日本で一番早いと言われる大雪山の紅葉スポットは主に3つのビューポイントがあり、一つは旭川からアクセスする「旭岳」、一つは層雲峡からロープウェイでのぼる「黒岳」、そしてもうひとつが層雲峡からさらに山道をバスで上った先にある「大雪高原沼めぐり」と「銀泉台」。
そんな大雪の紅葉めぐりに、なぜか女子ライターとか温泉モデルとか、お気楽な女子チームと来てしまったお話の第1弾「大雪高原沼めぐり」編です。
いきなり「ヒグマ情報センター」
「大雪高原沼めぐり」は大雪山の主稜線高根ヶ原の東斜面のふもとに点在する沼や池をめぐる林間の登山コース。
層雲峡のさらに奥にあるのですがシーズン中は車で上ることができず、大雪湖畔の「大雪レイクサイト」からシャトルバスでアクセスすることになっています。
シャトルバスに乗って山道を30分、終点の大雪高原山荘で下車すると、目の前にあるのは「ヒグマ情報センター」。
そう、このあたりはふつーにヒグマの生息地になっていて、200%ヒグマが住んでいる区域を歩くことになるのです。
そんなわけで入山者は必ず入山届けを出し、ヒグマセンターのスタッフの説明を受けてからでないと先に進むことはできないようです。
げっ、なんかとんでもないところきちまったぞ!
わ、ヒグマのあかちゃんかわいい💛
最初はそんな女子チームの危機のなさに卒倒しそうになりましたが、このヒグマセンタースタッフの話がなかなか面白くて、最後はヒグマはいいやつなんだか危険なやつなんだかよくわからないけど、ま、なんとかなるだろ、という気になってくるから不思議です。
お気楽女子のまさかの超軽装備
そんなわけでヒグマとのお付き合いの仕方も学んだところで、いざ大雪高原沼めぐりをスタートしたのですが・・・
ん?
いくら百万人の男の視線をクギ付けにした温泉モデルだからって、ミンクのマフラーみたいなのを手に、このヒグマだらけの大雪山に入山するのはなんぼなんでもちょっと軽装すぎないか?
そしておまえはハウスマヌカンかっ!
セコマで買った弁当入れたビニール袋手にぶら下げてるし!
すれ違う山人との装備の差がすごい!
鉄製の橋を伝って石狩川の支流、ヤンベタップ川を渡ります。
沼めぐりって言ったって、標高1500メートルくらいの結構厳しい道を延々と歩くんだぞ。
水蒸気の煙をもうもうと上げるのはヤンベ温泉と呼ばれる噴気孔。
温泉とはいっても95度の高温・高圧の水蒸気が沸いているやばい場所らしいじゃないっすか。
ま、確かにこのあたりまでは
ちょっとキツイ坂道が続くけど、やっぱ大雪の紅葉すごいじゃん!
とか言ってキャッキャ言いながら写真とか撮りまくってたのですが。
なんかだんだんスゴイことになってきたぞ。
前日までの雨で道がかなりぬかるんできました。
ようやくここで彼女たちも事態に気づき、
なんかこれヤバいよね、私たちちょっと大雪山ナメすぎ?
と思いはじめた頃、突然周囲が開け、ひとつめの沼が目の前に姿をあらわしたのでした。
おおお、スゴイ!
大雪渓じゃん!
これぞ大雪高原沼の紅葉
突然視界が開け、大小の湖沼が広がる台地に到着し、みんな疲れも忘れて元気になり写真を撮りまくってますが、ここまだ一番最初のほうの沼だから!
しかし紅葉は確かに素晴らしい。
大雪山はアイヌ語で「神々の遊ぶ庭」を意味する「カムイミンタラ」と呼ばれていましたが、まさに「カムイミンタラ」でした。
「神々の遊ぶ庭」も「カムイミンタラ」という響きも、ホントにいい得て妙!
昔、NHKの番組で見て、この響きに魅かれて以来、ここに来たみたかったんです。
でもここはまだまだ序の口、もっとズンズン奥に行こう!
と進む僕たちの前に漂う暗雲。
いや、深い意味はないですよ、文字通りの暗雲。くらーいくも。
やがてポツポツと雨が落ちてきます。
いや、ポツポツじゃないですね、ときどきザーザー。
そんなふうに降ったりやんだりの雨の中、コース内で飲食可能な休憩スポット3か所のうちのひとつ、緑沼に到着。
おおお、ここもきれいじゃん!と感動していると、なにやら女子チームがコソコソと相談しています。
風祭さまと一緒だったらたとえ火の中水の中、底なし沼に沈んでもお慕い申し上げようと思ったんですけど・・・
ちょ、もうギブアップってことっすか?
・・・そんなわけで女子チームのほとんどはここで脱落。
しかしここで帰るわけにはいかないので、残ったメンバーで引き続き大雪高原沼めぐりを続けます。
おおお。またちょっと晴れてきたじゃん。
リタイヤした中にきっと誰かきょーれつな雨女がいたんだよ。
真っ赤な紅葉と対照的なこの青はエゾオヤマノリンドウという花なんだそうです。
この沼めぐりコースは全長7キロ。
一番奥にある大学沼までは大雪高原温泉のロッジから往復で4~5時間の行程なのですが、帰りのバスの関係上、下山時間が決まっているので、どこで折り返すかを判断しなければなりません。
本当は大学沼の手前の式部沼くらいまでは行きたいな、と思っていたのですが、女子たちに比べてまだまともな恰好をしてきた僕の靴でさえすでにドロドロ、おまけにまたパラパラと雨が落ちてきたこともあって鴨沼についたところで折り返しの決断をすることにしました。
ほら、この先の霧の感じ見たら、そうなりますよね。雨具とか持ってなかったし。
紅葉めちゃくちゃきれいだったけど。
以前は一周して沼めぐりをするルートがあったのですが、この時は途中で通行止めになっているようで、麓の大雪高原温泉までは再び来た道を戻ります。
行きはまだそれほど遅い時間じゃなかったので、下山者とすれ違うこともなかったのですが、帰りは狭い登山道の途中で上ってくる人々と時々すれ違わなければなりません。
雨も本降りになってきたせいか、下りの山道にはところどころに大きなぬかるみがあって帰りは結構大変でした。
それでもこの時は直前の地震の影響でずいぶん登山者も少ないようで、例年ピーク時には登山者が数珠つなぎになるくらい渋滞することもある、ということだったので、まだましだったのかもしれません。
雨と泥とでたいへんな状態になって麓の大雪高原山荘に到着すると、下界はすっかり晴れていて、先に戻っていた女子たちはすっかり温泉でひとっ風呂浴びたかのような清々しさで、「おつかれちゃ~ん!」的なノリ。
ごめーん。私たちこんなにすっごい山奥で連れまわされるだなんて聞いてなかったので、今度はちゃんとした格好でチャレンジするから~てへぺろっ
<2018年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
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