静岡県浜松市の山奥にある「月」という集落を訪れたときに下車した天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅。
天竜浜名湖鉄道は「日本の原風景に出会う旅」をキャッチコピーにするレトロなローカル線。
その中心、天竜二俣駅は「登録有形文化財の駅」というとおり、なんとものどかな古い駅で「転車台・鉄道歴史館見学ツアー」という面白そうなイベントもやっていたのですが、その時は時間がなかったので、今回再訪しチャレンジしてみたのでした。
「転車台・鉄道歴史館見学ツアー」とは?
天竜二俣駅はこの天竜浜名湖鉄道(以下、天浜線)の本社もある中心駅。
古いながらも構内も広くて立派です。
ここで毎日イベントとして実施しているツアーが「転車台・鉄道歴史館見学ツアー」
特に予約も不要で、当日ツアー開始の10分前に駅の待合室にいれば参加できる、というとてもお手軽なツアーだったので、飛び入り参加してみたのでした。
参加費は大人200円、子ども100円、やっす!
それでこんな参加証ももらえるので、手間と材料費を考えるとほとんど無料みたいなもんですね。
商売というより、これきっかけに天浜線に乗って遊びに来てもらうためのイベントなんでしょう。
夏休みとはいえ、こんな平日に誰か参加者いるんだろうか、と思って半信半疑で行ってみると、いました、待合室にそれっぽい面々が。
親子づれ♂1組
おじいちゃんと孫♂1組
単髪強面のシニア鉄道ファン♂1人
アジア系(タイ?)の若いカップル1組
娘に「V6の岡田くんに似ている」と言われる爽やかミドルの僕
計8人。
じゃ~ん、こんな感じ。
ちょっとタイ人カップルとV6の岡田くん(僕)が入ってないかな。
天浜線運転区から転車台へ
ガイド役の駅員さんの案内で、まずは駅構内脇の歩道を通って天浜線の車両基地に向かいます。
車両基地に入る手前にあるこの高架貯水槽も文化財。
そしていよいよ普段は関係者以外立ち入り禁止の天浜線の運転区敷地内へ。
まさに古き良き時代の鉄道会社、という感じです。
以前、縁あって小湊鉄道の本社に行ったことがあるのですが、やっぱりこんな雰囲気だったような気がします。
洗って干された軍手がアートのようです。
これはかつての風呂場の跡。
残念ながら今はもう使われてないようです。
そんな施設が並ぶ中、一番奥に進むと、正面に見えてくるのが扇型機関車庫。
4編成分と、非常にコンパクトですが、今でも残っている場所は全国でも数えるほどしかなく、非常に珍しいものです。
そしてこの扇型機関車庫とセットになるのが、この転車台。
あ、もちろん扇型機関車庫も転車台もバリバリの登録有形文化財です。
転車台見学ツアーと銘打っているとおり、列車が実際に転車台で回転する姿を見られるのがこのツアーのポイント。
扇型機関車庫の1番から出てきた車両が転車台の上にすっぽりと納まると
そのままウイーーーーーンと回転して、4番の機関庫へと入っていきました。
ま、そういうことだよね!
お察しの通り、すんごい大感動があるわけではありません。
そもそも転車台というのは自力では方向転換できないSL用に作られたものなので、SLがここで方向転換すればもうちょっと感動があるのかもしれません。
そういえば大井川鉄道の新金谷ではそんな姿が見られるかも。
でもまあ、今では珍しくなってしまった鉄道文化財を、毎日タダ同然でこうやって動かしてくれるなんて、すごく親切ですよ、天浜線。
天浜線鉄道資料館へ
転車台の見学が終わると、次は天浜線鉄道資料館の見学。
運転区内の建物を改造したスペースに天浜線の前身、国鉄二俣線時代から現在の天浜線に至る鉄道資料が展示されていましたが、鉄道ファンじゃないとふーん、という感じ。
しかしこのツアーの参加者はみんな興味津々のようで、子どもたちは、あれはなに?これはなに?と駅員さんに質問しまくり、単髪強面のシニア鉄っちゃんは、懐かしい懐かしい、と涙を浮かべてつぶやきまくります。
そしてタイ人のカップルは・・・・・女の子がモデルみたいなポーズして中川礼二のパネルの前とかで写真撮りまくってます。
この鉄道資料館見学が終わると再び車両基地の中を通って天竜二俣駅に戻り、このツアーは終了。
所要45分程度のシンプルなものでしたが、200円だし、希少性はあるし、十分価値のあるツアーだったと思います。
天竜二俣駅のホームから見た車両基地。
なんといってもこの絵がいいんですよね。
以前この駅に来た時に、この眺めを見たからこそ、今回もう一度ここに来たのかもしれません。
帰りに天浜線で天竜二俣駅から掛川駅に向かう途中にも多数の有形文化財がありました。
この遠州森の駅本屋と上りプラットフォームも文化財。
待合室も雰囲気ありますね。
「日本の原風景に出会う旅」という天浜線のキャッチコピーに誘われてやってきましたが、そのコピーに偽りはありませんでした。
<2016年7月訪問>
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天竜浜名湖鉄道への旅
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