今は西予市という名前になっていますが、愛媛県の旧宇和町は、かつて宇和島藩の領地で、街道ぞいの宿場町だったため、今でも町の中心部に古い町並みが残っています。
またここは米作の盛んな場所として藩の米蔵の役目を果たしていた「米」の町でした。
そんな旧宇和町へ町並みめぐりのつもりで行ったのですが、その「宇和米博物館」で偶然発見した「日本一長い廊下」がかなりワンダーだったのでご紹介しましょう。
卯之町伝統的建造物群保存地区
旧宇和町の最寄り駅は松山から特急で1時間ほどのJR予讃線の卯之町駅。
駅前には人気はないけど味がある商店街がありました。
この商店街から一本山側の道へ行き、古い町並みが現れたあたりが卯之町の伝統的建造物群保存地区と呼ばれるところ。
江戸時代には、宇和島藩の在郷町として栄え、白壁、うだつ、半蔀(はじとみ)、出格子など江戸中期から昭和初期の商家が立ち並んでいます。
すごいなあ、こんな伝統的建造物が貸家になってるんだ!
このいかにも老舗、という感じの雰囲気のある旅館は、江戸中期創業の「松屋旅館」。
よくみると、ここに滞在した人リストがなかなかスゴイ!
犬養毅に浜口雄幸、前島密に新渡戸稲造ですよ。
高校の日本史の教科書みたいですね。
開智学校ではなくて開明学校
町並みからちょっと外れて、やや小高い場所にあるのが開明学校。
ここは明治15年に建築された小学校で、日本の伝統的木造建築の中に洋風のアプローチ型の窓をとりいれたモダン建築で、国の重要文化財。長野県の松本にある重要文化財「旧開智学校」と昭和62年に姉妹館提携しているそうです。
館内は、明治時代を中心とした教科書を展示する教育資料館として利用されていて、明治・大正時代の授業が体験できる「明治の授業体験」を行っているそうです。
袴姿の先生による算術、読み書き、唱歌といった授業内容で、当時教科書として使用されていた掛図を使った楽しい授業ですよ。
受けてみたいぞ、明治の授業!
でもナイスミドル一人だと給食の時間とか寂しそうなので、また今度にします。
このあたりの雰囲気もとてもいいですね。
再び古い町並みを歩いて町はずれまで行くと、とんがり屋根のモダンな小学校が見えてきます。
これが宇和町小学校。
この小学校のさらに山側、高台にあるのが、旧宇和町小学校。
昔の宇和町小学校の校舎を移築し、「米どころ宇和」のPRのため「宇和米博物館」として平成3年にできた施設です。
日本一長い廊下をぞうきんがけ?
うーん、米の博物館か、あんまり興味ないけど建物がシブいから行ってみようか。
そんな感じであまり期待せずに入ってみます。
中には100種類を越える稲の標本をはじめ、明治時代以降の農具が展示してあります。
なるほど、ザ・米の博物館!
と、それだけなら、よほど農業に造詣がある方か、稲作オタクの方以外はあまり興味があるものだとは思えないのですが、ここの特徴は、この廊下。
なんじゃこりゃ!
百間廊下と言われているこの廊下は、木造校舎の廊下としては日本一の長さで、なんと109m、しかも廊下と土間の間には柱が一本もありません。
しかもこの長い廊下で、雑巾がけ体験&タイムトライアルができるんだそうです。
歴代最高タイムは男性:17.38秒、女性:24.24秒だそうです。
これで20秒。めっちゃはやっ!
なんと毎年、雑巾がけのタイムを競う「z-1」グランプリ(雑巾がけグランプリ!)が開催されていることでも有名だそうです(知らなかった!)
競技は、小学生以下、ダブルス、一般女子、マスターズ、一般男子に分かれていて、優勝者には米一俵が贈られるそうです。
芸能人の雑巾がけタイムの記録も!
40代男性の平均タイムは1分13秒。
かつてあのタニタの体力測定器でアスリートⅡ(プロアスリート並み)と認定された僕ですが、さすがに109メートルの雑巾がけはびみょーだな、と思っていたら突然、こんな声がかかりました。
そちらのナイスミドル、雑巾がけタイムトライアルはいかがですか?
え、ぼぼぼく?
そう、なんだか背中から自信が満ち溢れてますわ。
いやー、でも一人じゃ寂しいなー。競争相手がいないと…
では私がお相手しましょう。うふっ。
え、まさかそう来る?
僕がその挑戦を受けたかどうかは、こちらをどうぞ(笑)
<2015年7月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
「宇和米博物館(旧宇和町小学校)」の基本情報
「宇和米博物館(旧宇和町小学校)」への旅
僕の関係する会社です。予約はぜひこちらで!
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