大阪と奈良の県境にある生駒山周辺には、昭和レトロでワンダーなスピリチュアルスポットがあります。
奈良県側は、生駒山宝山寺(生駒聖天)とその参道に広がる生駒新地。大阪府側は石切神社とそれに連なる石切参道商店街。
1日で両方いっぺんにめぐると、霊験あらたかすぎて逆にぐったりしちゃうくらいのパワースポットですよ!
宝山寺(聖天さん)の精進落としの地「生駒新地」
生駒ケーブルや生駒山上遊園地に行った帰り道、ちょっと寄ってみよう、というくらいの軽い気持ちで訪れた、生駒山の中腹にある宝山寺。
商売の神様を祀る日本三大聖天のひとつで、古くから「聖天さん」と呼ばれ親しまれています。
もともとは修験の場として開かれたこの寺を、1678年に宝山湛海が中興し、歓喜天を祀ったことにより発展し、般若窟と呼ばれる大岩壁を背景に本堂、聖天堂、多宝堂、絵馬堂などが並んでいます。
境内は山岳寺院ならではの独特の雰囲気がありますね。
参道の向こうに奈良盆地の町並みが広がっているのもカッコいい。
でも、本当にすごいのはここから先だったのです。
参道をさらに下ると、階段沿いに商店や旅館が並ぶ「聖天通り」に入ります。
そして見えてくるのが、この有名な「観光生駒」の看板。
え?知らない?そんなに有名じゃないのかな?
この看板、僕は何かの本やサイトで何度も目にしたことがあったような気がするのですが、独特の言い回しなので強く記憶に残っているのでしょうか。
けれどもここに来るまですっかり忘れていたことがあります。
それは、ここがかつての(そして今も)聖天さん参りのあとの「精進落とし」の場所であったことを。
精進落としとは、一般的には葬儀や火葬の後に遺族や親戚を中心にしておこなわれる会食のことを指しますが、神社や寺に参詣が終わった後に門前の遊郭などで遊行することも精進落としと呼ばれていました。
僕のバイブルのひとつである、この「遊郭に泊まる」の中で、この生駒の精進落としのことも書かれていたのです。
精進落としは、かつては伊勢参りのあとの「古市遊郭」や金刀比羅宮の「琴平遊廓」など多くの場所で行われていましたが、今でも門前でこうした遊郭旅館が営業しているのはこの生駒新地だけだと言います。
昭和30年前後の最盛期には70件近い旅館があったそうですが、コロナ禍もあり廃業がすすんだのでしょうか、ほとんどが塗りつぶされています。
それでも残った数軒の旅館では、今でもひっそりと精進落としが行われていて、かつての遊郭遊びのように一晩寝食を共にして過ごすこともできるようです。
精進落とし、めちゃめちゃ風流!「見返り柳※」とかやってみたいぞ!
ちょっと心惹かれましたが、気づいたのが遅すぎましたね。一応僕も忙しいのでスケジュール詰まってたんですよ。
※見返り柳(みかえりやなぎ)とは、遊廓の入り口付近に生えた柳の名称。遊廓で遊んだ男が、帰り道に柳のあるあたりで、名残を惜しんで後ろを振り返ったことからそう呼ばれています。
石切さんへのディープな参道「石切参道商店街」
そんなわけで生駒トンネルを抜けて大阪に入り、もう一つのスポット「石切」へと向かいます。
近鉄の石切駅を降りると、すぐに石切神社への参道商店街となりますが、こちらからだと下り坂なので楽なのです。
石切神社に行くだけなら「新石切駅」のほうが近いのですが、参道商店街を抜けようと思うと、石切駅まで上り坂が続きますのでご注意ください。
石切参道商店街は狭い参道の両側に飲食店、食品、占い、漢方薬、衣料品、日用品など雑多なお店が百数十軒も続く、レトロな商店街として知られています。
別名「占い商店街」とも言われる通り、特に目立つのが、スピリチュアルなお店。
沿道の石切不動明王で護摩焚いてます。
めっちゃ目立ってた豊八大黒殿。
実は僕は人生で一度も占いをやってもらったことがないので、今思えば一度やってみてもよかったですね。
僕の恋の行方はどうなりますか?
人間、胸いっぱいの愛があればきっと大丈夫。うふっ
今持ってるロシアの投信、買値から五分の一になっちゃったんですけど、今後はどうでしょう?
どっちみちもうこれ以上下がりようがないから塩漬けね・・・うふっ
じゃあ地球温暖化について何を取り組めばいいでしょうか?
結局のところ、2050年までに脱炭素社会を実現させることが肝要よ、うふっ
そんなんでいいのか!占い商店街!(実際は占いやってません)
石切神社に近づくと占い屋からお土産屋さん、飲食店が目立ち始めます。
これもいい味出してるお店ですね。お面とか買う人いるのかな?
こんなお店が増えてくると、ほどなく石切神社に到着します。
石切神社はでんぼ(腫れ物)の神様
石切神社の正式な名称は「石切劔箭(いしきりつるぎや)神社」。
「石切さん」と親しみを込めて尊称され、関西で病気平癒と言えば「石切さん」と言われるくらい有名な神社で、特に腫れ物(でんぼ)の神様と言われ、癌封じなどの大病にもご利益があるとされています。
ここはお百度参りが有名で、境内では熱心に百度石を往復し、お参りしている参拝者がいるようです。
僕は今のところ腫れ物はないので、さらっとお参りを終えましたが、百度石の上部は多くの人に撫でられて丸みを帯びていて、人々の、この神様への願いの強さを現していました。
石切の大阪で一番うすいビル
パワースポットとかスピリチュアルスポットとは全然関係ないのですが、石切にはもうひとつ行ってみたい場所がありました。
それがこのビルディング。
うっす!!!
以前、長崎でも下の写真のめちゃめちゃうすいビルを発見して、これが日本一うすいビルか?と思っていたのですが、なんか石切さんのほうがうすいかも。
うーん、いい勝負ですかね。
長崎のビルにはちゃんぽん屋さんが入ってましたが、このビルはたいやき屋さんでした。休みだったけど。
トライアングルという名前のとおり、三角形になっていて、裏側から見るとそれなりに幅がありますね。
それでもこのビルの存在感はある種パワースポット認定してもいいかな、と思えるものでした。
パワーもらいすぎてむしろ疲れた1日になっちゃったな。
<2022年7月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
生駒新地聖天通り/石切参道商店街の基本情報
生駒新地への旅
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