「阿蘇ラピュタの道」は、まるで阿蘇外輪山の頂上から谷底の町に向かってダイブするかのように、天空に切り拓かれたダイナミックな道。
その姿がアニメ『天空の城ラピュタ』の世界を彷彿させることから、そう呼ばれています。
ところがこのラピュタの道、熊本地震により大きな被害を受け、現在も全面通行止めで復旧の予定はなく、展望台にさえ立ち入りができない状態です。
なのでここに書かれているのはその「想い出」。
いつの日か、この素晴らしい景観を再び目にすることができることを祈って書いてみました。
ラピュタの道は「阿蘇市道狩尾幹線」と呼ばれる農道
僕がラピュタの道を訪れたのは2015年のこと。
ご覧のように、阿蘇外輪山の頂上から谷底の町に向かって、尾根の断崖に沿って切り拓かれたわずかなスペースを全速力で一気に駆け抜けてダイブするようなダイナミックな道です。
この天空に浮き上がってる感が「天空の道」、「ラピュタの道」と呼ばれるゆえんなのでしょう。
前夜、阿蘇の内牧温泉に泊まっていたので、翌朝外輪山への道を上り、頂上の尾根をしばらく走ったあと、ミルクロードと呼ばれる県道339号に入ります。
かぶと岩展望所を過ぎるとやがて左側にお地蔵さんがあって、その横に車が数台止められるスペースがあったところがラピュタの道の入り口のようでした。内牧温泉を出て20キロ弱、30分かからないくらいで到着します。
実はこの道、「阿蘇市道狩尾幹線」と呼ばれる6キロほどの農道です。
もともとは外輪山の上にある牧場へ阿蘇の町から牧草などを運ぶために使われる田舎の小さな農道だったのですが、この道からの景観があまりにも素晴らしいため、いつの間にか脚光をあびるようになってしまったのです。
なので入口にはこんな看板が。
というかその横にはもっと大変な看板が。
ガーン!全面通行止めじゃん。
と驚いてみましたが、実はこの道、おそろしく悪路かつ乗用車でもすれ違い困難な場所だらけだということで、もともと通るつもりはなかったんです。
ラピュタの道はサイクリストの聖地
この阿蘇ラピュタの道、崖っぷちを急カーブでぐるぐる回ったり、かなりハードな道のりなので、大雨などで地盤が弱くなるとすぐ通行止めになっちゃうんです。
ちょっと前までもしばらく通行止めになっていて、ようやく開通したとかなんとか聞いていたんですが、また通行止めになってたんですね。
それでも強行突破してきたんでしょうか、それとも下の方は通行止めになってないのでしょうか、ときどき車とかバイクが上がってくるんですよね。なんでだろ?
でもまあこの道、登るより下る方が危ないらしいのです。でかい穴とかが、カーブの先に急に現れたりするので、バイクとか自転車は特に。だから登りはいいのかなあ。
そしてサイクリストが多かったですね。
この道はサイクリングコースとしても有名で、標高479mの山麓から標高940mの山頂まで、461mの高低差を一度も下ることなく登りつづける地獄のコースとして有名なんだそうです。
ラピュタの道の展望台
さて、車を降りると駐車場の横あたりから草原の中を進む脇道があるので、ラピュタの道は下らずに、その脇道をすすみます。
すると5分ほどで目の前に雄大な阿蘇五岳と青々とした阿蘇谷を見下ろす展望スペースにたどり着き、眼下にはラピュタの道がまさに「天空の道」の如くのびているのです!
浮かび上がってますよね、天空に。
すーばーらーしー。
僕はこのとき決めたのです。
僕的に、日本で3番目にいいところは阿蘇に決定だ、と。
なんとなく、今まで1番は北海道、2番は瀬戸内の島々、までは決めていたんですが3番目以降はなかったんですよ。
日本に恋する伝道師たる僕の中の3番になるって、結構すごいことだと思いますよ。
おめでとう、阿蘇!
おめでとう、ラピュタの道!
ところが、このラピュタの道、2016年の熊本地震で壊滅的な被害を受けてしまったのです。
復旧に要する費用は100億ともいわれていて、地元の自治体は復旧をあきらめた、という報道がされています。
現在は入口に土嚢がつまれ、立ち入り禁止の厳重な措置が取られているそうです。
道路は通行できなくても、せめて展望台まで行ければいいのですが、そこに行くまでも危険が伴うのか、それも今は叶わないようです。
ラピュタの道が復活するのはかなり厳しいと思います。
でもせめてもう一度、この眺望は見られないものか、と今でもときどき思っています。
<2015年8月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
阿蘇ラピュタの道の基本情報
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