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北大の紅葉なんて、きれいだなんて思ったこともないし、在学当時は全然気にもしていませんでした。
僕がこの学校に通っていたのは19~23才の5年間(普通より1年遅くてかつ1年多いけど気にしない)。
当時の僕は、ときどき通う大学のイチョウ並木の色なんかより、女の子のブラウスのボタンをはずしたあとに出てくる下着の色のほうにずっと興味があったんです。
やれやれ(村上春樹ふう)。
そんなわけで北海道の友達が、Twitterで北大の四季の写真をとても美しくアップしているのを見て、なかなかやるじゃん北大、と思い始めたのはつい最近のことでした。
平成のポプラ並木と北大農場
10月晩秋の朝、目覚めるとホテルの窓からはこの風景。
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札幌の西側、大倉山やその向こうの手稲の山々がまるで額縁の中の絵のように見えました。
今回は大通公園の一番西にあるホテルに泊まっていたので、正門からではなく、通常とはちょっと違ったルートで北大に行ってみることにします。
北大植物園の西側を歩き、JRの線路に沿って桑園駅のほうへ。
ここ、僕が二輪の免許を取るために通っていた「桑園自動車学校」でした。
イオンになってるじゃん!と思ったら、イオンの屋上に移設された教習所があるんだそうです。
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時代も風景もずいぶん変わったけど、19歳の夏の輝くような時間と空間は、今でもはっきりと思い出すことができます。
桑園駅のカード下をくぐってまっすぐ進むと、通り沿いに広大な北大農場が広がっています。
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そのまま農場にそって石山通りを北に進むと、西門があり、目の前にあの有名なのとは違うポプラ並木が広がります。
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これは「平成のポプラ並木」と言って、創立125周年を記念して2000年に植樹したものなんだそうです。
知らなかったー(そもそも昔は西門なんてなかった)!
でもこんなに広い舗装道路の脇に整然と並んでたらせっかくのポプラも物語には似合わないなあ。
不揃いのポプラが、狭い土の道の脇に好き勝手に並んでる古いポプラ並木じゃなきゃロマンスは生まれないと思います。
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僕はこのポプラ並木の下で、何度フラれたことか。
ロマンス生まれてないじゃん!
さて、こちらは北大農場。いかにも農学部っぽい風景ですね。
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僕の農学部の友達も、よくロバ当番とかになって、朝から餌やりに行ってました。
途中のススキも美しいですね。
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これが「北大原生林」。
世界中に感動を呼んだ青春小説、「雪虫の頃」の聖地巡礼される方は、ぜひここへ。
雪虫が来たのは、このあたりです。
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これはメインストリートの北のはずれにある「札幌農学校第2農場」
「模範的畜舎」という意味で「Model Barn(モデルバーン)」と言われていました。
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ここも北大の隠れた観光スポットです。
北大メインストリートといちょう並木
やがて、南北約1キロの北大のメインストリートへ。
まだ目いっぱいではないけれど、かなり色づいてはいますね。
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これが北大総合博物館。
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僕がいた時はここは理学部でしたが、風格ありますね。
そして・・・
ここが僕の青春がたーくさん詰まった文学部。
建物見えないじゃん・・・
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北大は理系に看板学部が多かったので、文系は肩身が狭かったんですよ。
でも女子率は極めて高かったので良しとします。
ちなみに僕のいた国語国文学科は、女子率73%・・・うひっ。
農学部前の紅葉。
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やっぱり北大の看板学部は農学部とか獣医学部なので、立派ですな。
入学直後のクラスの記念撮影もこの校舎の前でしたからね。
クラーク像前の紅葉もきれいですね。
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北大に来る観光客の「あるある勘違い」にこのクラーク像があります。
クラーク像はどこですか?という質問に、この場所を案内すると、
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そうじゃなくて、こーゆーやつ
とか言いながらクラーク博士の「Boys be ambitious!」のポーズをするんですが、それは北大にはないんだよねー。
そのクラーク先生は羊ケ丘と言ってここから1時間くらいかかる場所にいらっしゃいます。
紅葉のピークはまだ1、2週間早かったけど、こうやって改めて見てみると、なかなかでした。
ちなみにこれは翌年の紅葉最盛期の北大イチョウ並木。
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アジアからの家族づれもこの笑顔。
最盛期の夜は紅葉のライトアップもされて、かなり賑わうみたい。
僕らの時はそんなのなかったけど、母校がたくさんの人に喜んでもらえるんだったら、それはそれで悪くないのかもしれませんね。
番外編)伝説の老舗喫茶「ミルク」
このとき母校の帰りに懐かしい場所にいったので番外編として紹介しましょう。
ここはあの中島みゆきさんが、「ねぇ、ミルク」と唄った伝説の喫茶店「コーヒーハウスミルク」。
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ここのマスターは学生時代に「北大フォークソング研究会」で中島みゆきさんとフォークグループを組んでいたことで有名で、その後、このお店に併設された音楽スタジオには札幌じゅうの将来を嘱望された若手ミュージシャンが集っていたのです(今でもたぶんそうだと思います)
ちなみにこの時のグループにいたもうひとりのメンバー、宮越陽一さんは、その後東京でコーヒー修行を積み、1985年にカフェを創業。現在、北海道を中心として展開するコーヒー専門店チェーン、あの「宮越屋珈琲」の社長だそうです(東京のうちのビルにもテナントで入っています)
ここから巣立ったアーチストは中島みゆきをはじめ、僕らの時代は「GO-BANG’S(ゴーバンズ)」、最近はサカナクションのメンバーもここの出身だったみたいです。
1980年代の札幌でヘビィメタルブームを巻き起こした、僕の率いるバンド「へルターマドンナ」も、もちろんここの出身でした。
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一番最初のスタジオ練習の時に、マスターがこっそり壁の向こうで聞き耳立ててたみたいだけど、たぶんあまりに完成度が高すぎて声もかけられなかったんだと思います。音楽的には完璧にスルーされてた僕たちですが、毎週1回このスタジオでセッションをして、コーヒー飲んで帰ったのでした。
結局、僕たちは将来を嘱望されながらも、ライブハウスでたった一度のGig(小さなライブハウスでのセッション)をやっただけで音楽の道へと進まなかったので、今でもマスターには申し訳なくて顔を合わせられないんだけどね。
あー、そういえば自腹でライブのチケットさばくの、めちゃくちゃ大変だったなーと思いつつ、札幌の夜は更けてゆくのでした。
<2016年10月/2017年10月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
北大への旅
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