伯耆富士(ほうきふじ)とも言われ、鳥取のシンボルでもある大山(だいせん)。その山麓に風祭おすすめスポットが2つあります。
ひとつは「植田正治写真美術館」。美術館と言っても、絵や彫刻は一切なく、そこにあるのはその名の通り「写真」だけ。
もうひとつは「仁王堂公園」。公園近くのレンゲ畑越しに見える大山の写真をどこかで目にして以来、行ってみたいと思っていたのです。
どちらも大山が壮大な借景となっているので、大山くんのご機嫌次第な部分はありますが。
修験道の聖地、大山寺
大山ビギナーが、まず訪れるべき場所は、霊山として崇められた大山の中心、「大山寺」。
大山寺前のバス停から続く参道には、食堂やお土産屋などが並んでいます。
大山の標高は1,729mですが、このあたりでもすでに標高約6~700メートル。桜もGWが満開という感じでした。
ちょうど一瞬雲も途切れて、大山の荒々しい山容が姿を見せてくれました。
大山は伯耆富士とも言われる美しい山ですが、見る角度によっていろんな表情になりますね。
振り返るとはるか眼下に見えるのは米子の町と日本海。
こう見るとやはり大山はまわりに山一つない単独峰なんですね。
修験道の修行道場として栄えた大山寺。今はその面影はありませんが、最盛期には100を超える寺院と3000人以上の僧兵をかかえていたそうです。
大山寺のさらに奥、大神山神社奥宮に行く途中でさっそく修験者を発見!
さすが大山、現代でも修験道は健在なんだな!
と思ってよく見たら、なんだか頼りなさそうな山伏だぞ。。。
なんかC-C-Bの人みたい!
(ボーカル&ドラマーの笠さん、亡くなっちゃいましたね。ご冥福をお祈りします)
でもこんなGWにわざわざ修行するくらいだから、相当煩悩を振り払いたいに違いありません。ごめん、俺にはまだできない・・・
植田正治写真記念館の「逆さ大山」
大山を望む広大な平原の真っただ中に、突如現れるアートな建物が「植田正治写真美術館」。
植田正治さんは、世界でも注目された写真界の巨匠。
鳥取に生まれ、山陰の空や地平線、そして砂丘を背景として、被写体をまるでオブジェのように配置した植田さんの演出写真は、写真誕生の地フランスでUeda-cho(植田調)という言葉で紹介されたほどなのだそうです。
実は植田正治という写真家を僕は知らなかったのですが、それでもここに来てみたかった理由はこれ。
建築家、高松伸さんの設計による建物のロビーからは、目の前の大山が、まるで展示されている写真作品そのもののようにあるのです。
晴れていれば、ここに見事な逆さ大山が浮かび上がります。
この日は残念ながらはっきりとした逆さ大山は望めなかったのですが、こんな遊びゴコロのある写真も撮れます。
植田さんは、人をオブジェのように配する「演出写真」とよばれる独特の技法で世界に知られましたが、鳥取砂丘を舞台にした「砂丘シリーズ」はその代表的なもの。
植田さんは砂丘を壮大な背景に見立てて、シルクハットにステッキ姿の正装の男性や、傘をさした女性を意図的に配置し、のちのモード写真のような前衛的な作品を数多く残しているため、ここでその植田正治写真ごっこができるようになっているのです。
たとえばこーんな感じ。
まままさか、風祭さまの大山の女?
と夜中の2時に嫉妬に狂いそうになった貴女。
スミマセン、知らん人です。。。
館内には映像展示室があり、その壁面には世界最大規模のカメラレンズが設置されています。
そのためこのシアターそのものがカメラの内部構造となっていて、今、目の前にある大山が(構造上逆さになって)常に映し出されています。
この映像展示室では植田さんの生涯を紹介する映像が流されているのですが、これがよかった。
最後までアマチュア精神を抱き続けた植田正治さんの作品は全然難しくなくて、むしろなんだかほんわかしました。
作品そのものは撮影禁止なので紹介できないのが残念です。
仁王堂公園の「レンゲ大山」
以前どこかで見て、ここに行ってみたい、と思った写真が、これ。
それはちょうどGWの頃、大山山麓の仁王堂公園というところで見られるという、大山と一面のレンゲ畑の写真でした。
いいじゃないか、仁王堂公園!
きっとそこには神戸からきたJ・D・サリンジャー好きの女子(28歳)がいて、「レンゲ畑でつかまえて」ごっことかできるに違いない。
ということで最寄りの大山口駅まで行ってみます。
駅前に立つと、小さなメインストリートの先には、あの写真と同じ感じの大山の姿が。
おおおおお、ホントだ!
待ってろよ、J・D・サリンジャー女子!
もうすぐつかまえに行くからな!
大山口駅からバスに乗って10分、仁王堂公園前で降りると確かにあの大山。
でもレンゲ畑、ないんですけど!
仁王堂公園には大山一円の守護神と言われる妖怪カラス天狗の伝説があり、園内にもこんな感じのカラス天狗がいるのですが、僕が探してたのはJ・D・サリンジャー好きの文学少女なんですけど!
せっかくここまで来たのにそりゃないぜ!と思いながら園内をぐるぐるまわりますが、レンゲ畑はどこにもありません。
まあ公園から望む大山はめっちゃきれいなんですけどね。
もう一度例の写真と見くらべてみます。
手前の山の角度と、向こうに写ってる家の感じがちょっと違う。
もっと大山に近づいて、東(左)から眺めた感じに違いない!
とバス通りをずんずん大山に向かって歩いていくとなんかうっすらピンクっぽいのがあるぞ。
これか?
うーん、なんだか思ったよりレンゲ畑広くないし、色もちょっと陰りかけてる感じなんだけど。
「レンゲ畑でつかまえてぇ~」と僕を待ってる感じの文学女子もいません。
でもまあ、近くにあった大山郵便局がカッコよかったからいいか。
近くの坊領という集落もカッコよかったです。
午前中はちょっと曇ってたけど、午後はくっきりと晴れた大山を見られたので良かったことにします。
<2019年4月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
植田正治写真美術館/仁王堂公園への旅
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