
2022年は、年間100日くらいワーケーションをしながら「日本に恋する伝道師」として全国の港の女に寄港していた僕。
そんな僕に、奈良県の月ヶ瀬でワーケーションをやってみないか、とかつての同僚からメッセージが来ました。
月ヶ瀬?聞いたことあるけど、おまえなんでそんなところにいるんだ?
本来は港の女以外からの招聘は受け付けないことにしている僕ですが、かつて苦楽を共にした同僚からの依頼は断るわけにはいきません。
そんなわけで行ってみました、月ヶ瀬の港の男のところに!(月ヶ瀬に港はないけど)
奈良・月ヶ瀬とは
「月ヶ瀬」があるのは、奈良県奈良市。
「奈良市」といっても、ここはかつて「月ヶ瀬村」と呼ばれた場所で、その後奈良市に合併されたものの、市内からは車で1時間もかかる辺境の地にあるのです。

そんな月ヶ瀬に僕を誘ったのは、同期入社で、かつて一緒に仕事をした友達。
彼は中国に渡って、うちの会社の上海の代表取締役をしていたのですが、その後退社して札幌で旅行会社の代表をしていると聞いていました。
そんな彼から突然FBのメッセが来たのはこの夏のこと。

ワーケーションしてるのFBでよく見てるんだけど、今度月ヶ瀬に来てくれない?

は?月ヶ瀬??なんでまたそんなところにいるんだよ

まあいろいろあってここに流れ着いたんけど、とにかくぜひ風祭哲哉にワーケーションに来てもらって、月ヶ瀬の魅力を全国のファンに伝えてほしいんだよね
ま、そう言われちゃ行くしかないですよね。
奈良市内から路線バスに乗ったら1時間半もかかったけど!
月ヶ瀬ワーケーションルーム「ONOONO(おのおの)」
彼が月ヶ瀬のバス停に着いた僕を案内してくれたのは、旧月ヶ瀬学校給食センターを改築したワーケーションルーム「ONOONO(おのおの)」。

すぐ隣にある月ヶ瀬小学校からは、ときどき子供たちの元気な声が聞こえてきます。

彼は日本全国でローカルベンチャー事業を行う組織に属しつつ、そのプロジェクトのひとつである月ヶ瀬の運営を任されているのです。
かつて子どもたちがおいしい給食を、わいわいと食べていた明るくて開放的な施設が、ワーケーションや地域の人々の集会スペースとなった「ONOONO」。

「おのおのが、持っている資源や能力を持ち寄る場所」
「おのおのが、実現したいことを叶える場所」
「おのおのが、これからの地域づくりの主体になる場所」
その名前には、そんな願いが込められているのだと言います。
かつての給食センターなので、こんなデスクで仕事できちゃいます。

なんなら跳び箱の上で仕事してもいいんです。

裏には給食センター時代の調理室も残っていて、ここでみんなで料理することもできます。

いずれにせよ、都会のビルの中でウンウンうなってても出てこないようなアイデアが生まれそうな環境であることは間違いありませんね。
僕がいた2日間だけでも大企業で新規事業を開発している人、月ヶ瀬で商売をするおじさん、おばさん、子供を連れたおかあさんなど、いろいろな人々が集まる空間でした。

こんな施設を使い放題、飲み物やお菓子も飲み食べ放題で1日なんと550円ってどういうことや!って感じですが、この施設は収益をあげることだけが目的ではないのだそうです。
月ヶ瀬プロジェクトの本来の目的は、ここに集まる人々が新しい関係を築くことによって、この月ヶ瀬に新しい息吹がうまれること。そして地域の資源を活かして今までなかったものを作り出し、ここに関係するみんなが生きることを謳歌できる社会をつくることなのだと言います。
おいおい、ちょっとカッコよすぎないか?
月ヶ瀬梅林のばあちゃん
ということで、このブログ的にはあんまり真面目な話をしてもアレなので、月ヶ瀬のイメージがよくわかる、という場所に案内してもらいます。
月ヶ瀬は奈良県の東端、京都府や三重県と県境を接した名張川の谷沿いに集落が点在しています。

「大和茶」と呼ばれるお茶の産地としても有名で、斜面に広がる茶畑も月ヶ瀬を代表する風景。

日帰りの月ヶ瀬温泉も有名で、週末は大阪あたりからも来る人も多いようです。


月ヶ瀬温泉の道の駅にあった野菜直売所のナス、100円(ピーマンそのほかいろいろ100円でした)。

月ヶ瀬はいろいろ価格設定がおかしい。
そして月ヶ瀬を代表する観光スポットが「月ヶ瀬梅林」。

僕が行ったのは秋だったのですが、毎年3月のシーズンには約1万本の紅白鮮やかな梅の木が広がり、日本で最初に指定された名勝の一つだと言います。

この一番の絶景のところに「みおろし茶屋」があり、ここのばあちゃんと僕の同僚が知り合いらしく話し込んでいます。


おや、今日はお子さんと一緒かい?

いや、ばあちゃん子供じゃないっすよ

そうかい、じゃあお嫁さんじゃなあ

ばあちゃん、おとこ、男ですよ

おー、そうかい、ずいぶんかわいい顔してるおともだちやね

(加工あり)
はい、昔からよく女の子に生まれればよかったのに、って言われるんで・・・
ばあちゃんは80過ぎても、車で月ヶ瀬の町まで買い物に出かけるくらい達者だそうですので、きっとその目に狂いはないと信じたいです。
忍者市も楽しめる月ヶ瀬ワーケーション
さて、この月ヶ瀬ですが、ワーケーションをするのにひとつ問題がありました。

実はさー、月ヶ瀬には民宿とかキャンプ場以外に宿泊施設がないんだよねー

なにそれ、ワーケーション的にはダメじゃん!

そのかわりさ、ここから車で20分くらいで伊賀上野に出られるんで、伊賀牛でも食って、今日はそこに泊らない?

伊賀上野!伊賀牛!!伊賀忍者!!!なにそれ、面白そう!
そんなわけでその日の泊まりは県境を越えて三重県の伊賀上野。
地理的なこともあり、もともと月ヶ瀬は奈良県にありながらも、伊賀の生活圏にあったのだそうです。
そして夕食。

いや、なんぼなんでもこんなベタなところに来るつもりはなかったのですが、伊賀牛の専門店が軒並みお休みか早じまいしてて、結局駅前の忍者飯屋に行くことになってしまったのです。
もちろん伊賀牛も食べました。

伊賀忍者の漬物「伊賀越漬」も食べました。

そして翌朝。散歩しようと駅前に出てみると・・・

おおお、忍者市駅になっとる!(しかも忍者がいる・・・)

これは、伊賀鉄道の上野市駅が、忍者の里をPRするために改称されたもの。
伊賀上野に来るのは3回目ですが、この駅名になったのは知りませんでした。
上野市といえば、伊賀上野城。

朝早くて伊賀流忍者博物館の忍術実演ショー(特にセクシーくノ一)が見られないのは残念だったけど。


朝の伊賀上野城天守閣。

藤堂高虎が本丸の西に築いた、高さ約30メートル、大阪城と並んで日本一の高さといわれる高石垣などの見どころも、伊賀忍者になり切った気分で楽しめます。

そんなわけで、ワーケーションしながら伊賀忍者気分も味わえる月ヶ瀬ワーケーション、ぜひおすすめです!
<2022年9月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
月ヶ瀬ワーケーションの基本情報

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