中之条ビエンナーレ。
あまり聞いたことのない名前だと思いますが、これは僕のふるさと群馬の山奥の小さな町「中之条町」でやっている芸術祭なんです。
2007年からはじまって2年に一度行われていて、、これは2017年、6回目の開催の際に初めて行ったときのお話です。
命と性ミュージアム経由、ビエンナーレへ
中之条ビエンナーレは新潟の「越後妻有 大地の芸術祭」や香川の「瀬戸内国際芸術祭」のようにいくつもの市町村が広域で連携するメジャーな芸術祭ではなく、人口わずか1万数千人の小さな町が独力で頑張っているアートトリエンナーレ。
そんなわけでぜひ応援したい!と思い、芸術祭の開催資金を募るクラウドファンディングにふるさと納税の形式で200万円、違った、2万円ほど寄付したのでした。
すると送られてきたのはこんなセット。
・中之条ビエンナーレ2017のパスポート
・オリジナルパスケース
・中之条ビエンナーレガイドブック
・そして中之条町で使える1万円分の感謝券(商品券)
寄付した金額の6割相当以上のお礼が戻って来ちゃってなんか申し訳ない感じ。
でもこういう明確な目的に対するクラウドファンディング型のふるさと納税もわるくないな、と思います。
ぜっかくパスポートやら感謝券やらをもらったからにはぜひ行かなくては!ということでさっそく9月9日の開催初日に中之条に向かいます。
アートでスマートでスイートなMy familyはこういう芸術祭が大好きなので、いつもは家族で行くことが多いのですが、今年は娘のテストがあるとかで、
おとーさんひとりでアートにまみれて、そのままアートになっちゃってもいいよ!
とわけのわからない送りだしをされたのでした。
さて、経験上、ひとりでめぐるこーゆー里山型芸術祭はバイクに限ります。
クルマだと小回りが利かないし、自転車だとさすがにアップダウンがきつすぎるし電動のバッテリーも1日はもたない。
そんなわけで高崎まで電車で行って、そこから原チャリを借りていざ、中之条へ!
(高崎から中之条まで40キロ近くあるんですが、近くにレンタルバイクないんです。。。)
上毛三山のひとつ、榛名山の山麓を少しずつ高度を上げながら進んでいると、僕の琴線にビビビビビーーーーーンと刺さるような建物の横を通過したような気が。
あわててバイクを止めて振り返るとそこに現れたのは、群馬の超B級スポットとの誉れ高い「命と性ミュージアム」。
入口の前に
”性に興味のない人 曲がった解釈をする方は気分を損なう事がありますので入場しないで下さい。”
と書いてある!
おおおおおお、性に興味ありありだぞ!
気分を損なうどころか高まるに違いないぞ!
と思ったのですが、時間が超タイトなため泣く泣く割愛。
まあここにあることがわかったので、また今度ゆっくり来ることにしました。
ちなみに、僕の真面目なブログではけっして書けないようなこのミュージアムの館内がここに紹介されているので、よかったらご参照ください。
少子化抑制のため、来館記念に、赤ちゃんを作っていくためのベッドとかもあるみたい。
ぜ、全軍撤退!ま、また今度出直しだ!
中之条・伊勢町エリアへ
さて、中之条は群馬県の北部にある人口1万6千人の町。
過疎の進む町とはいえ、この地域、吾妻郡の中心地でもあります。
JR中之条駅もすでにアートになってますね。
上野から特急草津号で2時間ですから、それほど不便な場所にあるわけではありません。
ただし市町村合併のため、この中之条の面積はだだっ広くて、新潟県とも長野県とも接している山岳地帯がずっと続くのです。
中之条トリエンナーレはそんな町内を「中之条・伊勢町」「伊参」「名久田」「四万」「沢渡・暮坂」「六合」という6つのエリアに区切って行われています。
今回僕はこの広ーいエリアにおよぶ中之条トリエンナーレを2日間でぜーんぶ回っちゃおう、というつもりだったのですが、結構ツラいかな、という感じ。ま、行けるところまで行ってみたいと思います。
中之条ビエンナーレのインフォメーションセンターになっている中之条駅前の通運ビルにあるアート。
「TAKE FREE」と書いてあるので、このアートになってる古着、もっていってもいいみたいですね。
この古着、町の人々の古着のような気がします。もう自分では着ることのない古着を持ってきて、これから自分で着てみたい古着を持って帰る。そして作品はその姿をどんどん変えていく・・・そんなフリーマーケット型のアートなんでしょうか。
中之条の無垢で清楚なおねーさんが大切に着てきた古着とかないかなあー
あ、もちろんうちの娘のために探してるんですよ!
これが中之条のメインストリート。
ここは古くからこの地域の中心市街地として栄えたエリアですが、吾妻の山々を背後にゆるやかな坂の両側に商店街が並ぶ、なかなか情緒的な町並みですね。
「中之条・伊勢町エリア」はこの中之条の市街地を中心に、商店跡や料亭跡などの空家を舞台にしたものや、酒蔵や材木店などの建物や内装を活かしたアートが展開されています。
「中田木材」は町の普通の材木やさん。
でも中に入るとアートになってます。
近年まで日本酒が造られていた旧廣盛酒造の歴史ある重厚な建物もアートスペースになっています。
2階にはあだるてぃーなアートが!
僕ももう中学生のチェリーボーイでもないし、まあアートだとわかってるので、こーゆーの見ても普段はめったに変な気分になることはないのですが、これはなんか僕の琴線に触れちゃったみたい。
書いてみたいぞ、ボディーアート!
色を塗りたくるようなボディーアートじゃなくって、まるで彫り物みたいなモノクロ感がいいですね。
かと思うと、町の空き地にこんなものが。
どうやらこの家の人の作品らしいのですが、これもアートの一種か?と思ってガイドブックや地図を見てもどうやらアート作品ではないみたい。
よく話すおじさんが、家の前を通る人にいろいろと話しかけてますが、どうみてもアーチストの風貌っぽくないので、これはおじさんなりの精一杯のおもてなしなんでしょう。
そう、この中之条ビエンナーレ、基本的にユルいのです。
小さな町なので観客とアーティスト、そして地域の住民の距離感がとても近いんですね。
各会場の受付に座る地域のお父さんやお母さんが気さくに話しかけてきたり、作品のすぐ横にいるアーティスト本人が直接解説をしてくれたりと、なんともフレンドリーなアートイベントなのです。
商店街の空き店舗の中にポツンと座っているこの女性が、実はこの作品のアーチストだったりします。
なんだこれ?と思って見てると、いきなり後ろからアーチスト本人が話しかけてきたりするのです。
この居住空間、町の人々からいろんなものを借りて外国人のアーチストと二人、生活できるか、というアートなんだそうです。
もちろんタダで借りるんじゃなくて、モノではなく「コト」との交換で借りているだそうです。
「こしのマッサージ」だの「毎日あいさつ」だのと言った契約書?(領収書)があってなかなか面白かったです。
この、ゆるくてフレンドリーな感じがいいですね。
<2017年9月訪問 つづく>
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中之条ビエンナーレへの旅
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