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二度咲く桜は、はかなき桜【桜山公園の寒桜/群馬県藤岡市】

毎年、冬の訪れとともに寒桜が咲く、桜山という小さな山が僕の実家から比較的近いところにありました。

そこは昔から冬桜が咲くことで知られてはいたものの、観光として訪れる人は少なかったのですが、最近は夜のライトアップなどもはじまり、シーズン中は駐車場に入るためにかなりの渋滞が起こるほどの場所になっているようです。

あまりに近いし、あまりに渋すぎるので、当時はまったく興味がなかったのですが、年を重ねてみるとそこはなんだかとても素敵な場所のように思えてきました。

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桜山の冬桜は二度咲きの桜

僕が群馬に住んでいた頃は、この桜山は、僕の家がある藤岡市の隣りの鬼石町(おにしまち)の行政区域内だったですが、平成の市町村合併によりその後藤岡市に編入されたのでした。
だから当時の僕にとってこれは隣町の話でしたし、高校生だった僕は、寒い中、わざわざこんな山奥に桜を見に来ることよりも、隣りの女子高の女の子たちをどうやってあったかい喫茶店や、その先のムフフへと誘い出すか、ということばかりを考えていたに違いありません。

今となってみると「冬桜を見に行こう!」なんて誘い文句、素晴らしいと思うんだけどな。
いや、やっぱ渋すぎるかな。
当時の群馬の高校生に、そんな大人の魅力は理解できなかっただろうな。。。

そんなわけで、この寒桜を観に来たのは初めてだったのです。
シーズン中の土日なので、日中は相当混雑するだろう、ということで首都圏からたくさんの人が来る前に到着できるよう、やってきたのは朝。

実家からクルマでだいたい40分、8時前に到着したのに、駐車場にはすでに整理のおじさんたちがたくさんいて、お店も開き始めていました。
ただ停まっているクルマはまだ少なく、作戦は大成功のようです。

クルマを降りて、外に出た瞬間に思ったのは、あれ、まだちょっと早かったかな、という感想でした。
事前の情報では、ちょうど今が見頃だ、と聞いていたのですが、見た感じパラパラと、2分咲き程度しか咲いていないのです。

しかし実はこれが寒桜の普通の姿なのだそうです。
地元のおじさんによると、寒桜は、春の桜みたいにパッと一瞬で満開になって一瞬で散っていくのではなく、1か月くらいかけて少しずつ咲いて少しずつ散っていくのだそうです。

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だから春みたいな満開というイメージじゃないんだよ。今年の咲きはいいほうだよ

寒桜は春にも咲いて、冬にも咲く、二度咲きの桜なんだそうです。

「冬桜」という歌を唄っていた歌手の湯原昌幸さんにこの寒桜を見てもらったところ、僕ももう一度咲きたい、と共感を得て、この桜山がある藤岡市の観光大使になってもらったという経緯もあるのだそうです。

二度咲く桜。
一度目の春のような若さと勢いで華やかに咲いて華やかに散る桜と違って、二度目の桜は無理をせず少しずつ咲いて、できるだけ長くその姿を保ったのち、余韻を残しながらゆっくりと散っていくのです。

寒桜の魅力はそういうことだったんですね。
たしかにそう考えてみると、春の桜とは違った美しさがあります。

・・・やっぱり当時の群馬の高校生にはこの魅力なんかわかるはずありませんね。

桜山展望台へ

さて、駐車場から桜山の頂上方面へと向かいます。
途中の日本庭園は紅葉がきれいなのですが、もうピークは過ぎている感じでした。

途中にある「幸せの愛の鐘」的なモニュメント。
どうせこの鐘を一緒に鳴らしたカップルはその晩ムフフ・・・みたいなやつなんでしょうが、日本中どこにでもあるこういうの、いらないですよね。ムフフの聖地としてよっぽど納得の物語がそこにあるのならいいんですが、とりあえず作っとけ、みたいなのは逆効果で一挙に興が覚めちゃいます。

桜山山頂への道。
紅葉と桜を両方楽しめるのが、この寒桜鑑賞の最大の魅力。

圧倒的なもみじをバックに一輪の桜。
これが逆だとこんなに映えないような気がします。

赤もみじを背景にした桜も絶品ですね。
群馬の高校生は落とせないけど、都会のマダムはイチコロでしょうね。。。

桜山頂上付近からの眺め。
このあたりが一番桜と紅葉が密集しててきれいでした。

・・・と眼下に不思議な山を発見!
この独特の山の形、昔見たことあるぞ。。。

これは夏に埼玉の旧神泉村というところを冒険したときに見た、あの不思議な山ではないですか!
そう、この桜山は埼玉県境に近く、旧神泉村を見下ろす場所にあるのです。

あの時は霧に包まれた山頂の木々が神々しくて、なんだかただものではない山のように見えたんですが、上から見るとゴルフ場の真ん中にあったんですね。
ということはこの山頂の木々もゴルフ場の人がコースの造形物としておもしろおかしく手入れしてるんですかね。

なんだか神事的なものだと思ってたんですが、単なるおっぱい山だったようです、はい。。。

見本庭園の紅葉

桜山の山頂から駐車場へ戻る散策道の途中にある見本庭園
この付近は江戸時代から庭石として珍重されてた「三波石」と呼ばれる高級庭石の産地が近いため、この三波石をふんだんに使った庭園がここなのです。庭づくりの参考にと訪れる人も多いため見本庭園と呼ばれているのだそうです。

ここの紅葉はちょうどピークをやや過ぎたころだったのでしょうか、落葉とのバランスが絶妙でした。

冬の桜山公園、なかなかいいところじゃないですか。

そこには春の桜のような華やかさはありません。
満開の花びらの下で陽気にお酒を飲みながら花見をするような場所でもありません。
けれども二度咲き桜には二度咲き桜の美しさがあると思うのです。
そう、人生の酸いも甘いも知った、本当の大人だけがわかるような美しさが。

<2016年11月訪問>  最新の情報は公式サイト等でご確認ください

桜山公園への旅

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