福岡県田川市の三井寺に「ガッツポーズ地蔵」なるユニークなお地蔵さんがいるということを知り、いつか行ってみたいと思っていました。
お地蔵さんがガッツポーズしてるのですから、もちろんそこはB級スポット認定の場所になるはずだったのですが、実際に行ってみたらなんかめちゃめちゃ風鈴があっていわゆる「映える」場所だったのです。
何千個という風鈴がトンネルとなっていて、風に合わせて一斉にちりんちりんと鳴る様子は情緒的でもあり「エモ旅(emotionalな旅)」に分類すべきもののように思えました。
まあ当初予定通り「B級スポット」にタグ付けしましたけど(笑)
「みいでら」ではなく「みついでら」
三井寺と書くと、滋賀の大津にある天台寺門宗の総本山「三井寺(みいでら)」や紀州和歌山にある「紀三井寺(きみいでら)」から「みいでら」と読むのがスタンダードだと思っていました。
ところがこの田川にある三井寺の読み方は「みついでら」。
なんでもこのお寺、正式には「真言宗御室派 平等寺」というのだそうですが、近くに三井炭鉱があったため、いつしか「三井寺(みついでら)」と呼ばれるようになったようです。そりゃ読み方は「みつい」だわ。
三井寺があるのはJR田川伊田駅から1.5キロくらいなのでのんびり歩いて行ってみたのですが、7月の酷暑で着いた頃はヘトヘトでした。
そんな僕を出迎えてくれたのは、この風鈴。
なにこれ?めっちゃ涼しげ!
そしてなにこのバエそうな風船手水!
どうやらこの三井寺、夏の間(5月~9月頃)は多くの風鈴が飾られ、地元では別名「風鈴寺」と呼ばれるほどの場所だったようです。
「ガッツポーズ地蔵」といういかにもワンダーな香り漂う場所を期待して来たのに、なんだかちょっと想像と違ってるぞ。
風鈴寺の風鈴トンネル
この風鈴は「願掛け風鈴」で、風鈴の下の短冊にはみんなの願いごとが書かれて吊るされています。
願掛け風鈴をはじめた頃はその数はほんのわずかで、こんなに多くの風鈴がつるされていたわけではなかったようですが、自分もやりたいという人が増え、「風鈴のお寺」という人気が高まったこともあり、いつの間にか現在のような姿になったようです。
境内の参道の50メートルくらいの間には、天井にも両側にもびっしりと風鈴が吊るされていて、風が吹くたびに何千という鈴の音が一斉にあたりに鳴り響くのです。
これは実際に動画で見てもらったほうがいいかな。
わりと圧巻ですよね。
風鈴の時期は毎年5月から9月まで(2022年は9月末まで)だそうですが、途中夜間ライトアップの期間もあり、今や地元では人気の観光スポットになっています。
ガッツポーズ地蔵とかその他いろいろのお地蔵さんとか
すっかり本来の目的を忘れそうになってしまいましたが、この三井寺には「ガッツポーズ地蔵」という知る人ぞ知るお地蔵さんがいます。
それが、これ。
ガッツポーズ、してますね!
ちょうど僕が訪れた頃はコロナで東京2020が延期され、その1年後の開会間近の時期だったのですが、世の中的にはみんなこんな気分じゃない感じでした。
でもほら、みんな我慢ばっかりしてないで、もうそろそろこのくらいガッツポーズしてもいいんじゃない?
と思わせてくれるユルさがありました(力強さは、なかったです…)。
この三井寺にはそのほかにもいろいろなユニークなお地蔵さんがいました。
これは「手ぬき地蔵」。
秋川雅史さんの写真が飾られているので、きっとこれは彼の命名なんでしょう。
これは「チョリーッス地蔵」。
きっとロンブーの淳が命名なんでしょうね。
そしてこれは・・・ん?「夏至地蔵」?
これは女優の池田エライザさんが原案・初監督を務めた青春映画「夏、至るころ」にちなんでつけられたものらしいのですが、調べてみると彼女は田川の出身で、この映画は田川が舞台だったんですね。
夏至地蔵をさわってもたぶんモデルスタイルにはなれないと思いますが(笑)
そしてやっぱり僕が一番気になったのが「恋愛地蔵」。
やっぱ、いくつになっても恋は必要じゃないですか!
かなり手作り感満載で、本当にご利益があるのかわかりませんが、世界中の人々に愛が与えられることと、なんなら僕にも生涯「恋の魔術師」の称号を与えてもらえるよう、祈っておきました。
お、うら若きおねーさんも恋愛祈願に来たのかな?彼に思いを打ち明けられるよう、勇気をもらいに来たのかな?
と思ったら目の前でスマホいじってるだけでした・・・
そんなわけでこの三井寺、「涼を求めて風鈴トンネル」とか「ガッツポーズ地蔵で元気をもらう」とか「恋愛地蔵に恋の魔術師になれるようお願いしてみる」とかいろいろな楽しみ方ができるお寺さんです。
やっぱり分類はB級スポットにするけどね。
番外編)成道寺の「励まし地蔵」
同じ田川市内の「成道寺」に「励まし地蔵」と呼ばれるお地蔵さんがいる、ということも聞いていたので、合わせて行ってみました。
白鳥山成道寺は田川市街を見下ろす高台にある立派なお寺でした。
境内には「平家物語」にも登場する悲劇の女性、小督局の墓と伝えられる七重塔が残っているそうです。
が、今回訪問の目的は下の写真の一番左、「励まし地蔵尊」と書いてあるお地蔵さんです。
右手のガッツポーズともに「頑張れ」と書いた木札をぶら下げています。
かなり後付け感あるけど、これも時期的に、参拝者を勇気づけてくれる存在であったのは間違いないですね。
元気が必要な時には三井寺のガッツポーズ地蔵と一緒にめぐってもいいかもしれません。
<2021年7月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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田川・三井寺への旅
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