映画「翔んで埼玉」で一躍、そのB級度が有名になった埼玉県。
まあこの映画がなくても、もともと相当B級扱いされてた感はありますが、実際まあまあB級です。特に秩父は「回転ベッドの昭和遺産ラブホ」、「レトロ商店街と遊郭跡」そしてこの「秩父珍石館」と3拍子揃ったB級スタープレイヤー（ほめてます）。
今回はそんな埼玉のB級スポットをめぐる旅のうち、めちゃめちゃ明るいおかーさんがいる「秩父珍石館」をご紹介します。
埼玉「非」王道観光
今はすっかり東京を代表するナイスミドルとなってしまった僕ですが、かつては埼玉県民で、埼玉愛が多少はないわけではありません。今は人に貸してるけど、埼玉に豪邸持ってるのでいつ戻るかわかんないしね。
まさかの大ヒットとなった「翔んで埼玉」では、想像通り、というか想像以上に埼玉がDisられてたわけですが、まあわりと当たってるので仕方ない、とは思いつつ、埼玉にはもっと面白いところがあるんだぞ、と思っていました。
そんなわけで、まずは特急ちちぶ号で西武秩父駅に到着。
3月とは言え、秩父のシンボル、武甲山もまだ冬の装いです。
もう一か月もするとこの武甲山をバックに咲き乱れる羊山公園の芝桜が秩父の王道観光コースですが、今回の旅はその正反対、埼玉の「非」王道観光コースをめぐる旅がコンセプト。
だって翔んで埼玉だよ？
どう考えても王道違うでしょ。
そんなわけでGACKTもびっくり！ワンダー埼玉をみなさまにご案内しましょう。
西武秩父駅で秩父鉄道直通列車に乗り換えて、やってきたのが影森駅。
ここからなんの変哲もなさそうな住宅街を15分ほど歩くとなにやら見えてきましたよ。
秩父の寿司、うなぎ、天ぷらの名店「岸和田」。
店には岸和田だんじり並みに気性の荒い店主がいて、年に1人は死人が出る、という命懸けの食事が楽しめるのです。
・・・て違っ！
目的地はこの「岸和田」の下の看板「珍石館」。
この白い建物のほうが、その珍石館なのです。
秩父珍石館とは？
今回の最初の目的地はここ「秩父珍石館」。
実は岸和田と同じオーナーなのですが、現在岸和田は休業中で、この珍石館だけが営業中とのこと。
開館と同時に行ったせいか、まだドアがしまっていて館内には人の気配がありません。
あれ、こっちも休業中か？と思っていると岸和田の建物から「あー、はいはい」って感じでおかーさんが出てきて、珍石館の鍵を開けてくれました。
この「秩父珍石館」、名前の通り、秩父周辺で採集した珍石ばかりを集めた日本で唯一の珍石の博物館（たぶん）。
「珍石」とか聞くと、寂れた温泉地とかにある「珍宝館」を想像して、淫靡な気分になってしまっている貴兄貴姉も多かろうと思いますが、勘違いも甚だしいので、もっと煩悩を追い払う修行が必要です。
「珍石」とはこういうものを指すのです。
そう、ここでいう珍石とは主に人面石のことなんですな。
なんでも初代館長（故人）は近くの河原できれいな石を拾い集めるのが趣味だったそうですが、そのうち人面石や有名人にそっくりな石などを発見し、やがてそれがたくさん集まったため博物館としてオープン。現在は表情豊かな1700もの石が勢揃いする圧巻のラインナップになっています。
僕は見てなかったので知らなかったのですが、『中居正広のブラックバラエティ』というテレビ番組に「人面石くん」というキャラで登場していた石もあるんだそうです。
館長は陽気なおかーさん
「秩父珍石館」は、実はさっきのおかーさんが先代の娘さんで現館長なのです。
入館者はもちろん僕以外だれもいないので、おかーさん、もとい、館長がマンツーマンで説明してくれます。
これは涙を流す石でね、ここに水を流すとほらっ・・・
なんだか秩父の親戚のおばちゃんの家に遊びに来たみたいです。
記念に写真を撮っていいかと聞くと、このポーズ！
こんなおかーさんのファンは世界中にいて、クロアチアのスティーブンとか、デンマークのエイドリアンたちが自分で拾った珍石を送ってきてくれるのだそうですが、誰やねん。
そんなわけで、まだ展示室に出されていない控えのメンバーもどんどん増えているんだとか。
ちなみにまだ名前の付いてない石には、お客さんがテキトーに名前をつけてもいいのだそう。
テキトーはあかんか。似てる人の名前ね。
メディアの取材もたくさん来てますね。
もちろんタモリ倶楽部とかも来たそうです。めっちゃ好きそうだからね、こーゆーの。
なんと、禁煙パイポのおとーさんも！
館内には著名人のサインもたくさんありましたが・・・
は？誰やねんこの人。
いや、覚えてますよ、僕だって禁煙パイポのＣＭ。
「私はコレで会社を辞めました（小指立て）」ってやつですね。
こんなところにサイン色紙残すほど有名な人やったんか？
それともおかーさんが26年前、密かにこのナイスミドルふうサラリーマンのファンだったとか？？
実はこの方、手塚さんと言ってタレントではなく、当時ホンモノの公務員だったのだそうです。
エキストラでこのＣＭのオーディションに応募したら合格してしまってあれよあれよという間に有名人に。
今は公務員は退職して、埼玉で造園の仕事をやっているそうなので、埼玉つながりでここに来たんでしょうかね。
でもすごいですね、素人でありながら、ちゃんとこんなサインするんですね、当時の写真付きで。
おかーさんにお礼を言って珍石館をあとにして影森の駅に向かうと、正面にはどどーんと武甲山。
おかーさんが案内の中でたびたび「武甲山は秩父のシンボル」と言ってましたが、たしかにその意味、分かりますね。
＜2019年3月訪問＞ 最新の情報は公式サイト等でご確認ください
秩父珍石館の基本情報
秩父珍石館への旅
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