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日本一の秘境駅で有閑マダムと冒険!【北海道・小幌駅】

ながらく日本でNo.1の「秘境駅」と言われていたのが北海道の「小幌(こぼろ)駅」

秘境駅、とは、簡単に言ってしまうと、人里から完全に隔絶されていて、人の乗降する気配が全くなく、そもそもなぜそこに駅があるのか理由がわからないような駅のこと。

ところが、誰もいない秘境駅に降り立ってみよう、と思って行ってみたところ、なんと列車は満員、駅は休日の京王高尾駅(※テキトー)並みにハイキング客が下車したんだけど、どゆこと?

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小幌駅が日本一の秘境であるわけ

かつて秘境駅マニアの間では聖地として語られた小幌駅は、内浦湾ギリギリに崖が迫った礼文華峠と呼ばれる難所の途中にある駅。

長いトンネルとトンネルの間がわずか80mほど途切れている場所に駅があるのですが、周囲に人家はなく、駅に通じる車道も一本もなし。唯一、けもの道のような山道が、はるか下にある海岸へと通じているだけなのだそうです。

もともとは列車と列車がすれ違うための信号所として開設され、やがてそれが仮乗降場となり、JR発足時に駅に昇格したようですが、もちろん定住人口ゼロ、要は自分以外の人間をここで見かけることはまずないので、ここで何かあっても誰も助けてくれません。(かつては『小幌仙人』と呼ばれる男性が自力で建てた住居に住んでいたそうですが、今はもういないようです)

実はその前年もこの駅に降り立って、サバイバル体験をしよう、と思っていたのですが、接近する低気圧の影響で列車が運休になる可能性があり、この駅にたった一人で一晩取り残されたらそれこそ生死にかかわる問題のため、泣く泣くあきらめたのでした。

そんなわけで、約1年ぶりのリベンジとして、いつ遭難してもおかしくないように非常食や非常用のペットボトルを大量に買い込んで小幌に向かう列車に乗ったのですが、なんか様子がおかしいぞ。

たった一両の普通列車は小幌に近づくにつれ人が増え、まさかの満員。

そして小幌に到着すると、そのほとんどが列車から降りはじめたのです。

今や秘境駅が一大観光地?

たった1両のディーゼルカーが小幌駅の狭くて短いホームに着くと、なんと車内の乗客がほとんど全員降りてしまいました。

日本一の秘境駅として、1日の平均乗降客数0人という偉大な記録を永年にわたりキープし続けていた小幌駅の廃止が決まったのが2015年。
しかしそのニュースが流れたとたんに別れを惜しむ人々がこの小さな駅に殺到したため、地元豊浦町が観光振興の切り札としてJRに働きかけ存続されることになったのでした。

こうして一般の人々にも知られるようになった小幌駅は、僕が訪れたころはちょうどブームで、休日には大人気の観光スポットとなっていたようでした。

どうやらこの小幌駅の二つ隣、豊浦町の大岸駅まで車できて、そこから列車に乗り換えて小幌を往復する、というパターンでやってくる人々が多いらしいのです。

そんなわけでおよそこの秘境駅には縁遠いようなマダムたちも嬉々として獣道を歩いていきます。
ヒールで大丈夫っすか?
ほら、すぐ左に熊いるっしょ。

この小幌駅から鉄道以外で唯一外へと開かれている道は、断崖下の海岸へと続くこの獣道のみ。

駅から海の方へと進んでいくと、「岩屋観音・小幌洞窟」という案内看板が出てきます。
人がすれ違うのがやっとなくらいの山中の細い道を、上ったり下ったりしながらこの先800mほど進むと、崖と崖に挟まれた海岸に出て、17世紀の美濃国の僧、円空が作ったと言われる6体の岩屋観音がある小幌洞窟があるのだそうです。

しかし残念ながらそこまで往復する時間はなく、みんな途中で林の間から海を眺めてまた駅のほうへと戻るしかありません。

なぜならば、30分後の列車に乗らないと、この何もない駅で暗くなるまで何時間も過ごさなくてはならないからなのです。

停まる列車は1日6本

この小幌駅に停車する列車は普通列車のみで一日あたり上り4本下り2本の計6本

なのでアプローチする列車の組み合わせをしっかり練って訪れないといけないのです。
テキトー大好きな僕ですが、この駅だけは行き当たりばったりはヤバいです。運が悪いと何もないところで次の列車まで7時間以上待たされたり、最悪は翌朝まで野宿する羽目になってしまいます。

たいていは一度ここで列車を降りると次の列車まで何時間も待たなくてはならないのですが、奇跡的に1つだけ30分滞在できる組み合わせがあるのです。
そのため、みんなこのパターンでここにやってくるので、この時間帯だけは秘境駅とは思えない賑わいを見せるのでしょう。

これは記念撮影用においてある大きなボード。
海岸まで行くのをあきらめて駅に戻り、記念撮影をしちゃうともうほかにやることがないんですよ、小幌駅。

あとはときどき通過する列車を見るくらいなんですが、これが結構迫力満点なんですよ。
小幌駅はトンネルとトンネルの間のわずか80mの間にあるので、通過する列車はほぼフルスピード。

ホームも狭く短いので、トンネルから押し出されてくる風圧と轟音がすごいのです。

そして30分後、つかの間の秘境駅気分を楽しんだ人々は、札幌方面に向かう東室蘭行普通列車に乗り込んで帰っていきます。

さらにそのあとの列車が来るのは日も暮れたあとの2時間後。

本当はもう少しここにいたかったので、ヒールのマダムのひとりが下の海岸まで下りてしまい、獣道で迷ってたりしたら僕が代表でここに残って彼女を救いだし、ふたりっきりで誰もいない秘境駅をじっくり楽しもう、とか思ってたんですが、どうやらもれなく全員この列車でお帰りになるようです。

うーん、やっぱりここでひとりはキツいなあー

そんなわけで一番最後に僕を乗せた列車は、満員の乗客を乗せて日本一の秘境駅をあとにしたのでした。

でもこんなに人が多いと「日本一の秘境駅」の称号は撤回しないといけないですね。

<2016年10月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

小幌駅の基本情報

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イメージ(転用禁止)

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