埼玉県の秩父市は、レトロな街並みが残っていたり、かつての遊郭街の一画が、今なおほんのりと妖しい香りを漂わせているちょっと魅力的な町。
その秩父の郊外に、知る人ぞ知る、関東屈指の昭和遺産が残っているのです。
それは「ホテルニュー高瀬」。回転ベッドが今でも現役で活躍する、めちゃめちゃクールでちょっと哀愁のあるレトロなラブホテルです。
その外観、まるで伊豆高原のログハウス?
ホテルニュー高瀬があるのは秩父鉄道の秩父駅や西武秩父駅から4キロほど離れた場所。
秩父市街の国道から地域の生活幹線的な道に入り、左手の雑木林と右手の横瀬川にはさまれた、なんの変哲もない場所に突然現れる「ホテルニュー高瀬」の看板に導かれるように敷地内へ入ると、そこは想像以上に広大な空間でした。
最初に和室と洋室を選ぶようになっています。
そこから奧の洋室に向かうと敷地内を流れる川を渡るのですが、この赤い欄干が背徳感たっぷり。
まるでこの先に行くともう戻ってこられない異界であるかのような雰囲気を醸し出しています。
しかしその先に現れたのは、まるで山岳リゾートのコテージような瀟洒なストリート!
あんなに背徳感たっぷりだったのに、なにこの伊豆高原感!
(なお、女子のコメントはイメージです。。。)
建物はすべて戸建てのコテージで、1棟1組。
専用のガレージから誰にも会わずにお部屋に直行できるので、プライバシーも完璧ですね。
ガレージの奧にある玄関を入ると、2階へのアプローチもすごい。
今回利用したのは洋室の5号室。それはこの部屋にすごいものがあるからなのです。
ムダにカッコよすぎるお部屋の調度品
部屋のドアを開けると目の前にどーんと現れるのが、これ。
そう、このお部屋には今や絶滅危惧種となった回転ベッドが現役で活躍しているのです。
ホテルニュー高瀬には、この洋室の5号室と和室の8号室の2室だけに残っている、ということでどうしてもこのお部屋に来てみたかったのでした。
でも回転ベッドって何のためにあるのかな?
このベッドで回るとどうなるものか、危ぶむなかれ。迷わず回れよ、回ればわかるさ(わかるのか!?)
ベッドのわきにはデザイナーズチックな椅子。これもムダにカッコいい。
ムダにカッコいいシャンデリア。
そしてベッドの上のムダにカッコいいオーディオセットとムダにかわいい避妊具。
料金設定もシンプルですね。お泊まり7000円なら今度はぜひゆっくり泊まってみたい。
お風呂は赤と金の世界
今すぐにでも回りたい欲を押さえて、次に浴室を探検します。
そこは赤と金の世界。
金色のまあるい浴槽と快楽のための多目的な椅子。
本来は背徳感を感じる仕様のものっぽいけど、1周回ってカッコよすぎる!
そしてこれが浴室と客室をつなぐヴィーナス。
ふたりがお風呂に入っている様子も、ベッドで回っている様子も、すべて彼女には見られてしまいそうですね。これはちょっと背徳感あるかな。
背徳感好きなんですか?
昭和のラブホといえばやっぱり背徳感でしょ!
回る回るよベッドは回る
せっかくですので、ベッドで回ってみました、じゃなかった、回してみました。
枕元にある回転操作盤。
このスイッチをONにするとまるで中島みゆきさんの名曲「時代」のようにまわり始めるのです。
いやー、ベッドの周りでチカチカ光るライトがロマンチックですね!夜に回してみたかった!
本当はこのあと自分もベッドに乗って回ってみたのですが、きっと30年前だったら日本一回転ベッドが似合っていただろうナイスミドルが昭和遺産ホテルでひとり回ってる姿を見たら、背徳感で卒倒しそうなファンが35万人くらいいそうなので、その動画は自粛します(笑)
その代わりと言ってはなんですが、僕がこのホテルに入室したシーンを動画でお送りしますので、「昭和遺産ホテル見てみたーい」と、レトロ好き女子のふりして憧れのナイスミドルとうっかりラブホテルに同伴しちゃった気分でぜひ一緒に背徳感に浸ってみてください。
昭和、平成、そして令和と時代を越えて、ここで幾千もの男女が妖しいライトを点滅させながら回ったことでしょう。
そこにはきっと楽しいことも、哀しいこともあったに違いありません。
今もかろうじて生き残るそんな記憶の証人を眺めながら、ここでどんな物語が紡がれたのか、そのひとつひとつを想像して、ちょっと切ないような気分で部屋をあとにしたのでした。
<2022年3月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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