「いかほ温泉 日本の名湯」
群馬県人ならだれでも知っているご当地かるた、「上毛かるた」の「い」の句でもこう詠まれる伊香保。
温泉街の長い石段はみなさんも見たことがあるかもしれません。
群馬の誇る郷土の偉人たる僕も、もちろん伊香保には何度となく行ったことがあるのですが、実は伊香保の温泉街を隅から隅までじっくりと歩いたことはなかったのです(あるいはあったとしても、もう昔過ぎて忘れていました)。
そんな折、伊香保に泊まってなんちゃって国際会議をする機会があり、会議終了後に一緒に滞在していた外国人を温泉街散策に案内しつつ、初めて伊香保をじっくりと歩いて巡ることになったのでした。
日本の真ん中、伊香保温泉
伊香保温泉は、群馬県のほぼ真ん中にあり、以前は伊香保町として独立した自治体でしたが、、今は合併して渋川市(自称、群馬の真ん中=日本の真ん中だそうです)の一部となっています。
東京からは約150km、関越自動車道の渋川伊香保ICで降りて20分、渋川市街から県道をずっと上り続けると、やがて伊香保の町なかに入ります。
伊香保の市街に入ったところにこんな展示がありました。
これはかつて伊香保電気軌道(のち東武伊香保軌道線)として渋川~伊香保間を走っていた路面電車。
もう50年以上前に廃止されたようですが、よくこんなところまで路面電車で登って来たなあ、という感じです。
渋川~伊香保間は直線距離は10キロ程度ですが、標高差は500m以上ある感じです。きっと相当急勾配だったでしょう。
そしてこれが伊香保の有名な石段街入口。
階段の数は、365段。
これは「温泉街が1年365日、にぎわうようになってほしい」という意外に打算的な理由でした・・・・・
石段街を登って少し行くと右手に現れる市営の共同浴場、石段の湯。
伊香保の共同浴場は、ここと伊香保湯元にある伊香保露天風呂の2か所。
ちなみに、石段の湯は内湯のみです。
やがて「ザ・伊香保石段街」という感じの街並みになってきます。
途中の石段に何か書いてあるのですが、これは伊香保温泉の常客だった与謝野晶子の「伊香保の街」という詩なのだそうです。
これが石段の頂上間近のあたりから眺めた図。
上のほうに伊香保神社が見えてくると、長かった石段街も終わりになります。
高貴なる絶倫神社、伊香保神社
石段街の頂上から温泉街を見下ろす位置にあるのが、伊香保の温の守護神、伊香保神社。
上野国(今の群馬県)の三の宮(ごく簡単に言うと、3番目に格式の高い神社)とされていたようですが、かなりこぢんまりとしています。
しかしこの神社、高貴なだけにいろんなご利益があるらしいのです。
伊香保の湯は冷え性の女性の身体を温め、子を授ける『子宝の湯』とも呼ばれていることから、まずは子授け、安産の神様。
子宝に恵まれるためには、男女が結ばれなくてはならない、ってことで転じて、縁結びの神様。
さらに、365段の石段を上りきると金運がアップするといわれているらしく、金運の神様でもあるらしいのです。
ちょっと欲張りすぎじゃないか、伊香保神社!
そんなわけで絵馬に書かれている願い事も、ひっちゃかめっちゃか。
コウノトリの絵馬は子宝、💛の絵馬は縁結びと、大きくは区分けされているようですが、子宝の絵馬に、どう考えてもうだつの上がらなそうな文字で書かれたサラリーマンの昇進祈願が書いてあったり(社長は無理だろ・・・)、💛の絵馬に3人の女性の名前が書かれていたり(そういう方向性の絶倫ちゃうねん)、なかなかカオスな感じです。
同行している海外ゲストの中にいる、やや色が浅黒くて細いハイヒールが似合う、南方系のセクシー中国人女性から、絵馬に3人の名前が書いてあるのはなぜか、質問を受け、「絶倫」について詳細に説明しようかと思いましたが、言葉だけではすまなそうだったので、今回は適当にお茶を濁しておきました。
ちなみに外国人はドイツ、ニュージーランド、中国、韓国、台湾というメンバーだったので、よーし、ここはいっちょ独英中韓の4か国語で通訳案内やっちゃろーか、と思いましたが、「お気持ちは大変ありがたいのですが、大変時間もかかりそうですし、全員日本語ペラペラなので、ぜひその流暢な日本語でお願いします」と言われてしまいました。
こういうプランもうまく説明できなくて困ります・・・
伊香保の源泉へ
伊香保神社の裏手からさらに奥へ向かい、温泉街を離れて伊香保の湯元まで行ってみます。
これは湯の花饅頭の元祖となる店、勝月堂。
全国各地の温泉地で売られている茶色の温泉饅頭は実はここ伊香保温泉が発祥の地で、明治43年にこの勝月堂の半田勝三氏が、伊香保の湯の花の色をヒントに創案した「湯の花まんじゅう」を販売しはじめたのが最初だと言われています。
ゆるやかな坂をしばらく登ると見えてくるのが、河鹿橋。
河鹿橋の側にある伊香保温泉の飲泉所。
水と温泉がありますが、温泉の方はかなり鉄の味がしたようです(僕は飲みませんでした・・・なんとなく)
飲泉所を過ぎて先に進むと、伊香保温泉の湯元源泉地にある、伊香保露天風呂に到着!
ちがうちがう、今回の目的は露天風呂じゃなく、その向かいにある伊香保温泉の湯元をのぞきに来たんだった。
中をのぞくと湧き出てますね、伊香保温泉の源泉が。
水に浮いている膜みたいなものが、湯の花だそうです。
本物の源泉ですね。
源泉湧き出し口の横には、ベルツ博士が。
ベルツさんはドイツの医師で、明治時代に日本に招かれた外国人のひとりとして、日本の医学界の発展に尽くしたお方。
あれ?しかしベルツさんは草津温泉を世の中に広く紹介した人じゃなかったっけ?
と思ったら、伊香保にもやって来ていて、温泉入浴館付自然公園(クアパークみたいな感じ)の設計指導などをしたそうです。
千と千尋の「横手館」とか夜の「射的」とか
さて、温泉の最奥部から、再び温泉街の方へ戻って少し裏道なんかを通ってみます。
なんか趣のある裏道と建物ですね。
ここは「横手館」という老舗の旅館。
「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋のモデルか?と言われている建物は日本全国(台湾やアジアも含めると世界各地)にありますが、ここもその中の一つです。
途中で射的も目にしました。
伊香保には射的屋さんが12件もあるそうで、おそらく日本屈指の射的天国なのではないかと思います。
そんなわけで行ってみました、夜の射的屋!
いーですね、これぞ正しい温泉の過ごし方ですね。
射的をやって、裏道にあるスナックでカラオケ歌って、伊香保の夜は更けてゆくのでした。。。
いーですね、これぞ正しい温泉の過ごし方ですね。
<2015年3月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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