新潟県燕市に、今なお残る昭和レトロなドライブインがあるという話を聞いた。しかもそこは名著「日本ボロ宿紀行」でも取り上げられたホテルも併設しているらしい。
なんと、レトロドライブインとレトロボロ宿の奇跡のマリアージュ!!
これはレトロ遺産マニア界の絶滅危惧種レッドリスト級の物件なだけに、まだ現役のうちに行っておかないと絶対に後悔するやつ、ということで全力で行ってみました!「公楽園」へ。
それは、廃墟ではなかった
「公楽園」があるのは、新潟県燕市の郊外。
燕市にはありますが、上越新幹線の燕三条からは少し離れていて、JR越後線の分水駅と粟生津駅のちょうど中間あたりにあり、公共交通機関で行くには少々不便な場所にあります。
コンディションがよければ、分水駅あたりから歩いて行ってもいいかな、と思っていたのですが、今回は旅の途中で、荷物も重かったので、燕三条からタクシーで行きました。おかげで往復7000円くらいかかったけど…
まあ、ドライブインであれば郊外の幹線道路沿いにあるほうが便利だけど、ホテルとしての需要はどうなんでしょうか?
ラブホテルであれば幹線道路沿いにあって、しれっとウインカー出せちゃうような場所にある方が便利なのですが、もしかしてそういう用途でも活用されているんでしょうか?
そんな想像もしつつ、タクシーを降りてみると・・・
これ廃墟ではありません。だってクルマも結構停まってますやん。
でも、これはラブホ利用はないわ。
入口にどどーんとあった「公楽園」の看板。
「ホテル公楽園」というべきか「ドライブイン公楽園」というべきか悩みますが、どっちもありって感じですね。
それにしても「ホテル一泊2.880円」という衝撃の価格!
そして「休憩(ノータイム1.200円)」という意味深な料金設定!
やっぱりただモノではないぞ、公楽園!
まずはレトロドライブイン「公楽園」へ
昭和レトロドライブインといえば、豊富な自販機コーナーと女・子供にゃ用はない!という感じのゲームセンター、と相場が決まっていますが、この公楽園もまさにそんな感じ。
そのゲームコーナーの鉄板は麻雀ゲーム!
勝ち進むと対戦相手?のバブリーな女子大生とかOLとかが
いやーん、もうメロメロォ~
とか言って勝手に薄着になっていくのですが、まあだいたい「もうちょっとで・・・」というところでコンピューターが本気出してくるやつですね。
東京に出たての頃、社会勉強として歌舞伎町で1晩30万使ったことのある僕は、もちろんそんな誘いには乗りませんよ。
そんな僕でもちょっと気になったのは、これ。
DVDの自販機ですね。
かつて昭和のドライブインといえば、妖しい本がたくさん並んでる自販機とかがあって、友達がよく買いに行ってたのですが、今や時代はDVDですね。
って、そうじゃない!
今やその役割をネット動画に奪われて、DVDもこの価格破壊!
ちょっと心揺れましたが、今日の目的はそういうことじゃないのでやめておきます。
そう、今日の目的は、これ。
レトロ自販機ですよ!
レトロ自販機の聖地は僕の育った群馬南部や埼玉北部に多いのですが、ここにも絶滅危惧種の自販機がいくつかありました。
レトロ自販機御三家のひとつ「トーストサンド」(ここにはありませんが、残りはハンバーガーとそば・うどん)。
300円入れると、アツアツのハムサンドとかチーズサンドとかが出てくるってシロモノです。
ちなみに新潟以北にこのトースト自販機はなく、一部のマニアからは「北限のトーストサンド」と言われているそうです。ロマンあふれますね。
この「愛あるスナック カップリーナ」ってのも、どんな愛が入っているのかめちゃめちゃ興味あったのですが、今回は初志貫徹でトーストサンドをランチにしました。
いよいようわさのボロ宿「ホテル公楽園」へ
いよいよあの「日本ボロ宿紀行」でも紹介された「ホテル公楽園」です。ちょっと怖い。
なんなら外観見るだけでもいいかな、と思っていたのですが、まさかの休憩1200円、しかもノータイム(意味わからないけど)。
もし部屋にレトロ麻雀ゲームみたいな女子が潜んでいて、
いや~ん、もうちょっとなのにぃ~
とか迫られても、あの日の歌舞伎町とは違って、全力で逃げても惜しい金額ではありません。
そんなわけで、勇気を振り絞って行ってみることにしました。
不在じゃん!
インターホンを押して管理人さんを呼ぶと
2時までですけどいいですか?
とのこと(あれ?ノータイムってなんなんだ?)。
まあそれほど長居するつもりもなかったので、そのまま利用することにして鍵を受け取り、ホテルとなっている2階に向かいます。
廊下、しぶっ!
クリーンの絨毯と、壁の模様が、ザ・昭和レトロ!
僕の部屋はとくに希望も聞かれず1号室にアサインされましたが、この「公室」ってなんだろう?
国会議員とかVIPがお忍びで来たらここに泊まるのでしょうか?
特別室もあるようで、同じ1200円ならこっちにしてほしかったぞ!
それでも1号室の中に入ってみると、意外ときれい(麻雀女子もいなかった!ちょっと残念)。
ベッドもちょっと小さいけど、その気になれば・・・(ならなくていい)。
ザ・レトロなソファーセットの向こうには、新潟の美しい田園風景が。
と思ったら、スクラップ工場ビューだったけど。
この部屋のスゴイところは、ボロ宿認定されているのに、ちゃんとバス・トイレ・シャワー完備なところ。
浴槽もキュートですね。古き良き昭和。
そして極めつけは、このビューバスなんです。
窓の外に広がる(こっちは正真正銘の)新潟平野の美しい田園。
せっかくなので、僕ももちろんお風呂に入って最高のビューバスを楽しみましたよ!
意外といいじゃないか、ホテル公楽園!
思わず、知人のレトロラブホ大好き女子に写真を送って、この感動をシェアしてみました。
ここ、ノータイム休憩1,200円なのにバストイレ完備だし、越後田園ビューバスだし、レトロラブホとしてもありなんじゃないかと思うんだけど、どうかな?
えー、1周回って楽しそうだけど、わたしベッド幅1800㎝以上じゃないとダメなタイプなのよね~
ということでした。
ベッド幅90㎝でもむしろ密着できてうれしい、というレトロラブホ好き女子の方になら、おススメかもしれませんね。
※実際の利用者は長距離ドライバーなどが中心で、ラブホがわり使えるかどうかは不明です・・・
<2022年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
ホテル公楽園の基本情報
公楽園への旅
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