みなさん、日本一美しいダムはご存知ですか?
日本一大きいとか、日本一堰堤が高いとかだったら黒部ダムでしょ?とか八ッ場ダムですか?とか正解はしないまでもその姿は想像できそうですが「美しいダム」と言われると、あんたちょっと何言ってんだかわかんない!状態だと思います。
日本一美しいと言われるそのダムは、大分県の竹田市にある「白水ダム」。
しかもこのダム、日本一エロティックなダムともいわれています(風祭ダム研究所調べ/2015)。
大分むぎ焼酎「二階堂」のCMでおなじみ?
「二階堂」という大分焼酎があるのをご存知でしょうか?
たぶん九州のテレビが中心なので、あまり頻繁に見かけるものではありませんが、いつも一風変わったCMが印象的すぎるので、僕はその焼酎そのものは飲んだことはないのですが、その名前は知っていたのでした。
なんというか、情緒的で哲学的なんですよ、そのCM。
若き日のやり切れなさ、とか、叶わぬ恋、とか、ノスタルジックでセピアな感じがシリーズ全編を通じて流れているのです。
今回紹介する「白水ダム」が、この二階堂のCMで登場したことがあることで有名なのです。
この白水ダムは大分の竹田市にある、国の重要文化財に指定されている珍しいダム(正式にはダムではないらしいのですが通称でダムと呼んでいるそうです)。
高さは14m弱でけっして大規模なものではないのですが、その流れる水のつくりだす模様が、日本一美しいともいわれているのです。
レンタサイクル廉太郎で白水ダムへ
白水ダムはJR豊後竹田駅から片道20キロ弱、車があれば30分もかからない距離ですが、公共交通機関を使うとかなり不便な場所にあります。
1日数本しかない路線バスもあるのですが、最寄りの停留所からダムまでは山を一つ越えなければならないのです。
そこで考えたのが、レンタサイクル。しかも電動のバリバリ強力なやつ。白水ダムまではおそらくかなりの上りで、その前もアップダウンが激しいんですよ、竹田の町は。
そんなわけで僕は豊後竹田駅前の観光案内所にあった電動レンタサイクルを使いました。
見たところ筋肉隆々で精力満点、という感じではなさそうですが、観光案内所のおねーさんにどれくらい持続するかを聞いたところ、持続力が足りなくて不満だった、という話は聞いたことがないから大丈夫💛とのことだったので、これに乗って出かけることにしました。
豊後竹田の駅前から商店街を抜けて西へ向かいます。
竹田は盆地の町ですが、市内にもかなり激しい起伏が多く、トンネルも多い町です。
最初っから大活躍じゃないか、電動自転車の廉太郎(竹田は作曲家、滝廉太郎が住んだ町)。
君の持続力に期待してるぞ!
豊後竹田の隣、玉来駅まではJR豊肥本線に沿って進み、玉来の町を抜けるとやがて山あいの小さな集落に続く道へと入ります。
けして急ではないのですが、緩やかな坂がずっとずっと続きます。
バッテリーのメーター、早くも3本から2本になってるけど、大丈夫か?
途中で白水ダムに行く道が二本に分かれています。
左に行くとダムの上側、まっすぐ進むとダムの下側に出るのです。
美しい水が流れる様子は下側からじゃないとわからないので、ダムの下側に続く道を進みます。
やがて小さな峠を越え。最後は廉太郎にフルパワー出してもらって立ちこぎしながら、ようやくダムの駐車場に到着です。
駐車場には誰もいません。
いいですねー、心置きなくゆっくりできそうです。
駐車場からダム方面へ坂を下って行くと、少しずつ姿が見えてきました。
白い絹をまとったような白水ダムの妖艶な姿が。
想像以上にエロティックな白水ダム
日本一美しいと言われる白水ダムを下流側の正面から望みます。
確かに白水ダム、美しいです。
でもそれ以上にエロティックなんです。
高い堤防から豪快に放水するようなダムが男性的だとすれば、この白水ダムは優美な女性、しかも相当妖艶な大人の女性です。
例えて言うと、女性の白く透き通るような肌の上にまとった白い無数の糸が、風に揺られてかすかに動くんだけど、いつまでたっても見えそで見えない、って感じ
えっ、何言ってるかよくわからない・・・
どうですか、白い無数の糸のように見えませんか?
そしてこのカーブ、美しい腰からヒップのラインのように見えませんか?
見えますよね!?
反対側(右側)は、階段状になって水が流れています。
この竹田地域の地質は阿蘇の火山の影響で地盤が弱いため、落水時の衝撃を弱めるために両側から中央部に水が流れ込むような構造にしたのだといいます。
それがこうした女性的な柔らかな流れを作りだしているんですね。
ダムの上は普通の貯水池みたいになっています。
白水ダムは小さなダムですが、実はダムの右岸と左岸を直接行き来する道がありません。
右岸と左岸の距離はほんの2~30mで、対岸からは手に取るように近く見えるのですが、右岸と左岸を行き来するためには、なんと最短でも7、8キロ近く大回りをしなければならないのです。
僕は今回ダムを下から見上げる左岸側に来たのですが、右岸側は下まで降りられず、上から眺めるだけのようです。
なお、2020年現在、右岸へのアクセスルートは工事により通行止めとなっているようですので、僕が行った左岸ルートでしか行けません。
30分ほど彼女を独り占めしてたのですが、何か間違ってここに着いちゃった感じの夫婦が来たので、ふたたび廉太郎と一緒に豊後竹田の町へ戻ることにしました。
廉太郎、弱っちそうに見えて実はわんぱくで強いやつなんです(実は滝廉太郎もそうだったらしい)。
帰りも頼むよ、廉太郎!
と思っていたら、出てすぐの峠を越えているうちにバッテリーのメーターが1本に。
だめじゃん、廉太郎。
こうなったら多少の坂では電動は使うのはやめよう、ホントに困った時だけ最後のパワーを使おう。
とりあえずそんな感じで、電気がないとめちゃくちゃ重く感じる電動自転車、廉太郎を漕ぎ続け、竹田の町へと向かったのでした。
<2015年8月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
白水ダムの基本情報
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