田舎館と書いて「いなかだて」。
いくら青森の、見渡す限り田んぼしかないド田舎（失礼…）にあるからって、その名前は堂々としすぎてるだろう・・・と昔から気になっていた場所でした。
今回弘前から黒石に向かう途中、たまたまバスで通ったのですが、田舎館、B級なのはその名前だけじゃなかった！
ということで、いろいろスゴいぞ、田舎館！という全力で田舎館を賞賛するお話です。
まさかの羽柴誠三秀吉のお城？
弘前から黒石に向かうのは、本来は弘南鉄道黒石線で行くのがメジャーなルートなのですが、その日はたまたま列車が少ない時間帯でした。
調べてみると弘前のバスターミナルから田舎館を経由して黒石に向かう、ちょうどいい時間のバスがあったので、それに乗ってみることにしました。
弘前のバスターミナルは、いかにも地方の中心都市にある、いい感じのバスターミナル。売店の看板には「酒・ウイスキー」、すぐ横には立ち食いそば。
このそば屋のたいやきがおいしそうで、思わず買ってしまいます。
これぞ旅だね！とか思いながらいい気分でバスに乗り込み、津軽平野ののどかな道をのんびりバスに揺られていると、窓越しに突然異様な建物があらわれたのです。
すわっ、これはまさかのあの青森の豊臣秀吉のお城か？
みなさん、覚えているでしょうか、青森が生んだ現代の秀吉、「羽柴誠三秀吉さん」を。
そう、兜をかぶって「羽柴（誠三）秀吉」の名前で全国の選挙に出馬しまくっていたあのお方です。
東京都知事選や大阪府知事選、夕張市長選や参院選など、のべつ幕なしに日本各地で立候補していましたが、地盤は青森の津軽地方で、羽柴企業グループの社主としてお城やら国会議事堂やらを模した建物を所有していた、というイメージがあったので、ここがそのひとつだと思ってしまったのです。
思わず次のバス停で降りてしまったのですが、そこが「田舎館」だったのです。
田舎館城はまさかの田舎館村役場！
バス停から戻ってみると門には「田舎館城」。
ますます怪しい！これは秀吉の仕業に違いない！
そう思って中に入ってみるとなんか秀吉と違う人のレリーフがあるぞ？
ん？田舎館村役場文化会館？
なんとこのお城は田舎館村役場の建物でした。
しかしなんだって村役場と言い秀吉といい、青森の人間はこんなにド派手なのが好きなんだ！
と思ったらかつてはこのあたりに城郭があったみたいですね。
ちなみに秀吉さんのお城は田舎館ではなく、金木町（太宰治のふるさと）あたりにあるようでした。
この田舎館村役場がお城になっているのは、天守閣の部分が展望台になっていて、そこから田んぼアートが見られるようになっているそうです。
今回行った時期はまだ田んぼアートの時期ではなかったのですが、田舎館は田んぼアートが有名なので、それもいつか見てみたいと思っています。
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田舎館駅の駅舎アートが想像の10倍スゴかった！
思わずバスを降りちゃったのですが、「田舎館」という地域の中心部っぽい名前のバス停のわりには周りに何もなく、次のバスは1時間後。しかたなく2キロほど離れた田舎館駅まで歩きます。
津軽地方によくあるリンゴの模様のガードレールの奧に線路が見えてくると、そこが田舎館駅。
駅前にあった「田舎館米発祥の地」の看板。
有名なのか？と思って調べてみたところ、それまで弥生時代の遺跡が発見されていなかった東北地方で、この田舎館から水田跡が見つかり、北方稲作文化における重要な発見となったのだそうです。
そんなわけで田舎館は古くからの稲作の盛んな場所。ということですね。
そしてこれが何の変哲もなさそうな弘南鉄道田舎館駅の駅舎。
ところがここがスゴかった！
駅舎の中に入るとこれですよ！
発車時刻表もあるので、間違いなく駅です。
これは近隣の平川市に住むアーティスト「ＧＯＭＡ」さんによって2020年に制作されたもの。
ゴミ箱もPOPすぎる！
前に何かのニュースで見て、田舎館に駅舎アートができたのは知ってたけど、ここに来るまですっかり忘れてました。
黒い油性マーカーだけで描いたものですが、その迫力に圧倒されました。
この駅舎アートが描かれたのは2020年の5月。最初の緊急事態宣言が発令された直後のことで、ニュースやネットで話題になっても、みんな現地に見に行くことはできませんでした。
でも、もうそろそろいいんじゃないかな？
田舎館、名前もスゴイと思ったけど、実際は想像以上にスゴイところです。
ぜひ田舎館に行ってみてください！
＜2022年5月訪問＞ 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
田舎館駅の基本情報
田舎館村への旅
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