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春色の汽車に乗って、新しい春に出会う旅【和歌山電鐵】

松田聖子さんの「赤いスイートピー」

『春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ』

という歌いだしの部分、みなさんは春色の汽車と聞いてどんな列車が思い浮かびますか?

僕は今、この歌を聞くと、和歌山電鐵を思い出します。

いや、和歌山電鐵の名前を聞くと、「赤いスイートピー」の歌詞を思い浮かべる、といったほうがいいでしょうか。
どちらにせよ、僕の頭の中では、その二つは切っても切れない関係になっています。

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春色の汽車

春を感じる日本の旅を考えてほしい。

以前、僕のところにそんな相談が来たことがありました。
桜、桃、チューリップといった春の花にまつわる旅や、蕗、筍、ホタルイカ、桜えびなど、春の食材にまつわる旅のアイディアがひととおり出尽くしたあと、たまたまふと「春色の汽車~」という歌詞を思い出したのです。

「春色の汽車」ってどこだろう?

最初に思いついたのは、春色=黄色のイメージで、鹿児島の指宿枕崎線や千葉のいすみ鉄道を走る、菜の花色の列車や、一面の菜の花畑を走る千葉の小湊鉄道の姿でした。

小湊鉄道 Ⓒ写真AC(転用禁止)

うーん、悪くない。 でも春色の汽車に乗って見に行くのは、きっと菜の花じゃなくて赤いスイートピーだよな。

それでスイートピーの産地を調べてみたのです。

日本一の生産量は宮崎あたりだったと思いますが、その他の産地の中に「和歌山」の文字を見つけたのでした。

南国の、もわーん、と包み込んでくるような太陽の光を受けて、2両編成の小さな電車がのどかな里山をあまりやる気なさそうにコトコト走る和歌山電鐵と、「春色の汽車」がその瞬間、僕の頭の中でマッチしたのでした。

「いちご電車」なんてのも走ってますし、「たま電車」だってきっと季語にするとしたら「春」でしょう。

「春色の汽車に乗って、赤いスイートピーを探す旅」

こんなタイトルの旅だったら、ある一定以上の年齢の方々は、きっとどんな旅なのか気になることでしょう。
僕の同僚たちも(年代が近いメンバーは特に)いいねー、という話になって盛り上がった覚えがあります。

和歌山電鐵の旅へ

和歌山電鐵は和歌山駅と貴志駅の間、14.3キロを走る小さなローカル線。

かつてこの路線を有していた南海電鉄がこの貴志川線の廃止を表明したのちに岡山電気軌道が引き継ぎ、「いちご電車」や「おもちゃ電車」、「駅長のたま」や「たま電車」など工夫を凝らした経営を行ったことにより、旅好きのみなさんであれば「なんだか面白いことをやってるローカル線」としてご存知なのではないでしょうか?

僕が初めて和歌山電鐵に乗ったのは、九州からの帰りに和歌山にちょっと寄り道をした際、たまたま和歌山駅の端っこに停まっていたちょっと風変わりな列車を見たからなのです。

この真っ赤な電車は「おもちゃ電車」

JR九州のななつ星をはじめとするユニークな列車を生み出したことで有名な水戸岡鋭治さんによるデザインで、名前のとおり車内にはおもちゃのガチャガチャがありました。

これを当時小学生だった娘に写メで送ったところ、

「いいないいないいな、乗りたい乗りたい乗りたい!」

という返信だったので、翌春に娘と一緒に出かけてみたのでした。

そして、たま電車へ

季節は4月最初の土曜日。

早すぎる桜前線が、全速力で日本列島を南から駆け抜けた、2013年のことです。
春色の汽車が走るにはおあつらえ向きの、ほんわかと、ちょっとけだるいような陽光に包まれた日でした。

そのときに乗ったのは「たま電車」。

「たま」というのは2008年に日本の民営鉄道で初めて駅長に就任した貴志駅スーパー駅長猫「たま」のこと。

列車には101匹のたま駅長が走ったり寝転んだりしている様子がデザインされています。

僕が初めて和歌山電鐵に乗ったときは「たま」はまだ現役で、写真のように駅舎内の駅長室でまったりと過ごしていたのですが、娘と行ったこの時は高齢のため、すでに駅務からは外れていて、2代目の「ニタマ駅長」が途中の伊太祈曽駅で新たに駅務を始めた、という頃でした。

たまは残念ながら2015年に亡くなりましたが、たま電車は今でも現役で和歌山電鐵を走っています。

和歌山電鐵は、和歌山市内を過ぎるとあとはずっと郊外の田園地帯を走り、あっという間に終点の貴志駅に到着します。

桜の花も満開時期はすでに過ぎ、もう散りかけてはいましたが、駅のホームに降り立つと春ののどかな、そしてどこかけだるいような空気が僕たちを包みました。

貴志の駅舎もたまの顔になっていて、娘が喜ぶだろうと思っていましたが、「いーないーな、行きたい行きたい行きたい行きたい!!」と言っていた娘は、月日が流れて、またちょっと遠くへと歩きはじめているようでした。

「たま」がいないことにもあまりがっかりしたそぶりを見せず、車内や電車と一緒に写真を撮っても、昔のように大はしゃぎすることもありませんでした。

和歌山電鐵は浴線に有名な観光地があるわけでもなく、終点の貴志駅の周辺も何もないのどかな田園地帯です。

春色の汽車に乗っても、海に連れていくことはできず(和歌山電鐵は、むしろ山の方へと延びている路線です)、赤いスイートピーも見つけられなかったけど、新しい春は、確かにそこで見つけることができました。

<2013年4月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください

和歌山電鐵・貴志駅の基本情報

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和歌山の旅館・ホテル

赤いスイートピー
イメージ(転用禁止)


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