)
意外とすごいぞ、大谷の地下空間!
この日本離れした景観が広がる地下空間は映画や音楽のPV(プロモーションビデオ)のロケ地としても大人気で、ここで数々の作品が収録されているようです。
いやー、そんなことなら僕が大学時代に結成して「ベストヒットHOKKAIDO」で1523位まで上り詰めた伝説のヘヴィメタバンド「へルターマドンナ(Helter Madonna)」 のPVとかもここで撮ればよかった!
また、最近はこの独特の空間を活かして、ラグジュアリーブランドの商品発表会やシークレットパーティーなども行われているのだそうです。
あれ?こんなところにうちの車が…
あれ?こんなところにうちの酒蔵!
ドンペリですねー。
この「P2-1998」というドンペリの新商品のお披露目会がここで行われたそうです。僕には招待状来なかったけど。
よし、僕も今度この地下空間を貸し切ってシークレットパーティー、開こう!
愛の泉で二人でお祈りしたあと、
「この広い地下宮殿を、君だけにプレゼントするぜ!」
的なサプライズを企画すればムフフ率は100%だと思い、緊急アンケートを取ってみたところ、一部の方より2000%OK、との回答をいただきましたので、世の中の迷えるご貴兄の参考になれば、と思い報告させていただきます。
さて、この地下空間、夏でも冬でも気温は10°前後。
入ってすぐは涼しくていいなー、と思っていたのですが時間が経つにつれ夏の装いでは結構寒い!
この場所でムフフするかどうかは別として、お越しになる方、ご留意ください。この中に1時間以上いるとキツいです。
さらには地底湖みたいな場所もあって神秘的。
この大谷資料館の地下からではないのですが、数年前から「OHYA UNDERGROUND」という大谷石採掘場跡の地底湖をボートで巡りながら探検するというめちゃくちゃ面白いツアーができて、ずっと先までキャンセル待ちが続いているとのこと。
確かに行ってみたいですよね、こんなの見ちゃうと。
いやー、予想外に素晴らしい場所だぞ、大谷資料館。
っていうか「大谷資料館」って名前変えようよ。この凄さ、全然伝わらないんですけど。
「OHYA UNDERGROUND MUFUFU PARK(大谷地底愛の冒険公園)」とかどうかな?
大谷寺も大谷観音も地味にスゴイ!
さて、この大谷地区にはほかにも見どころがあります。
まずは大谷資料館から歩いて10分ほどの場所にある大谷寺。
この洞窟に包み込まれたような観音堂の中に、弘法大師の作と言われている千手観音があります。
中は撮影禁止なので紹介できませんが、千手観音のほかにも脇堂には釈迦三尊・薬師三尊・阿弥陀三尊の合計10躰の石仏があり、西の臼杵磨崖仏に対し、東の磨崖仏と呼ばれているようです。
しかしスゴイ地形にありますね。
もちろん実際は岩場が先にあって、その中に観音堂を作ったのでしょうが、こうして眺めていると最初にあったのは観音堂のほうで、だんだん発達してきた岩場が建物を飲み込みつつあるようにも見えます。
大谷寺のすぐ向かい側にあるのが大谷公園。
入口がいいですね。
切り立った断崖の向こうに異界があるみたいで。
中に入るとあったのは異界というよりまったりした感じの平和観音でした。
観音様の脇には階段があって展望スペースからは慈悲深いお顔を間近に望めるのですが、僕が気になったのはその向こう側の断崖の上に見える建物。
おおお、これぞ異界っぽいぞ。
かつての大谷石採掘場の施設だったのでしょうか、朽ち果てて自然に還りつつある廃墟の姿が見えました。
断崖の上の廃墟に通じる道が残っている可能性も低く、実際に行くのはまず難しいとは思いますが、地下宮殿でのパーティーもいいけど、こういう場所をセレブと愛の冒険するのもいいなあ、と思ったのでした。
<2017年7月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
OHYA UNDERGROUND MUFUFU PARK(大谷資料館)基本情報
大谷資料館への旅
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