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青森県の津軽地方にある小都市「黒石」。
ここには「こみせ」と呼ばれる独特のひさしが続く古い町並みがあります。
ただそこに存在しているだけでも情緒にあふれているこみせ通りですが、特によく晴れた朝や、雨に濡れた夜がとても幻想的で、僕は滞在中なんどもなんども歩いたのでした。
「こみせ」とは
「こみせ」があるのは青森県の黒石市。弘前から弘南鉄道黒石線で40分ほどのところにある小さな町です。
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黒石駅から15分ほど歩くと町の旧市街となり、その中心に「中町こみせ通り」があります。
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「こみせ」というのは通りの両側の歩道に付けられた木造の屋根のこと。
建物の表通りに設けられたひさしを、青森県や秋田県では「こみせ」と呼んでいますが、同じものが、新潟では「雁木」と呼ばれています。僕も上越市の高田や阿賀町で見かけたことがありますが、共通するのはどこも豪雪地帯だということ。こみせの空間は、積雪時の歩行通路として作られたのだそうです。
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江戸時代、弘前藩黒石領主であった津軽信英(のぶまさ)が町割りを行った際に作ったものがほぼそのままの形で今に残っているため、「日本の道百選」、「重要伝統的建造物群保存地区」にも選定されています。
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早朝、雨上がりでキラキラと輝く誰もいないこみせ通り。まるで知らない時代の知らない場所に迷い込んだかのようでした。
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松の湯交流館と黒石の英雄「ビンテージ消防車」
中町こみせ通りの中心にあるのが「松の湯交流館」。
名前のとおり、屋根を突き抜けた巨大な松の木が印象的なこの建物は、かつては地域の人々に愛された銭湯でしたが、現在は市民と訪問者のための交流施設となっています。
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中に入ると観光案内所的なブースや畳敷きのフリースペースのほか、当時の銭湯の浴場もそのまま残されていました。
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おなじみケロリンがあるのはまあいいとして、その横にはなんと「SNSで顔出しNGの方のためのうちわ」が用意されているという心遣い!
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たとえばこういうやつ。
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わたし顔出しNGなので混浴してます
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ちょっと何言ってるかわからない
次回はぜひ黒石のこみせ美女と一緒に混浴しながら顔出しNGしてみたいものです。
松の湯のナナメ向かい側にあった「黒石市消防団第三分団屯所」
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建物もめちゃめちゃカッコいいのですが、この車庫にあった消防車がスゴイ!
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黒石の英雄と呼ばれる「ビンテージ消防車」はNISSANのFS780。現役ボンネット消防車だそうです。
黒石、こみせ通りだけだと思ったら、柔軟取り交ぜてなかなかやりますな。
ちなみに今回泊まったのはこの「中村旅館」。
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元遊郭だったこの宿も、すごくいい味出してました。
「黒石つゆやきそば」と夜のこみせ通り
黒石と言えば「つゆやきそば」も有名です。
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「黒石つゆやきそば」は全国のB級グルメの頂点を競う「B-1グランプリ(R)」で何度も上位入賞したことで知っている方も多いと思います。
せっかく黒石に来たので、一度は食べないと、ということで夜の街に出かけてみたのですが、黒石のお店は閉店時間が想像以上に早く、ガイドブックに出てくるような有名店は8時を過ぎると軒並みクローズ。
そんなわけで(スナック街を除いて)旧市街で唯一開いていた中華屋さんに「つゆやきそば」という文字を見つけて入ってみました。
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そして出てきたのが、これ。餃子とか小ライスとかついてるので、太麺のラーメンですか?って感じですよね。このお店みそラーメン屋さんだし。
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もともと黒石には製麺所が多く、太めの乾燥麺を茹で、醤油で炒めた「黒石やきそば」が市民のソウルフードでした。つゆやきそばの発祥は諸説あるようですが、市内にあった「美満寿」という食堂が、学校帰りの中高生に寒い日でも温かいものを、と黒石やきそばにそばつゆをかけて「つゆそば」として提供したのが始まりとされています。
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黒石つゆやきそばはほんのりとしたソース味が特徴ですが、これは現在「元祖つゆやきそば」を名乗る「お食事処 妙光」の店主が、ソース系の焼きそばを調理中に誤って醤油ラーメンのスープに入れてしまったことから生まれたと言われています。
そう考えると別にラーメン屋さんでつゆやきそばが出てきても全然問題ないですね。実際おいしくいただきました。
帰りにレジで支払いをしていると、近くにこんなの売ってたので思わず買っちゃいました。
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はい、つゆやきそばとはあんまり関係ないですけど。
帰り道、雨が降り出していましたが、そのこみせ通りがまた素敵でした。松の湯も「混浴うちわ」があったなんて想像もつかないほど幻想的!
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こみせの下を浴衣着て、草履をパタパタ言わせながら混浴帰りに女の子と歩けたら最高ですね。
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黒石には結局2泊しましたが、晴れた朝も雨の夜も、こみせにはいくつもの表情があったのでぜんぜん飽きませんでした。
<2022年5月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
黒石こみせ通りの基本情報
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黒石こみせへの旅
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