僕の大好きなハンバーグレストラン「びっくりドンキー」。
北海道で大学生活を送っていた遠い昔に札幌で初めて見かけて、その後、通いつめていたチェーン店だったので、すっかり北海道発祥のレストランチェーンだと思っていたのです。
というかみんなそう思ってますよね?
ところがその原点となった創業の店は、北海道ではなく盛岡にある、ハンバーグレストラン「ベル」だった、ということを知り、一度行ってみたかったのです。
びっくりドンキーは北海道が発祥じゃなかった!
僕がまだ大学生だった30年以上前、北海道の札幌に住み、初めて「びっくりドンキー」という聞いたことのないハンバーグレストランに行った時のことです(最初はたぶん地元の先輩か友達が連れて行ってくれたのだと思います)。
まあとりあえず最初はこれを食え、とすすめられたのがチーズバーグディッシュ。
なにこれ、マジうまい!
当時はまだ、ハンバーグといえば、自炊で食べるレトルト食品か外食でマクドナルドか、くらいしか選択肢がなかった僕にとって、このジャンクなおいしさは衝撃でした。
肉汁はあまり感じないけどなぜかジューシーな味付け。うまく切り分けるとハンバーグの空白部分をだいたい埋められるチーズ。謎の配合で絶妙にうまい野菜のドレッシング。おまけにコーラとかパフェもめちゃめちゃデカくて、学生にとってはお得感あふれるお店でした。
以来、僕はすっかりびっくりドンキー(以下、びくド)のファンとなり、今でも札幌に行けば、滞在中一回は食べられるようチャンスをうかがうし、なんなら家から徒歩20分で行ける東京の青梅街道店ではまあまあ常連です。
当時、びくドは札幌近郊にはたくさんお店があったのですが、北海道以外ではほとんど見かけず、本社も札幌なので、ずっと北海道発祥の企業だと思っていたのです。
ところがその創業の地は盛岡で、その発祥となったお店がまだ残っている(しかも別の名前で)ということを知り、ぜひ一度チーズバーグディッシュの食べくらべをしたい、と思っていたのでした。
ハンバーグレストラン「ベル大通り店」は、びくド1号店
その、ハンバーグレストラン「ベル」は、盛岡の中心商店街「大通」からすぐ近くにあります。
なんだかバブル時代に建てられたディスコ(クラブではない)みたいな外観の建物が見えたら、それがベルです。「ベル」ってでっかい看板があるので誰でもわかりますが。
このお店のことを何も知らなかったら、ちょっと一見で入るのは躊躇しちゃうかもしれませんね。
しかし入口の横にはびっくりドンキーのメニューとともに、こんな看板が掛けられています。
ご存知でしたか? ”ベル”がびっくりドンキーのふるさとなのです
とたんに下がる心理的ハードル。びっくりドンキーファンを温かく受け入れてもらえるんですね!
そんなわけで、いざ、店内へ。
キャッシャーまわり、まんまびくドですね。
というか、この「ベル」こそがびっくりドンキー1号店なのです。本来は「びっくりドンキー盛岡大通り店」といった感じの名称であるはずなんですが、ここだけが例外的に「ベル」という名前を許されているのです。
「ベル」から「びっくりドンキー」へのヒストリー
びっくりドンキーの元祖は1968年12月、盛岡市内に誕生したハンバーガーとサラダの店「べる」。
13坪のこぢんまりとしたお店は、現在の場所とは違ったところにあったそうですが、やがてそれをハンバーグレストランに業態転換、今の場所に移転し、現在のびっくりドンキーの原型ができたのです。
これが、1973年当時のベルのディッシュメニュー。
もうこのころから、今のチーズバーグディシュの原型ができてたんですね!
この「ベル」の業態が成功し、その後「びっくりドンキー」の名で全国へ展開することが決まったのですが、1972年の開店以来、盛岡のお客さんには「ベルさん」と呼ばれ親しまれていたことから、店の名前は「ベル」のまま変えずに営業しているのだそうです。きっと全国でここだけけなんでしょうね。
びっくりドンキーの北海道1号店は札幌西野店ですが、本当の1号店は、ここ「ベル」なんですね。
盛岡が発祥なのに、なぜ北海道に本社を移して展開したのか、その理由はわかりません。創業者が僕と同じでHOKKAIDO LOVEな方だったんでしょうか?
「ベルさん」のチーズバーグディッシュ
そんな「ベルさん」の店内。
木材が多用された店内の雰囲気は、びっくりドンキーの定番ですが、ここは2階席があるため開放的。
店内ではマダムのおひとりさま利用が目立ちました。これは他のびくドではあまりみないパターンですね。
ちょっとベルさんでランチしてこようかしら
盛岡ではずっと昔からこんな感じで利用されているのかもしれませんね。確かに店名変えられない!
ちょっとびくドでランチしてこようかしら
エレガントさが120%くらい違いますもんね!
2階へ上る階段の途中に、ベルの歴史を伝える資料が展示されています。
びっくりドンキーでは、店舗ごとに店づくりのテーマを決め、お客様に楽しんでいただける趣向を凝らした独創的な店づくりが特徴ですが、それもこの「ベル」を出店したときに、スタッフみんなで内装を手がけたことが原点になっているのだそうです。
そして予定通りチーズバーグディッシュを注文。
うん、びくドのチーズバーグディシュ150グラムそのものですね。
あえて違いがあるとすれば、伝票の店名だけかな。
ここで食べると、同じメニューでもなんだかいつものびくドよりおいしく感じる、という人もいますが、味はどこでも安定のおいしさなので「ベル」でも「びくド」でも変わりません。
それでも僕の大好きなチーズバーグディシュが生まれた場所で味わえたのは幸せな体験だったし、なによりも「ベルさん」が盛岡の市民に今でもすごく愛されていることを知り、うれしく思いました。
ここはこれからもずっと、このまま「ベルさん」であり続けてほしいですね。
<2023年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
ハンバーグレストラン「ベル」への旅
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