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ちょっと生意気な美利河を探す旅~美利河ダム【北海道・今金町】

「美利河」と書いて「ピリカ」と読む。

この30年前のキラキラネーム女子のような地名がずっと気になっていました。

ただしそこは北海道の長万部から10数キロも山間部に入ったところにあるため、何かのついでに寄るような場所にはなく、今まで行く機会はありませんでした。

ところが今回ピリカ以外に周辺地域の宿泊がとれない、という非常に珍しいケースに遭遇したため、ようやくキラキラネームの美利河ちゃんを探しに行く機会が訪れたのでした。

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国鉄瀬棚線「美利河駅」

かつて長万部から日本海側の瀬棚まで国鉄「瀬棚線」が走っていました。

国鉄末期の1987年、多くの北海道のローカル線と同じく、この瀬棚線も廃止されてしまったのですが、この瀬棚線に「美利河」という駅があったのでした。

僕が美利河を知ったのは、たぶんこの駅があったからでしょう。

残念ながら瀬棚線には乗ることのないまま廃止されてしまったので、もちろん美利河には行ったこともなかったのですが、このちょっと生意気な女の子のような駅名(地名)は、ずっと僕の記憶の中に残っていたのでした。

そんなふうに初めて彼女を知ってから30数年、その時は突然やってきました。

今回の北海道旅行中にシルバーウィークの4連休があったのですが、2日目が特に混んでいて渡島半島北部のホテルは軒並み満室、空いていたまともなホテルが美利河にある「クアプラザピリカ」だけだったのです。

この「クアプラザピリカ」は北海道今金町にある温泉付きスキーリゾートのような施設。

美利河なんてキラキラネームがついてるので、ツンデレな感じのリゾートだとよかったのですが、実際は極めてカジュアルなファミリー向けのホテルでした。

ちなみに今回の食事では出なかったのですが、このホテルにはすぐそばにあるピリカダムにちなんだダムカレーのメニューがありました。

Ⓒクアプラザピリカ(転用禁止)

今金町名産の男爵イモと今金和牛を使ったコロッケもおいしそうで、これは食べてみたかったな。

美利河ダムと後志利別川

チェックインしたのが遅い時間だったので、翌朝チェックアウト前に散策に出かけます。

ホテルの広大な敷地を抜けて国道に出るとこんな看板がありました。

国道沿いには民家もほとんどないのですが、奥に集落があるのか、小学校があるんですね。

そしてピリカ遺跡。キラキラ光る土器とかがたくさん出土する感じなんでしょうか?

その手前に美利河ダム(ピリカ湖)への入口があったので、まずはそっちに行ってみます。

ピリカ湖は日本中の一級河川の中で過去に何度も「水質が最も良好な河川」と評価された後志利別川(しりべしとしべつがわ)の本流をせき止めたダム湖。

堤頂長(ダムの長さ)は1,480mで、河川を横断して建設されたダムとしては日本一の長さがあるのだそうです。

確かに端から端まで20分くらいかかりました

後志利別川の下流側を覗いてみたのですが、早朝だったためかどんどん霧が立ち込めてきてやがてほぼホワイトアウトになってしまいました。

ということでこれは借りた写真ですが、これを見ただけでも日本一の清流と言われるのもわかる気がしますね。

Ⓒ国土交通省北海道開発局(転用禁止)

ピリカ遺跡と美利河小学校

ダムがホワイトアウトしてしまったので、先ほどの看板に従ってピリカ遺跡と美利河小学校方面へと向かいます。

少し進むと戸数はわずかですが、集落のようなものが現れました。

かつてはきっとこのあたりに駅があったんですね。

まず最初に現れたのが、ピリカ遺跡。

これは美利河ダムの建設中に発見された旧石器時代の遺跡で、名前の通り、旧石器時代のキラキラ女子の飾り物とかセクシーなコスチュームとかが大量に出土したのだと思われますが、朝早すぎて資料館が閉まっていたためその真偽は確認できませんでした、残念。

続いてそのすぐ先にあったのが1階平屋建ての小さな小さな美利河小学校

集落の規模からいって、全校生徒でも二桁いるかいないか、だと思っていました。

だってこんなふうに動物小屋もあるので、まだまだ現役の小学校だと思っていたのです。

けれども戻ってから調べてみるとこの学校はもう7年も前に閉校していたのでした。

今金町立美利河小学校

1902年(明治35年)にマンガン鉱山で採掘に従事する作業員の子どもに教育を行う場として開設された。

一時期は児童数が100人を超えたこともあったが、過疎化に加えて美利河ダム建設により土地を離れる人もあり、児童数は減少していった。

1989年度には児童数が1人となり、翌年度から山村留学制度を導入、2013年3月に地元小学生が0名となるのに合わせ閉校となった。

Wikipedia

それにしてはきれいなまま残されているように思いませんか?

これだって、明日の体育の時間に使いそうな跳び箱に見えます。

地元の生徒がたった1人となってしまった1989年は、僕がまだ北海道にいた頃でした。

もしかすると最後の一人は、ちょっと生意気でツンデレで、キラキラネームの女の子だったのかもしれませんね。

そんなことを考えていると、なんだか大人になった彼女がこの霧の向こうから突然現れるような気がして、あてもなく美利河の集落を歩いてみたのですが、太陽が昇るにつれ霧は次第に晴れてきてしまいました。

霧が晴れつつあるピリカ湖

ホテルの敷地内に戻ってみると、おびただしい数のテントが並んでいました。

実はクアプラザピリカは人気のキャンプ場でもあったんですね。

今日もまた、素晴らしい秋の1日がはじまりそうな気がしました。

<追記>👇美利河小学校、最後の一人は「明子ちゃん」でキラキラネームではなかったようです。

<2020年9月訪問>  最新の情報は公式サイト等でご確認ください

美利河(クアプラザピリカ)の基本情報

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美利河への旅

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