まっすぐに続く道。
ゆるやかに上ったその道の、両側に続くポプラ並木のはるか先に建つ大聖堂。
初めてその写真を見たとき、そこは日本じゃないどこかの場所かと思ったのがトラピスト修道院。
いいなあ、こんな写真撮りたいな、とずっと思っていたそのトラピスト修道院への道を歩いてみたお話です。
最寄りの「渡島当別駅」は修道院仕様
トラピスト修道院があるのは北海道の北斗市、最寄り駅は道南いさりび鉄道の渡島当別駅。
駅舎内も修道院のようになっていて聖母マリア様が鎮座ましましているのかと思ったら、これはイエス・キリストなんでしょうかね。
渡島当別は無人駅ですが、郵便局が併設されているので結構大きい建物でした。
駅前の国道に出ると海の向こうに函館山が見えました。
鉄道や道路は函館湾を迂回するので、函館からここまで20キロ以上ありますが、直線距離だと10キロ程度なのでかなり近くに見えますね。
トラピスト修道院は国道を木古内方面に少し進んだ後、北に向かって丘の上へと坂道を登っていくと、やがてあの日本離れした大聖堂への道が見えてくる・・・はずなのですが。
ん?なんかどっかで見たことがあるやつがいるぞ・・・
ノォォォォォ、飛び出し坊や!
めちゃくちゃ日本じゃんか!しかもおまえ滋賀県人だろ?
滋賀県発祥の飛び出し坊やですが、最近は東京都内で時々見かけることもあり、いろんなところに進出しているようですが、この北海道の聖なる道にまで勢力を広げているとは思いませんでした。
ロシアのウラジオストックあたりで見かけるのも時間の問題でしょう。
トラピスト修道院への道
そして目の前に現れたのは、あのトラピスト修道院への道。
おおお、これだよこれ!トラピロード!
望遠で撮ると意外と近いように見えますが、実はここから大聖堂までは1キロ近くあるのです。
この道のすぐわきに中学校がありました。
やがて右手に八方形のユニークな建物が見えてきますが、これはカトリック当別教会。
これはトラピスト修道院の創立者ジェラールさんらによって創立され、カッシーノの聖リタに捧げられた教会で、地元では「リタ教会」の名で親しまれているそうです。
ちなみにトラピスト修道院のおみやげとして有名なトラピストバターとかトラピストクッキーの売店はこの横にあるのですが、この日は夕方で閉店した後でした。
このトラピストバターやクッキーは、もちろんトラピスト寺院の修道士(女人禁制なのですべて♂)たちが作っていて、これが彼らの生活の糧になっているのだそうです。
なんだよー売店開いてればめっちゃ買ったのに!
そして大聖堂へ
売店のある場所から、最後の急な坂道を上り、トラピスト修道院の正門へと向かいます。
振り返ると遠くにうっすらと海が見えます。
ここが正門。
「灯台の聖母」というのは、この近くにある北海道では4番目に古い灯台、葛登支(かっとし)岬灯台にちなんで名付けられたのだそうです。
修道院の中を見学するには事前の申し込みが必要で、なおかつ男子のみ。
そもそもこのトラピスト修道院というのはカトリック教会のひとつである厳律シトー会による「祈り、働け」がモットーのガチな男子修道院だそうですが、名前を聞いただけでも厳しそうですね。
そうだな、人生も折り返し地点をまわったし、そろそろ煩悩もすべて断ち切って、ただひたすら祈り、働くのもいいかもしれない
そんなふうに思ってこのトラピスト修道院への入会規約を読んでみました。
トラピスト修道院に入会するためには
私たちの修道院へ入会を希望する方へ、その入会の一般的条件をご紹介します。
1. ローマ・カトリック教会の洗礼を受け、三年以上、堅信を受けている独身男子の信徒。
2. 20歳以上、原則として45歳未満。
3. 生涯を通して完全な独身生活を送る決心があり、扶養すべき家族のない者。
4. 負債のない者。
いやー、やっぱ3番とか厳しいな、そもそも年齢制限はるかにオーバーしてるし・・・
「ずーしーほっきー」の飛び出し坊や?
本当はこの先にルルドがあったりして自然の中の散策ができたりするらしいのですが、この日はもう夕暮れが近かったので、駅までの道を引き返すことにします。
そして再び飛び出し坊や。
いやー、なんだかんだで今まで300体くらいの飛び出し坊や見てきたけど、海と一緒に見るのは初めてかも!
でも北海道で飛び出し坊やって、やっぱなんか違和感。
どうせだったら北斗市の異形キャラとして有名な「ずーしーほっきー」のオリジナル飛び出し坊やとか作ればいいのに。
ずーしーほっきーは北海道北斗市の公式キャラクターで「北斗市の“いいところ”をPRしてゆく宣伝隊長」。
北斗市の特産品ホッキ貝と地元のブランド米「ふっくりんこ」をモチーフとした「ホッキずし」のキャラクター。
可愛さよりキモさが売り。
何を考えているかわからない。突然四本の足で歩きだすイキモノ。
こんな飛び出し坊やがあったら絶対クルマ停まるよな・・・
<2020年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
コメント