上野あたりの駅にいると、よく常磐線の「勝田行き」という列車をみかけるのですが、勝田とは水戸からひとつ先、現在は合併してひたちなか市と呼ばれている町の駅。
ある年の春、そのひたちなか市民球場に高校野球を見に行ったことがあり、そのついでにひたちなか海浜鉄道に乗ってみたら予想外に面白かったというお話です。近くにネモフィラで有名な国営ひたち海浜公園もあったので併せて行ってみましたよ!
ひたちなか海浜鉄道、初乗車!
ひたちなか海浜鉄道は常磐線の勝田駅から阿字ヶ浦駅までのわずか14.3kmの短い鉄道路線。
勝田駅のホームの端っこから出ているひたちなか海浜鉄道に初乗車です。
途中の那珂湊の駅にレンタサイクルがあるようなので、そこから今回野球観戦するひたちなか球場まで自転車で行くつもりですが、せっかくなので少し早めに出て、終点の阿字ヶ浦駅まで行ってみることにしました。
阿字ヶ浦までは約30分で到着します。
この、ひたちなか海浜鉄道の駅名標には、漢字の中に各駅の名物や特徴を示したイラストが描かれていて、この阿字ヶ浦の駅名標には近くにある温泉、釣り針と海藻、そして茨城の代表的な鍋食材である、あんこうが描かれているんだそうです。
ホームには、かつてここを走っていて引退した古い気動車が留置されています。
おおお、なかなかいいぞ、ひたちなか海浜鉄道!
5月の午前8時の光が、古い気動車をやさしく包みこんでる姿にこんなところで出会えるとは思ってもいなかったぞ!
想像以上にいい雰囲気だったので、折り返しの勝田行きを一本見送って、30分くらい阿字ヶ浦を散策してみることにしました。
東洋のナポリ?阿字ヶ浦
阿字ヶ浦駅前から続く狭い通りをしばらく行くと、海が見えてきました。
海岸通りへと続く道。
ずっと昔、夏休みに行った海水浴の朝みたい。
まだ5月なんですけどね。
やがて東洋のナポリと言われる阿字ヶ浦の海岸へ。
東洋のナポリ!!!
阿字ヶ浦、ナンボなんでもそれはちょいと言いすぎでないかい?ナポリには行ったことないけどさ。
しかしまあ今は釣り人しかいませんが、夏は海水浴場として大変賑わっていて、かつては上野からこの阿字ヶ浦まで直通の急行列車が出ていたほどなんだそうです、東洋のナポリ。
なんかすごくいい感じの家族連れを見つけたので撮ってみました。
今まで僕は純粋に風景だけを撮るために、できる限り人の姿が入らないよう入らないようチャンスを伺ってシャッターを押してたんですが、たまにはこういうのもいいですね。
そんなわけでこれからは絶景そのものじゃなくって、絶景をカメラにおさめる自撮り女子とかインスタ女子とか傷心ひとり旅女子にも積極的にピントを合わせて、写真に物語と奥行きを埋め込みたいと思います。。。
けっこう頑張るひたち海浜鉄道
阿字ヶ浦の駅まで戻って、勝田行きに乗り、沿線の中心駅、那珂湊へ。
おおお、駅名標にネコが!
ここにもネコ駅長とかいるのか?と思ったらこの那珂湊駅に住むおさむくんという駅猫がいるんだそうです。
駅猫ってびみょーですけどね。駅長みたいな肩書もなく、給料とか年金とか社会保険とかもきっとないので、そのうち新たな人生を求めてどこかに放浪の旅に出ちゃったらこの駅名標、どーするんでしょうか。
この那珂湊駅には車両基地があり、現役退役も混ぜ込んだ色とりどりのいろんな車両がありました。
車両ファンには垂涎の駅なのではないでしょうか。
古きよき、いい駅舎ですね。
このひたちなか海浜鉄道、一見すると青色吐息で今にも息絶えそうに見えるのですが、実は地方のローカル線としてはかなりいろんな工夫をして頑張っている鉄道のようで、最近は赤字ローカル線再生の成功例のひとつとして名前が挙げられるようになってきました。
ちょっと見るだけでも和歌山電鐵ばりの駅猫、いすみ鉄道ばりの古いキハ車両保存、そして銚子電鉄ばりの物販。
全国のローカル鉄道のいいところをぜーんぶ取り入れてますよね。
そして何よりも地元に密着して、観光客だけじゃなくて地元客の利用も増えてるようです。
終点の阿字ヶ浦から、現在人気絶頂の観光地、ひたち海浜公園までの路線延伸計画もけっこう本気で考えているようで、実現したらすごいことですよね。
頑張ってほしいと思います。
車両基地のケハとかマカとか
駅を出てレンタサイクルで球場に向かう途中、裏通りに入るとこんな看板が。
駅名標と同じ文字デザインですね。
これは行かなくちゃでしょ。
駅のホームからも見えたのですが、那珂湊の駅には使ってるのか使ってないのかわからないようないろんな種類の車両が留め置きされています。
これが阿字ヶ浦の駅にもあった「キハ」ってやつでしょうね。
これは何だ?これが「ケハ」ってやつなんでしょーか。
「ケハ」はきいたことないなー。
「マカ」は最近気になるけど。。。
・・・あとで調べてみると、やはりこれが「ケハ」で、この車両に乗ると、わきあがるパワーを実感できるようです。違うか。
さて、パワーをビンビンにチャージしたところで先に進みます。
線路沿いにしばらく走ると、線路と国道245号線が立体交差するガード下に駅がありました。
ここが「高田の鉄橋」駅。
ここも駅名標のデザインがいいですね。
2014年、このひたちなか海浜鉄道に52年ぶりにできた新駅として話題になった駅のようです。
一時は廃止も取り沙汰されたローカル鉄道が復活して新駅までできてしまうのは極めて珍しく、地方鉄道再生の模範として語られることも多いのだそうです。
さすがマカのパワー、じゃなかったケハのパワー!
国営ひたち海浜公園のちょっと遅いネモフィラ
ひたちなか市民球場からそう遠くないところに、国営ひたち海浜公園があるので、帰りにちょっと行ってみました。
ここは5月のGWの時期にはネモフィラ人気で大混雑するところ。
この日はネモフィラもピークは過ぎてたので、日曜日とはいえ、ずいぶん落ち着いた感じになってました。
それでもネモフィラの丘に行ってみると、あら、まだ多少残ってるじゃん。
場所によっては、まだ咲いているネモフィラもありました。
ネモフィラのシーズンのあとは、この先の緑の丘がコキアというモコモコした植物で埋め尽くされ、それはそれでまた大変な人気なんですが、それにはまだまだ早かったみたい。
阿字ヶ浦の海岸でたまたま家族連れをファインダーに入れたら、いい感じで物語ある写真が撮れたので、ここでもネモフィラを撮るふりをしてネモフィラ美女をコレクションしてみることにしました。
あー、ネモフィラを狙う一眼女子を狙ったら、お母さん入っちゃったのでモザイクぬりぬり。
こんなことばっかりやってたので写真の神様の怒りをかったのでしょうか、帰り道で自転車のカゴに入れていたデジカメを落してしまい、僕のお気に入りのNIKONが動かなくなってしまいました。
あー、このシリーズもう生産してないのに。。。
スミマセン、写真の神様。
これからはまた風景写真に専念します。
<2017年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
ひたちなかの名産
ひたちなか海浜鉄道への旅
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